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加水劣化のベタつき取り

【この記事の所要時間: 313秒】

バッグ等の内張りがベタついたり、ゴム風仕上げや抗菌仕上げが変質したり、靴底が崩壊したり…これらは大抵、加水劣化・加水分解の仕業。
ベタつくと触れて不快なのはもちろん、他の物に張り付いたり変質成分が移ることもあるため使い続けることが難しくなりますし、靴底の崩壊は場合によっては転倒など事故にも繋がりかねません。
以前出先で靴底が崩壊した際には、急いで最寄りに靴屋を探して駆け込んで新しい靴を買いましたが…店まで壊れた靴で歩くのは一苦労でした。(周りの目も気になりました。)

加水劣化・加水分解すると判っている素材や仕上げを何故いまだに使っているのか?劣化や分解をしないような品質改良は進んでいるのか?非常に疑問を感じています。
個人的には即座に使用を止めて欲しいですね。

それはさておき、加水劣化のベタつき取りに挑戦してみました。
対象はクッカーの収納袋(スタッフバッグ)と折り畳みバッグ(エコバッグ)、傘の柄。
収納袋と折り畳みバッグは内側の撥水コーティングが、傘の柄は表面に施されたゴム風抗菌塗装が、それぞれ酷いベタつき状態です。 

 

 

用意した物

・重曹(食用グレードなので食器や調理器具の洗浄にも可)
・無水エタノール

 

 

バッグの内張り(重曹を使用) 

ボウルや洗面器にぬるま湯を入れ、重曹を溶かします。
重曹の量は…余り意識しませんでしたが、ぬるま湯200ml当たり小さじ1杯程度でしょうか。
そして、対象物を裏返しにして(内張りを表に向けて)完全に沈め、暫く漬け込んでおきます。

 

(ちょっと見苦しいですが…。)
コーティングが浮いて、部分的に剥がれてきます。
この収納袋の場合は、ゆで卵の薄皮のような感じで剥けてきましたね。

 

その後、乾燥させて出来上がり。
ベタつきは綺麗に取れました。

 

こちらは折り畳みバッグ。
上記の収納袋とは異なりコーティング材の剥離は一切有りませんでしたが、表面のベタつきは綺麗に取れています。 

いずれも撥水性は無くなっていますので、必要なら市販の撥水剤を塗布すれば良いでしょう。
調べてみると、信越シリコーン「ポロンT」の評価が高く、テントなどの防水コーティングに使われている事例も多いです。
揮発性が高く乾燥に要する時間が短い(というか殆ど無い?)、乾燥後はサラサラした手触り…とのこと。 

 

 

傘の柄(無水エタノール)

不要な布(雑巾など表面がザラついている物がお勧め)に無水エタノールを含ませて、ベタついている部分を擦り落とします。
ベタつきが感じられる程度の軽い劣化よりも、指で強く押すと凹んだり指紋が写ったりする程度の重度の劣化の方が落としやすいです。
尚、このベタベタは他の物に付くとなかなか落ちないため、十分注意して作業します。 

 

作業前の写真を撮り忘れてしまいましたので、同じく加水劣化している他の物です。
これも結構ベタつきますが、まだ劣化の程度が軽いため今回の方法では簡単には落ちません。

 

作業後の写真。
擦れはありますが、全体に綺麗になりました。
最初からこのまま・素のままで良いんですよ…わざわざゴム風仕上げとか抗菌仕上げをしなくても。

 

今回の方法は、バックパックやテントなどの大きな物、高価なバッグや小物類、電気/電子機器には向きませんが、それら以外ならお手軽かな。
あくまでも後処置のため、劣化の進行を抑えたり、原型を損なっている加水分解の対処には使えません。