クロスカブを実家に常置するようになり、実家圏内を走って感じたことが幾つか有る。
一つは、以前ブログにも書いたがガソリンスタンドが少ないこと…自宅近辺(首都圏)と違って幹線道路でも大幅に少なく、土日休業の店も多い。
クロスカブを含めカブ系は燃費が良い反面ガソリンタンク容量が少ないため、ガソリンスタンドの少なさは不意の燃料切れに直結する不安。
そんなわけで予備燃料を持ち回るためのサブタンクを装着した。
(via;[CC110] カスタマイズ … サブタンク装着
もう一つは、夜間暗い道が多いこと。
幹線道路でも自宅近辺に比べれば照明(街灯)や道路沿いの店が少ないこともあってちょっと暗めだし、幹線道路を離れれば人家も少なく更に暗くなる。
また、ヘッドライトが暗いと対向車からは車速が遅いという錯覚を招き、交差点で間近での右折や無理な割り込みをされる場合が多い。
クロスカブのヘッドライトはお世辞にも明るいとは言えず、様々な手段で照度アップを図っているユーザーが少なくない。
- 高輝度ハロゲン球への交換…照度アップは僅かで、むしろ発熱や消費電力の増加が心配。
- HIDへの交換…一般的なバイク用製品はクロスカブのバッテリーでは負担が大きく、原付でも使える製品は大して明るくないらしく、更に使用中の故障事例も少なくない。
- LEDへの交換…ライト部分に加えてドライバー/コントローラーが大きくてクロスカブのライトケース内に収まらず(これはHIDも同様)、放熱ファンやケーブル引き出しのためライトケースを加工する必要が有る。
更にHIDやLEDの場合は万一故障した場合に容易に復旧出来ないという難点もある。
バッテリーへの負担増や車体(ライトケース、他)の加工は極力避けたいし、故障した際の復旧を容易にしたい。
そう考えてヘッドライトはノーマルのままにして、追加でLEDフォグライト(サブライト)を装着することにした。
最近は低消費電力で高輝度のLEDが一般的になってきたし、バイクへの装着を考慮して防水防塵や対向車(ドライバー)への防眩処理がされているフォグライトが増えてきている。
クロスカブへの装着例も多く、大変参考にさせて戴いた。
設計
というと何だか大袈裟な感じがするけれども、事前に図面を引いておけば購入品を絞り込めるし、何かトラブルに遭遇した場合にも対処し易い。
今回はLEDフォグライトの装着に併せて、現在装着している後付け電装品(シフトインジケーター、GPSナビ、シガーソケット)の配線も全て見直すことにしたため、 回路図は特に欠かせない。
他にグリップヒーターもあるが、こちらはショップにお願いしたので流石に綺麗にまとめてあって、弄る必要は全く無かった。
回路図
LEDフォグライトはバッテリーからリレー経由で電源を取り、キーのON/OFFに加えて手動スイッチのON/OFFでコントロール(共にONで点灯)する。
既存の後付け電装品はグリップヒーターを除いて全てサービスチェックカプラ(キーON/OFF連動出力)から電源を取っていたので、こちらも同様にリレー経由へ変更する。
取付ステー構成図
入手し易い汎用部材を組み合わせて、LEDフォグライトを装着するステーを検討。
取り付ける先は武川製フロントキャリアのリフレクター装着部分(ダボ)を予定していたが、実際に車両に仮付けしてみたところ若干位置が高く・前へ突出する感じだったため、オリジナルのリフレクター装着部分へ変更。
また、上図のステーでは左右への開きが少し大きく感じたため、 スペーサーカラーを外して取付位置を僅かに中央へ寄せた。
購入品
回路図と構成図に従って部材を購入。
LEDフォグライト
デザイン、高輝度(5500カンデラ)、低消費電力(8W/灯)、防水防塵(IP67相当)、対向車への影響が少ないレンズカット形状と回り込んだコーナーでも見易い配光パターンでシリウス(SIRIUS)LEDフォグライト・セット SINS-2423KB(台湾メーカー製・株式会社プロト扱い)を選択。
付属のスイッチキット(スイッチ/配線/リレー) は、スイッチが防水ではなく・配線も予定している構成には流用し難いため、結局未使用のまま。
LEDフォグライト単品(SINS-2423B)を二個買っても良かったかな…と思ったものの、実は価格差は殆ど無い。
配線部材
リレーやヒューズ、分岐ケーブルなど不足品と今回ついでに交換する物を購入。
LEDフォグライトを手動でON/OFFするスイッチはデイトナのユニバーサルON/OFFスイッチ 71779を選択。
ギボシ端子などは手持ち品を使用する。
ステー用部材
LEDフォグライトを車体に装着するためのステー用部材。
ステーといっても簡単に言えばクランプで挟むための適当なパイプであり、車体への装着性・安定性・強度を考えていろいろと思案した結果が冒頭の構成図で、それを実現するのがこれらの部材。
パイプは汎用クランプバー(写真上段左側の二つ…自転車やバイクのハンドルにスマホ等を取り付けるパイプ)を流用する。
このクランプバーを車体に取り付ける際のL字金具は一般的なアングル金具ではなく、モンキー用のウィンカー取付金具(写真上段中央)を流用。
アングルステーに比べて小振りで、開けられているボルト穴がφ10mmとφ6mmなのが選んだ理由…このボルト穴の組み合わせはクランプバー側M10ボルト/車体側M6ボルトと見事に適合する。
写真上段右側の二つは取付部分の段差を吸収するためのスペーサーカラーだが、取付位置変更により段差が無くなり且つ中央寄せにするため使用せず。
写真下段はステー全体を黒色で統一するために追加購入したブラックカラーのボルト/ナット/ワッシャー類。(1)
出来上がりがコチラ。
クランプバーは肉厚も有り、全体にかなり頑丈な造りに出来た。
この写真ではスペーサーカラーが残っている。
その他
LEDフォグライトを購入したものの実際に装着出来るのは当分先…その時に万が一点灯しなかった場合、果たして初期不良として対応して貰えるだろうか…という心配。
なので事前に点灯確認出来るようにAC⇒シガーソケットアダプタとシガーソケットプラグを購入。
アダプタの電流出力は最大1Aだが、LEDフォグライトの消費電流は約0.67A(12V・8W)のためOK。
もちろん、二個とも全く問題無く点灯した。
写真右側のシガーソケットプラグにはケーブル端にギボシ端子が見えるが、これは点灯チェックのため後付けしたもので、製品には付属していない。
装着
LEDフォグライト取り付け
ヘッドライトフレームの、ノーマルではリフレクターが取り付けられている部分(ダボ)に、武川製フロントキャリアーのステーと共締めで固定した。
クランプバーの直径はハンドルバーと同じφ22mmで、LEDフォグライトに付属している取付クランプ(二種類)のうち小さい方とゴム製スペーサー(二種類共)を組み合わせて使用している。
尚、 製品仕様ではこの組み合わせでの対応径はφ25mm以上だが、緩みなどの問題は全く無し。
配線
フロントカバー内…LEDフォグライト×二個や手動スイッチからの配線が追加になり結構手狭になってしまった。
センターカバー/シート下カバー内…既存の後付け配線も全て見直しのため引き出したため、すっかりカオスな状態。
フロントカバー内側の配線を含めて接続は全てギボシ端子を使い、結合部分をハーネステープで防水加工した後、どうにか無理なく収納出来た。
手動スイッチ
左側のスイッチボックス前面に両面テープで貼り付け。
ツイッターで教えて戴いた場所で、ちょうど良い感じに平坦な面が有り、 ハンドルから手を離すことなく指先で操作出来る。
完成
背景が少々雑然としているけれども…。
前方から…ウィンカーの幅とほぼ同じで、ヘッドライトとのサイズ的なバランスも良好。
側面(やや斜め上)から…前後のバランスも良い感じ。
当初予定していた装着場所(上の写真でリフレクタが付いている部分)だと5cmほど前方になるため少し突出し過ぎた感じになるし、高さが上がってウィンカーと接近することにより点灯した場合に強い光でウィンカー点滅が見難くなる懸念があった。
上方から…このまとまり感が良いね。
点灯
ヘッドライト(未点灯)は要らないかも?と思えるほどに明るい。
夜間走行はもちろん、昼間でも三点灯すれば前方からの被視認性はかなり向上するはず…これで無理な割り込みや直前での対面右折が減ることを期待しよう。
まだ光軸調整をしていないが、ドライバー視点を想定した高さで前方から見ても直接目に入るような眩しさを感じないので、このままでも良さそう。
尚、LEDフォグライト自体も前面カバーの上から1/4までカット処理が施されていて、上方への光の回り込みを抑えている。
- クランプバー付属のボルト類は全てシルバー。 [↩]