IC-7300弄り … 排熱ファンの静音化

【この記事の所要時間: 38秒】

IC-7300は排熱ファンの運転音がかなり大きいらしく、特に送信時には爆音状態になり周囲へ気兼ねするほどだとか。
そのため、静音ファンへ交換しているユーザーも少なくない様子。
設置を完了する前に交換しておこう…と、昨日IC-7300の動作確認を一通り済ませてから着手した。

 

 

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ファンは「Noctua NF-A8 PWM 80mm Premium Quality Fan」が定番だが、黒一色のファンを見慣れた目には、この濃淡二色の茶色はとても新鮮。

 

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パソコン用のため様々なコネクタ付きの接続ケーブルが付属しているが、いずれも使わない。
代わりにIC-7300基板上のファン用コネクタに付け替える。

 

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オリジナルファンのコネクタ部分を切り取って流用すれば簡単だが、もしも後で元に戻す必要があると困るため、対応コネクタも調達することにした。
コネクタは汎用品(JST/PH-2)でAmazonでも購入できる。
コネクタの取り付けはピンの圧着処理が必要になるが、既に短いケーブルが取り付けられた物を見つけたのでそちらを購入した。

 

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ファン直出しケーブル先端のコネクタを切り落とし、PH-2タイプコネクタのケーブルをハンダ付けする。
接続部分は熱収縮チューブで絶縁と保護を忘れずに。

 

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尚、ファンからケーブルが出る向きが純正品と異なり、そのままではIC-7300への装着時にケーブルを噛んでしまうため、ファンに溝を削って逃がす必要がある。
ファンの外装は柔らかい樹脂製なので、プラモデル用の棒ヤスリでも簡単に削れる。
写真は加工の途中で、この後、写真での右側面側も結構削っている。

 

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ケーブルとファンの加工が済んだら、いよいよ純正ファンとの交換。
IC-7300の裏蓋を開けて(左右と底面の計10本のビスを外す)、基板上中央辺りからファンに繋がっているコネクタを抜き取る。

 

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続いて、ファンと保護網を共締めしているボルト(計4本)を外すが、ここが結構固く締め付けられていて、適正サイズのドライバーを使わないとネジ頭を舐める恐れ有り。

 

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加工した交換用ファンをケーブルの向きに注意しながら装着し、保護網を合わせてボルトで共締めする。
この際に締め込み過ぎるとファンのフレームが破損する恐れがあるため、ほどほどに。

 

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続いてコネクタを接続する。

 

動作確認してみると確かに静かで、それなりに静かな室内(他に殆ど物音がしない)でも回転しているかどうか判り難いほど。
純正ファンの回転数は3400rpm、対して交換したファンの回転数は2200rpm。(1)
約2/3もの低速化になるが、交換された方々によると特に支障は出ていないとのこと。
但し、フルパワーでRTTYの長時間運用するなどの過大な負荷は避けたほうが良いらしい。(2)

 

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純正ファン(左)と交換した消音ファン(右)

 

 

  1. 電圧はどちらもDC12V。 []
  2. 純正ファンは元々そうした運用形態も想定した上で余裕を持たせているとの説もある。 []

固定運用無線機と外部電源新調 … IC-7300、DM-330MV

【この記事の所要時間: 648秒】

さすがにQRP機(FT-818ND…最大出力6W)と屋内ホイップアンテナ(RHM8B…集合住宅室内設置)では期待するほうが無理というもの。
実運用を再開して以来、FT8での交信数は僅か2局(途中立ち消えを含めても3局)、送受信ともにシグナルレベルはかなり低く、殆ど相手局の能力に助けられたと言っても良いだろう。(1)

 

 

アンテナのグレードアップ

先の記事にも書いたが、自宅(集合住宅)の管理規約がかなり厳しく(BS/CSアンテナの設置も不可)、現状では大したグレードアップ(大型や長いアンテナへの変更)は望めない。
試しに管理規約の範囲内でRHM8Bを仮置きしたこともあったが、上下左右と背面を深く壁に囲まれた状態では、室内(窓際)に置いた場合と送受ともに大差無く、結局室内設置に戻した。
RHM8Bが防水ではなく、周波数帯域の手動設定が必要なため屋外常置向きではないこともあるが。

下記の内容で管理組合にベランダへのアンテナ設置許可を諮ろうと考えている。

  • 手摺を含めて構造物には一切固定しない。 
  • 使用時のみ手摺を越えて突き出すが細い棒状で長さは2m程。 
  • 避難の邪魔にならないよう普段は隅に片づける。

もしかすると藪蛇になるかもしれないけれど、筋は通しておきたい。

まずは、今室内に仮置きしているRHM8Bを使用時のみベランダに置いて使い(前回よりも設置場所や向き、角度などを試行錯誤してみるつもり)、許可が下りれば、ATUエレメントとATUの組み合わせを考えている。

また、ベランダの隅で上下(ベランダの天井と床の間)に通っている雨水排水管と壁固定器具がともに樹脂製なので、これを使ったロングワイヤー風アンテナを試してみるのも面白そうだ。
具体的には、排水管と反対側の隅(ベランダ)から排水管最上部に向けてワイヤーを張り、そこから排水管に巻き付けながら下におろしてATUに接続する。
これなら傍目には物干し紐に見えるし、構造物への固定についても許される範囲内だと思う。(2)
天井の真下に当たり、排水管もベランダの窓寄りのため、性能はあまり期待出来ないかもしれないが…ATUはいずれ必要になるし、ワイヤー分の投資は殆ど気にならない。
少なくとも今の室内設置よりは良いだろう(期待)…まずは試してみよう。

尚、アースはカウンターポイズをメインにして状況によっては人工RFグラウンドを併用する予定。

 

 

無線機のグレードアップ

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やはり出力アップは必須。
デジタルモードはQRP向け…再開する前に情報収集した際によく見かけた言葉だけど、実際にはやはりそれなりの出力が無ければ難しい。
特にアンテナがプアなので或る程度は出力で補うしか…本末転倒だという自覚はある。

グレードアップを考え始めて、候補はすぐに決まった。
iCOMのIC-7300とYAESUのFT-991A
どちらも機能・サイズ・デザイン・価格帯がかなり近くて結構悩んだが、メーカーやショップの商品説明・ユーザーインプレ・比較記事などを参考に、IC-7300に決定。
選んだ理由はいろいろあるが、スコープ表示の優秀さとリモート操作のし易さが決め手かな。
尚、144/430には対応していないが、このバンドに自宅から出る予定は無いし、もし出たくなったらFT-818NDが有るので問題無し。
むしろ144/430が無い分、HFに注力していると感じられるし。(3)

IC-7300は(FT-991Aも)、最近の無線機らしくPCとUSBケーブル一本で接続出来る。
また、アンテナチューナーが内蔵されているので、現在の構成に比べて配線がシンプルになる。
FT-818NDではSCU-17(USBインタフェース)やZ-817(アンテナチューナー)が繋がり雁字搦めの有り様で、これではたとえ移動運用しようと思ってもなかなか持ち出す気にならず。
固定機を新調することでFT-818NDを本来の移動機として活用出来るだろう。(期待)

外部電源が必要なため、一緒にALINCOのDM-330MVを購入した。
小型軽量ながら連続30A(最大32A)の余裕ある出力で、ユーザーインプレによるとノイズ(音と電磁いずれも)が少ないと高評価だ。

 

 

設置

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まずは全ての配線を外して、全ての機器を撤去して、一から配置し直し。
FT-818NDでさえ手狭な所に何倍もの大きさをもつIC-7300が鎮座するわけなので、もはやパズルみたいなもの。

救いは、上でも書いたが、IC-7300はアンテナチューナー内蔵だしPCとUSBケーブル一本で接続出来るから、同様の構成のFT-818NDに比べて配線が大幅に簡素化出来ること。
また、これまで固定機仕様で使ってきたFT-818NDが移動用としてフリーになるため、SCU-17(USBインタフェース)とZ-817(アンテナチューナー)は常時接続する必要が無く、とりあえず仕舞っておくことにした。

そして配置完了。
予想通り、IC-7300の置き方に悩んだ。
後部に突き出す配線(アンテナ、電源、USB)で想定以上に奥行が伸びてしまい、結局、斜めに向けて奥行を稼ぐことに。
更にアンテナケーブルはL型中継プラグを介して上方から接続するようにして、僅かでも奥行を減らすようにしている。

 

 

セットアップ

早速、デジタルモード(FT-8)運用に向けてセットアップ。
iCOMの無線機は初めて使うので、先達の方々が公開して下さっている解説を頼りに設定。
大変詳しく判りやすい解説と、IC-7300の情報表示とタッチパネルによる操作のおかげで、特に悩むことなく設定出来た。

PC側はUSBドライバーの入れ直し(FT-818NDの際にインストールしたドライバーを削除後、IC-7300のドライバーをインストール)と、WSJT-Xの設定変更だが、こちらも先達の方々による解説のおかげで滞りなく出来、室内仮設置のRHM8Bで早速受信⇒デコード成功。
送信については、増設申請自体がまだこれからなので保留。(4)

ここで、FT-818NDでは使用をやめていたUSBデバイスサーバ(RaspberryPiで運用)を試してみることにした。
FT-818NDではアンテナチューニングや送信時の回り込みと思われる原因で、SCU-17からのUSB接続のうち音声系のみ繋がらなくなる…という現象が頻発していた。
RaspberryPiの置き場所を変えたり、各所にパッチンコアを追加しても改善しなかったため、結局、SCU-17とPCを直接USBケーブルで繋ぐことにしたが、この「紐付き」はかなり不便。
なので早くワイヤレス接続に戻したかった。

IC-7300とGPSレシーバーをUSBデバイスサーバに繋ぎ直し、RaspberryPiを起動。
PC側で両者の接続を確認。
とりあえずWSJT-Xでの受信は有線接続と変わりなく安定している。
送信時の挙動については…増設申請とデジタルモード追加が完了するまでお預け。

 

 

そして自由の身になったFT-818ND

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付属のホイップアンテナを装着して、とりあえずはFMラジオとして活躍中。
持ち出す時は(このアンテナと)背面に繋がっているDCコネクタを外すだけでOK…随分身軽になった。
ちなみに、左右に装着している保護フレームのハンドル部分(前方)は、ボタンやツマミを操作する際の良い手掛かり(指掛かり)になっている。

  1. まぁ、それほどアクティブでは無いことも伸び悩みの理由かも…CQに
    2回ほど応答してダメなら即諦めるし、自分がCQを出す際も2〜3回繰り返したら止めている。 []
  2. 物干し紐や物干し竿の固定と同じ。 []
  3. 比較記事でも、HF主体ならIC-7300というものが多かった。 []
  4. その後にデジタルモードの追加変更が必要…早く包括免許制にならないかなぁ…。 []

FT8初交信♪

【この記事の所要時間: 541秒】

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無線環境が一通り整い、デジタルモードの追加手続きも完了し、FT8での受信をしばらく続けて、いよいよ交信ということで一昨日の夜からトライするものの…CQを出している局を呼んでも取って貰えない。
比較的強力に入る局でも駄目。
他の局との交信が始まれば「強い局が応答されたんだな」とまだ諦めもつくが、こちらが呼んだ直後にもCQが続くと「届いてさえいないのか」…と。
まぁ、出力僅か5Wだし(1) 、それ以上にアンテナの問題もあるし。

 

 

アンテナ難民

自宅は集合住宅(マンション)のため屋外に無線用アンテナを設置するとなるとベランダが唯一の空間。
巷のアパマン・ハムの方々は様々な創意工夫を凝らしてベランダに各種のアンテナを設置して無線を楽しんでおられる様子。

そうした創意工夫を参考にさせて頂いて自分も…と考えたが、マンションの管理規定が結構厳しくて、「ベランダ内への固定物設置不可(固定していなくても大型物は不可)」「建物外壁面から外への物品の突き出し不可」「ベランダ手摺への物品設置不可(布団干しも厳禁)」。
そして先日の管理総会で「BS/CSアンテナの設置不可」が追加されて更に厳しくなった。

いずれも防災(落下事故、避難障害回避)や美観の面から当然至極な規制なのでやむを得ない。
BS/CSアンテナについても、光接続で視聴出来るようになっているため必然性に乏しく、設置しているのは僅か数戸のためこれまでは黙認状態だった。
BS/CSアンテナが不可な状況でアマチュア無線のアンテナを設置できるはずが無い。

ベランダから突き出さず、ベランダ内に固定設置もしないアンテナ…となると難しい。
横幅が十分有ればロングワイヤーを張れるが、そこまでの余裕は無し。
短めのホイップアンテナなら簡易的なマウントベースを用いて設置出来るけれど、五面を壁に囲まれた(特に天井がかなり接近する)ベランダの中に置いても、飛び/受けは殆ど期待できないし、近隣(特にエアコン室外機)からのノイズの影響も気になるところ。

夜陰に乗じて運用時だけこっそり手摺を超えて突き出すことも考えたけれど、ルール違反(集合住宅での生活マナーにも反する)はしたくないしね。

このアンテナ設置の問題がアマ無線の開店休業を長く続けてきた最も大きな理由。

 

 

再び開店休業か!?

今回ほぼ勢いで実運用再開に向けて行動してきたわけだけど、やはりこのアンテナ設置問題が立ち塞がってきた。
今はとりあえずホイップアンテナ(RHM8B)を室内の窓際に仮置きしているが、飛びはもちろん、受けも音声とCWは殆ど聴こえず、デジタル(FT8)も閑散。
加えてノイズが酷くて、HF帯のローバンドからミドルバンドに掛けては常に強度S8前後のノイズで埋め尽くされている。

今回は(上記の制限に反しないようにして)ベランダに出してみたが、受信状況・ノイズレベルともに室内仮置きと比べて大して改善せず。
実は…こんな状況ならまたアマ無線を休止しようか…と本気で考えたこともあった。

ノイズに関しては、先日コモンモードフィルターの新規追加とパッチンコアの増設をしたことで大幅に低下した。

 

 

試行錯誤

無線環境の設定でも音声信号レベルの試行錯誤が続いた。
受信側(無線機⇒PC)は実際の通信をデコードしながらレベル調整出来るが、送信側(PC⇒無線機)が最初どうすれば良いのか判らず手探り状態だった。
調べてみると、WSJT-Xには「変調信号と同じ信号レベルの音声を送出する」機能があり、これで送出レベルの調整が出来そう。

早速、FT-818NDの出力を最小にして、使われていない周波数を選んで Tune をクリック。
PWRメーターの針が振れ、モニタリングしていた短波ラジオから音が聞こえてきたので、FT-818NDのALCメーターが振れない(目盛りが表示されない)ように、PCのスピーカーレベルとSCU-17のTXレベルを調整。

[tip]FT-818ND設定
・25 DIG MIC … 10
SCU-17
・RX LEVEL … 時計見立てで8時辺り
・TX LEVEL … 時計見立てで2時辺り
PC(Windows10)
・スピーカーレベル … 20
・マイクレベル … 20[/tip]

全体的に低めに設定している。

また、無線環境とPCを離すために、RaspberryPiをUSBデバイスサーバにしてSCU-17とGPSレシーバーとの接続をWi-Fi経由にしているが、アンテナチューニングや送信時に回り込みが発生しているのか、時折挙動不審になる。
その内容は、SCU-17からの音声信号だけが入力されないというもの。
当然ながらWSJT-Xでのデコードが出来なくなるため通信が一切不可になる。
復旧するためにはRaspberryPiを再起動する必要があるため、やむを得ず一時的にUSBデバイスサーバの使用を保留し、SCU-17とGPSレシーバーは長めのケーブルでPCに繋いだ。
紐付きはやはり不便。

 

 

そしてついに♪

今朝、ダメ元で環境を立ち上げて7041KHz(FT8)を聴き始めた。
アンテナはこれまでの状況(実感、実績)からわざわざベランダに出すまでもないと室内窓際設置のまま。
昨日と違って閑散としている中、4エリアのとある局からのCQが入ってきた。
受信レベルは-24dB…かなり低い。

途中何局かとの交信(相手側はデコード出来ず)を挟みながらCQが繰り返される。
そのうち、他局が居ないのかCQが続くようになったので、応答してみることにした…が不発。
自動で再応答したが返答無し…やはりダメか…と TX Enable をクリックして自動送信停止。

…と、相手からの応答を受信…慌てて自動送信を再開。
相手からの受信レポートは-20dB…これもかなり低いが、無事に交信完了。

FT8初交信、またアマチュア無線自体ほぼ四半世紀ぶりの新規交信になる。(2) 

交信後にPKTreporterを確認すると、相手局での受信状況は-12dB…この差は何だろう?

 

 

こちらも初めて

WSJT-X⇒JT_Linker⇒Turbo HAMLOGでログ初記録。
Turbo HAMLOGでエキスポートしたログデータをLotW、QRZ.com、eQSL.ccへ初格納。
初めて尽くし。
勢いで登録したこれらサービスだけど、やっと活用することが出来た。

  1. FT-818NDの最大出力は6Wだけど、QRPの定義?慣習?から一段階下の5Wに設定。 []
  2. その間の交信は仲間内での連絡用途ばかり。 []