IC-7300は上位機種のようなサーバ機能が無く、IC-705のようなWi-Fi機能も無い。
PCとの接続はUSBのみ。
なので、FT8運用環境一式を構築した専用のWindowsPCをUSB接続し、そのPCに対してWi-Fi経由でリモートデスクトップ接続することでワイヤレス運用できるようにしていた。
⇒【無線用PC新調】
過去形なのは…一か月ほど前にその無線用PCが突然起動不可に陥ったため。
事前に取っておいたフルバックアップからリカバリしたもののOS起動不可、自動修復もダメ、ブートエリア/MBRを再構築をしても復旧せず。
幸いに、IC-705とGPD P2 Maxで同様のFT8運用環境を構築しており、しかもアプリやデータはこちらの方が新しいため、IC-7300も使えるようにすれば良いのでは?と思い至った次第。
但し、冒頭に書いた通りIC-7300との接続はUSBなので紐付きになるのが懸念点。
⇒【IC-705 … ワイヤレスでFT8(RS-BA1、WSJT-X)】
そういえば、実運用を再開した際に、FT-818(とSCU-17)とPCをワイヤレス接続しようと、RaspberryPiでUSBデバイスサーバ(USB⇔Wi-Fi)を組んで試行錯誤したことがあった。
WSJT-Xからの制御と受信デコードはひとまず成功したものの、送出音声の歪が改善せず、実用を諦めた経緯がある。
⇒【FT-818NDのリモート操作とPC環境セットアップ】
その後そのまま隠居状態になっているラズパイUSBデバイスサーバをふと思い出した。
これを使えばIC-7300をワイヤレスでUSB接続できる、IC-7300はFT8での運用実績(設定)があるので、送出音声の件も改善策を思いつくかもしれない。(FT-818はUSB直接続でも運用実績が無く、送受信レベルの適正範囲が良く判っていなかった。)
というわけで試してみることにした。
IC-7300とGPSレシーバー(写真内右上の黒くて丸い物)をUSBハブ経由で接続。
PC(GPD P2 Max)設定
USBデバイスサーバアプリは「VirtualHere」を使用。
RaspberryPiにラズパイ版サーバ、PC側にWindows(64bit)版クライアントをそれぞれセットアップする。
サーバ版はUSB機器(ポート)が一つの場合は無料で使用出来るが、今回は計3ポート(IC-7300が2ポート、GPSレシーバー)なので有償ライセンスが必要になる。
クライアントアプリをインストール後起動すると、上の画像のようにサーバを自動認識し、接続されたUSB機器の一覧が表示される。
尚、接続した時点では各USB機器はまだ使用出来ないため、右クリックでメニューを出して使用状態にする。(上の画像は使用状態にしたもの。)
接続後に自動的に使用可能にすることもできる。
クライアントアプリで使用状態にしたUSB機器がCOMポートに見えている。
上の例では、IC-7300はCOM7・GPSレシーバーはCOM4に割り当てられている。
まずはGPSレシーバーが使えることを確認。
時刻合わせアプリ「NMEATime2」を使ってGPSを使ったPCの時刻合わせが出来ている。
USBデバイスサーバ経由で接続したIC-7300のCOMポートを選択。
CATコントロールと送信(PTTテスト)もOK。
懸念の送信音声の歪は、USB直接続に比べて僅かに大きいように思われるが、過入力の可能性が高そうなので、対処は出来るだろう。
音声の入出力はデフォルト設定のまま。
WSJT-Xの無線機設定でIC-705用から変更したのは無線機機種とCOMポートのみ。
そういえば、PC(GPD P2 Max)には元々IC-705用のUSBドライバをインストールしていたが、今回IC-7300用のUSBドライバはインストールしていない。
メーカーのサイトを見ても互いの対応機種には入ってないけれど、互換性が有るのだろうか。
試験運用
早速CQを出してみた。
3コールほど応答無し…この後WSJT-Xの出力を100%から60%程度に下げてみてコールしたら応答が有り、無事交信成功。
USBデバイスサーバを自宅外で使う際にはWi-Fi APが必要。
ただ、移動運用ではIC-705を直接USB接続するため問題無し。