MALACHITE DSP SDR RECEIVER HQには如何なるアンテナも内蔵されていないため、受信するためには外付けのアンテナが必要。
⇒【今風の見えるラジオ…MALACHITE DSP SDR RECEIVER HQ】
本体に合わせて購入したロッドアンテナを繋げば、FM放送と短波放送の一部(強力な局)は受信出来るようになったが、中波放送は超強力なローカル局(ラジオ日本)を除くと辛うじて聴き取れるレベル。
それでは…と、以前TECSUN PL-365用に作った高利得フェライトバーアンテナを使った同調ユニットを作成。
⇒【高利得フェライトバーアンテナ用同調ユニット製作】
格段に受信状況が向上し非常に満足しているけれども…完全中波帯特化なのでFM放送や短波放送では使えず、また比較的コンパクトにまとめたとはいえケーブル接続の完全外付けタイプなので手軽さに欠ける。
比較的広帯域(中波〜短波)に対応し、直結出来るのコンパクトなアンテナを探していて、見掛けたのがkerokeronyororoさん作成の「Micro-Whip」というMini-Whip系の小型アクティブアンテナ。
⇒【Micro-Whip】(kerokeronyororoのblog)
特殊な部品は無く※、回路や構造も比較的簡単なので、早速作ってみた。
※RF(HF/VHF)増幅用のFET「2SK192A」のみ随分前に廃番になっていて市場在庫も払底している模様なので、代替品を調べて「J211-D74Z」に変更した。(実はこの変更が…。)
作成メモ
作成で最も手間&時間が掛かったのがケースの加工。
単三乾電池×2本用のスイッチ付きケースをベースに、単三乾電池×1本用に変更し、SMAコネクタ取り付け用の穴開けと余計な出っ張り(蓋固定ネジ留め用ダボ…装着したアンテナで蓋が固定されるのでネジ留め不要…と電極固定用隔壁)を切削した。
出っ張りはただ削り落とすだけではなく、SMAコネクタの固定用ナットが空回りしない程度に引っ掛かるように加減した。
そのため、SMAコネクタの固定時にナットを押さえる必要が無く、作業が容易になった。
電源スイッチが標準装備なので、後付け・配線が不要。
使用アンテナ
この回路はゲインが高いため、余り大きな/長いアンテナは適さない…とのことなので、以前購入したやや短めのホイップアンテナを使用。
ロッドアンテナのような構造で先端を引き出して伸ばすことが出来る。
短縮時は21cm、最大に伸ばすと36cmになる。
比較的軟らかい素材で出来ていて曲げることが出来る。
受信
念入りに各部をチェックして、アンテナを装着し、MALACHITE DSP SDR RECEIVER HQに接続して…いよいよ火入れ。
結果は…う〜ん(^^ゞ
対応帯域外(元記事によると長波〜16MHz辺りが実用範囲とのこと)ながらFM放送が良好に受信出来る。
ちなみに、バッテリー切れで内蔵時計が初期化されてしまったため、時刻は全く合っていない。
短波放送も結構良好に受信出来る。
多くの局で確認したわけではないけれど、FM放送と短波放送は効果をほぼ確認出来た(と思う)。
では、肝心の中波放送はというと…おおよそ1000kHz以下の受信レベルがかなり低く(例えば、在京7局の内で実用になるのは文化放送:1134kHz・ニッポン放送:1242kHz・ラジオ日本:1422kHz)、ノイズや妙な発振も目立つ。
今回、廃番になっている2SK192Aの代替として使用したJ211-D74Zは他の代替品と比べてゲインがかなり高いらしいことが何か影響しているのかもしれない。
また、もともとHF/VHF帯域用(FMチューナーやVHF帯増幅などの用途が多い)ということも関係しそう。
いずれ時間と気力があれば、他の代替品でまた組んでみたい気もする。
その前に、配線の引き回しを見直したり、アースの強化(場合によっては銅箔テープ貼付によるシールド)なども試してみるかな。
まずはFM放送と短波放送でそれなりに効果が得られたことを良しとしよう。
久しぶりに物作りも楽しめたしね。
【後日談:2021/12/25】
上にも書いた通り、目的の中波帯での受信レベルが低く(特に低い周波数)・ノイズや妙な発振も目立つ…というわけで実用には適さないと判断して、実のところお蔵入りしていた。
昨日ふと思い出して試してみたところ、中波帯全域で受信レベルが上がり、ノイズや発振も殆ど気にならず、これなら十分実用になるよ♪
別に回路や構造を弄ったり配線の引き回しを変えたわけではなく、ただ電池を抜いて仕舞い込んでいただけ。
今はMALACHITE DSP SDR RECEIVER HQに着けっぱなしで使っている。
ただ、周囲環境(機器からの電磁輻射やノイズなど)の影響をかなり受けやすいので、使用する場所が重要だと感じた。