[FT-818] FT8運用リベンジ♪

【この記事の所要時間: 635秒】

アマチュア無線は永らくコールサインを維持するだけの開店休業状態だった。
それが実運用を再開する大きなキッカケになったのが、FT8というデジタル運用の存在。
無線機とPCをUSB接続し、PCにインストールしたアプリで交信するというもの。
無線への興味はすっかり薄らいでいたけれど、PCと連携して操作・交信するという点に面白さを感じて、早速試してみることにした次第。

当時持っていた無線機は通勤ラジオとして使っていたVHF/UHFハンディ機(VX-8D)一台のみ。
FT8で運用するにはHF帯は欠かせないし、PCとの接続(外部I/F込み)も必須。
というわけで、FT-818NDと純正I/Fユニット(SCU-17)、その他諸々を一式新調したのが三年ほど前のこと。
デジタルモード申請が簡略化される前だったので、無線局免許状の変更申請が結構大変だった覚えがある。
⇒【無線機一式新調 … FT-818ND、他

その後、外装をメインにいろいろと弄ってきた経緯をブログにも記しているが、肝心のFT8運用についてはほとんど言及無し。
その訳は…散々試行錯誤したものの、結局交信に成功しなかったため。
肝心のアンテナが未整備(屋外設置前で、RHM8BやGAWANT/GAWANT-7を室内使用)だったことと、FT8関連の設定に不慣れ&スキル不足なため見様見真似で弄ったことで迷路にハマってしまったのが原因。

結局、その後IC-7300と屋外アンテナを新調しFT8での交信に無事成功したことで、FT-818でのFT8運用は完全に無かったことになり、その後更にIC-705を増設した結果、ラジオとしての出番も無くなってしまい、無線機ラックのお飾りとして殆ど隠居状態になっていた。
正直、関連品一式まとめて手放そうかと何度か考えたことも…。

Pocke IF817Ⅱ♪

ドナドナを待つばかりのFT-818をなんとか活用できないか。
やはりFT8運用への再トライだけど、一度手放したSCU-17を再入手するのはチョット、それにあのケーブル引き回しはスマートじゃないし、設定・調整も悩みそうで…。

そんな中、ず〜っと気になっていたのがFT-818の後部に直結出来るUSB-I/F「Pocke IF817」。
電源は不要(FT-818とPCから供給)でケーブルはPCとのUSB接続のみ、I/F自身には調整が必要な箇所は無し。
Pocke Tech(JA6IRKさん)で不定期に少数頒布されているもので、度々頒布サイトを除くものの常に品切れ状態。
それが運良くツイッターで頒布予告を目にして、無事入手することが出来た。
現在はKey入力用延長端子が追加された「Ⅱ」モデルになっており、また、外装色はロット毎で異なっているようで、自分が入手した物は緑色…パネルのODカラーとも合う。

Pocke IF817Ⅱ PCとの接続はmini-USB
Pocke IF817Ⅱ FT-818との接続はDIN×2と3.5mmΦミニプラグ

FT-818への装着は背面に有る二個のDIN端子(DATA,ACC)と3.5mmΦミニプラグで行う。
ミニプラグ⇒DINコネクタの順で位置合わせをするのだが、単体でも差し込みにくいDIN端子が同時に二個なので慎重を要する。
幸いに引っ掛かることもなく無事装着出来た。
最後にネジ(付属しているが、手持ちのネジ頭が薄い物を使用)で固定する。
アースを取る際にはこのネジに繋ぐ。

FT-818に後部に装着
3.5mmΦミニプラグとDIN×2の接続が要注意点

FT-818とPocke IF817Ⅱの間は4〜5mmほどの隙間が開いていて、中の基板が丸見え状態。
まぁ、水や埃、汚れが入るような環境で使うことは無いと思うけれど…少々気になるところ。
なので、簡易的だけどパッキン的な物を作って隙間を埋めてみた。
シリコンチューブに中芯としてステンレスワイヤを通して、Pocke IF817Ⅱの輪郭に沿う感じで成形したもの。
右側にはアンテナ端子が有るので、そちらは中芯を無くしてチューブのみにしている。

隙間埋めのパッキン的な物
とりあえず隙間埋めにはなりそう

完成形

実は一度外装を全て工場出荷状態に戻したので(理由は後述)、再度交換し、Pocke IF817Ⅱを装着した完成形がこちら。

立てて置いても保護フレーム(817 ESCORT)のおかげでPocke IF817Ⅱはギリギリ接触しない

修理依頼(出力が著しく低い)したものの…

Pocke IF817Ⅱを装着してFT-818側の準備が完了したので、ラズパイ四号機を使ってFT8運用環境をセットアップ。
⇒【[RASPBERRY PI] GPIOの学習を兼ねて色々盛って作ってみた
⇒【[RASPBERRY PI] ラズパイとIC-705/IC-7300でFT8運用環境(JTDX)

受信(デコード)の方は、Pocke IF817Ⅱの説明書や、過去の試行錯誤の記憶から割とすんなり成功して、いよいよ送信確認を始めたところトラブル。
それは…FT-818の出力が著しく低いというもの。
FT-818は送信出力を四段階に設定出来、容量十分の電源が接続されていれば6W/5W/2.5W/1Wの出力が有る。
それがどの設定にしても0.3W程度しか出ていない。
最初はATU-10で確認したが、手持ちの他のPWR計で測っても同等の結果。
そういえば、前モデルFT-817は終段が弱くて簡単に飛び(壊れ)易く、マイナーチェンジしたFT-818でも特に改善されていない(噂)と見聞きしたことがある。
見聞きした中にはしばらく使っていなかったらいつの間にか飛んでいた…なんてものも。
自分の場合は購入当初のFT8運用試行錯誤の後は全く送信していなかったものの、その試行錯誤で何かやらかしてしまったのかも…と早速メーカーへ修理依頼をした。
その結果は…「異常無し」…全てのバンドで規定の出力がちゃんと出ているとのこと。
とりあえず、修理は無くなり、全体的な点検と調査をしていただいた。

修理依頼に際して外装を全て工場出荷時の状態に戻した…久しぶりのスッピン

戻ってきてから再度試してみたところ…前回よりは若干上がっているものの最大出力設定でも0.5W程度しか出ない。
メーカーが見落とすわけもなく、FT-818自身ではなく他に要因が有るのだろうか?
アンテナ(Alexloopアンテナ)とATU-10はIC-705で正常に使えているし、PWR計もIC-705とIC-7300では設定通りの出力を確認出来る。
となるとアプリ(JTDX)?…でもIC-705とIC-7300は問題無いしなぁ…。

もしや!と思い当たったのがFT-818の設定。
メーカーでの送信チェックは音声かCWでデジタルモードまでは試していないと思う(外部機器やアプリが必要だし)。
FT-818の設定を調べてみると、それらしき設定【25: DIG MIC】(工場出荷時は50…手持ちの取説ではDIG GAINと記載)が10になっていたので、試しに28まで上げてみたところ各出力設定通りの出力になった。
その後、室内設置のAlexloopアンテナでFT8での交信にも成功♪

DIG MIC(DIG GAIN)設定なんて弄ったかなぁ?…もしかすると購入直後のしばらくFT8運用にトライした時に見様見真似で弄ったかもしれない。 
SCU-17やPC(当時はWindows機を使用)のレベル設定が幾つもあって、なかなか交信成功しないまま適当に弄ってしまったか。 
この辺りは実は今もまだ理解不足。

JTDX設定

無線機とオーディオ設定。

無線機設定 モードは「指定無し」の方が良いかも
オーディオ設定

[IC-705] PEOVI CARRY CAGE 用拡張フレーム装着

【この記事の所要時間: 246秒】

IC-705には、持ち運びのし易さと(移動運用をしなくても、コンパクトなので自宅内で割と持ち回る)、うっかり前面を下にしてしまった時に操作部分の保護、そして、操作しやすいよう置いた際にやや上向けにしたい…という目的で、PEOVIというメーカーのキャリーケージを装着している。
⇒【IC-705 … PEOVI CARRY CAGE 装着

このキャリーケージに装着して上・下・後面の保護性を高める拡張フレーム「FULL WRAP PROTECTION ADD-ON KIT」が発売されていたので、早速注文した。
受注生産の様で(発送までの)納期は2〜3週間とのことだったが、若干掛かって注文から約一ヶ月半で届いた。

構成品

アドオンキット(右上)は4つのパーツ(アルミ削り出し)で構成され、既に組み立て済み。
その下はキャリーケージ付属の物とソックリなハンドル(こちらもアルミ削り出し)。
他には、各種ネジ類とその工具(六角レンチ)、アドオンキットに貼り付けるゴム足。

左:キャリーケージ付属のハンドル/右;アドオンキット付属のハンドル

ハンドルは全く同じ形状で幅と厚さも同じだけど高さのみ微妙に異なっている。
キャリーケージ付属のハンドルには持ち手中程に「IC-705」の文字がレーザー印字されているが(希望すればコールサインを指定出来る)、アドオンキット付属の方は無地(希望オプション設定も無い)。

パッケージには「USE AS STAND」の文字…つまりハンドルではなくスタンドとして使うということらしい。

組み立て

アルミの塊から削り出された各パーツは精度も高く、無理無く・ガタ無くピッタリ嵌合出来る。
特にキャリーケージ本体とアドオンキットはネジを締めなくてもほぼ固定されるほど。
アドオンキット付属のハンドルは底部に装着する。
ちなみに各部に開けられた穴(真円のみ)は全てネジが切られていて、工夫次第で様々な小物を装着出来る。

装着

底部に装着したハンドル(アドオンキット付属)を手前に倒して設置する。
後方に畳んだ状態ではハンドル固定ネジの頭(結構高い)が接するため、置く場所によっては接触時の傷や凹みが気になるところ。(ゴム足でも貼っておくかな。)

アドオンキットは本体の縁に沿う形状でやや内側に配置されていて、必要最小限の範囲で覆っている。
そのため、ケージというよりも外骨格というイメージ。
保護性という点では他社製品(たとえばWINDCAMP ARK-705)の方が覆う範囲が広く・開口部が狭いので上だと思われるが、反面、素のボディを極力覆わないことで、他社から出ているアンテナベース(ブラケット、サポート)などを装着する際に干渉しないという利点が有る。

スタンドを手前に倒した状態で置くと、後部フレーム(?)の直線部分がちょうど設置する。
この部分には付属のゴム足を貼り付けるようになっている。

同梱されていたメッセージカード。
こういうちょっとした心遣いが嬉しいね♪