Last Updated on 2026/05/08 by りょう

P2Sを導入する前に結構時間を掛けて様々なカスタマイズパーツを検討した中で最優先で選定し造形したのがライザー。
サイズが大きくてA1 miniでは造形出来ないため、P2Sをセットアップした直後に着手した。
P2Sの天板は着脱可能なガラス板になっているが、エクストルーダーに繋がっているPTFEチューブがこのガラス板に接触し、暫く使っているとチューブが削れたり(削れた滓がビルドプレートや造形物の上に散る)、ガラス板に接触痕が付着するという報告を少なからず見かけた。
回避として、PTFEチューブをケーブル(チェーン)にクリップで固定したりチューブにビーズ状のウェイトを装着して位置を下げる策が有り、そのための様々なカスタマイズパーツがデータ共有サイトで公開されている。
それらのカスタマイズパーツは造形や装着が容易だが、造形時の移動でクリップが外れてビルドプレート上に落下したりチューブが不自然に曲がってフィラメントが詰まり易いなどの事例も有り、導入に不安を感じて見送り。
チューブを下げる代わりにガラス板を持ち上げて接触しないようにすれば良いじゃないか…ということでライザーを導入することにした。
ライザー

データ共有サイト(MakerWorld)には実に多種多様なライザーのデータが登録されている。
その中から、AMS 2 PROとガラス板の間に隙間を設けてガラス板の開閉が容易で、AMS 2 PROを後ろに倒せるものを選んだ。
尚、含まれている前脚ではAMS 2 PROが前傾するため、オプションの水平用前脚に変更している。
また、同様にP2Sのフレームにライザーを固定するクリップのエッジにPTFEチューブが引っ掛かり易いということなので、これもオプションのエッジを丸めたクリップに変更した。
『P2S ライザー – AMS フリッパー』【MakerWorld】
※水平用前脚とエッジを丸めたクリップも上記リンク先で入手可。
他にも様々なオプションパーツが登録されている。
P2Sのメンテナンスや内部へのカスタマイズパーツの装着などでは上部からのアクセスも欠かせない。
ガラス板の上にAMS 2 PROが直接載っていると作業の度に取り除ける手間が掛かる。
このライザーならAMS 2 PROを後ろに跳ね上げて(フリップアップ)、ガラス板を手前に引き出すだけで良い。
ライザーでガラス板を持ち上げていない状態では引き出す際にタッチパネルが当たるため手前に倒しておくか、ガラス板を上に引き上げる感じで開く必要が有る。
AMS 2 PROはライザーに載るため、ガラス板には全く触れず余計な負担が掛からないのも大きな利点。

AMS 2 PROを後ろへ完全に跳ね上げた状態では手前に倒れてくる恐れはまず無いが、念のため支柱も合わせて導入した。
『AMS 2 Pro用マウントおよび支柱(AMS Pro 2ライザーV5用)』【MakerWorld】
カスタマイズ
LEDテープライト装着


USB給電(5V)ながら結構明るい
P2Sの内部照明(LED)は結構明るくて通常使用であれば十分だけど、P2Sの電源をONにしておく必要が有り、またLEDの装着位置より上の部分はやや暗い。
P2Sの電源がOFFでも照明出来て高い位置も照らせるように、ライザーの内側にLEDテープライトを装着した。
テープライトなので予め決められたポイントであれば任意の長さでカットすることが出来(切断面は絶縁テープを貼るだけで良い)、今回は2mの物を購入し1.5mほどに切断して使用した。
LEDの表面には光の拡散層(ディフューザー)が有り照射範囲が広くLEDチップの粒感も殆ど無い。
下面発光のため側面発光の物に比べて上から覗き込んだ際に眩しくないのが良いかな。
今回使用した物はUSB-A(5V)給電、24Vや100V給電に比べると明るさは当然下がるが、低電圧なので手軽に使えるのが良い。※
給電ケーブルの途中にタッチボタンタイプのスイッチが有り、点灯/消灯と輝度調整が可能。
タッチボタンは一つで、短押しで点灯⇔消灯がトグル切替になり、長押しすると輝度調整出来る。(暗⇔明が段階的に変化する。)
尚、短押し時では点灯は最後に調整した輝度まで徐々に上がり、消灯は徐々に下がって消える…そのため輝度が高いと点灯・消灯に若干時間が掛かる。
※
実は、今回購入した製品は個体不良だったのかLEDテープライトへの電源ケーブルのハンダ付けが粗悪で、必要以上に被覆が剥かれていたため使用中に短絡してしまった。
幸いにUSB充電器やテープライトの故障は無かったが、もし高電圧給電だったら…と思うとやっぱり不安。
その後、電源ケーブルをハンダ付けし直して問題無く使用出来ている。

LEDテープライトの外装はシリコン素材のため一般的な両面テープでは貼り付けが難しい。
造形中に剥がれて垂れ下がるなんて全くの悪夢なので、しっかり保持できるようなクリップを作成した。
ライザーの内側(四辺)には幾つかの丸穴(円柱状で非貫通)が設けられているので、そこに嵌め込んで固定している。
クリア素材なので光を遮らない。
温度計/湿度計装着

チャンバー内の温度は本体ディスプレイやアプリ(Bambu Studio、Bambu Handy)、Panda Touchでも分かるが、湿度は表示無し。
そのため、市販の温湿度計(センサー内蔵タイプ)をチャンバー内に装着するマウントがデータ共有サイトにも各種登録されている。
ただ、P2Sの前面ガラス扉はややスモーク状で装着位置によっては数値が見難いし、自照式ではないため内部照明を点灯する必要がある。
センサーが内蔵された温湿度計ではチャンバー内に収める必要が有り装着位置に制約が有る。
センサーが外付けの温湿度計ならセンサーのみ内部に収めて表示部分は見やすい所に装着出来るし、室内照明が有れば内部照明の点灯は不要。


センサーとLEDテープライトの両端保持を兼ねたホルダーを作成し、ライザーに設けられたケーブルスリットを利用して固定。
ライザーはLEDテープライトの装着が想定されており、そのケーブルを通すためのスリットが設けられている。(テープライト未使用時は閉鎖可。)
今回クリップの固定に使った内側の丸穴もテープライトの固定用では?と思われるが、公開情報にはそれらしき記載は無くクリップのデータ登録も無かった。

表示部分は簡単なケースを作成してライザーの前面に、電池(LR44×2個)の交換が容易なようにマジックテープで貼り付けている。
温度は前述の本体やアプリの表示と比較して0~1℃の差なのでほぼ合っていると思われる。
湿度については比較対象が無いため精度は不明ながら目安としては必要十分かと。
ただ、この温湿度計の湿度計測範囲は10~99%であり、しばらく造形を続けて乾燥している状態では表示が10%固定になることが多い。(10%未満になっている可能性大。)
ビルドプレートラック装着

このライザーには左右側面にハンガーレール(ダブテールシステム)が設けられていて、適合するハンガーを持つオプションパーツを容易且つしっかり装着することが出来る。
その中からビルドプレートを5枚収納出来るラックを装着した。
『ビルドプレートラック – X1/P1』【MakerWorld】
P2S付属のビルドプレートは両面テクスチャーPEIプレート。
同じプレートが二枚あれば一方を冷ましている間にもう一方で造形出来て効率が良い。
またスムースPEIプレートも使いたい。
というわけで、片面がテクスチャーPEI/もう片面がスムースPEIの「デュアルテクスチャPEIプレート」(純正品)を本体と合わせて購入した。
今回本体と同時購入したオプション品はこのプレートのみ。
ただ、このプレートは純正品にも関わらずP2Sからコードの認識が出来ず(仕様が変わったらしい)、認識を有効にしていると毎回造形時に警告が通知される。
認識を無効にしても良いけど、P2Sに適合するコードを重ね貼りするパーツがデータ公開サイトに幾つか登録されているので試してみよう。
Autodesk Fusion … 手習いを兼ねて
ライザーのカスタマイズに用いた自作パーツ(LEDテープライト固定クリップ、センサーホルダー、温湿度計ケース)はAutodesk Fusion(個人使用且つ非商用目的限定の無償版)でモデリングした。(スライスと造形はBambu Studio。)
Bambu Studioでも基本プリミティブの論理合成を駆使すれば作れなくも無いが(実際にuConsoleのカスタムバックパネルはBambu Studioのみを使用してオリジナルモデルから全面改修した)、Fusionの方が遥かに容易で効率的。
写真(Leica M10-D、Ricoh GRⅢ)、アマチュア無線(JR4WDU)、デジタルガジェット、3Dプリント、ミリタリー(トイガン、小物)…などなど、興味の赴くままに広く浅く細く長く愉しんでいます。

