[IC-705] アンテナサポート

【この記事の所要時間: 48秒】

IC-705のアンテナ端子はBNCコネクタで、ボディの側面から水平(横向き)に装備されている。
ホイップアンテナなどを直接装着する際にはL型アダプタを介して垂直に変換するのだが、BNCコネクタはクルクル回ってしまうし、L型アダプタを使って真上(コネクタにとっては真横)から荷重を加えた際の負担が心配。
回転しないように固定し、且つコネクタへの負担を低減するよう支える必要がある。

(通常の設置スタイルでは)同様にBNCコネクタが横向きになるFT-818では、垂直になる折り畳み式のアンテナ基台を自作した。
⇒【[FT-818] 折り畳みアンテナ基台作成

IC-705にも個人製作(ヤフオクなどで販売)を含めて市販品が幾つも出ていて、その中から二種類の製品を使用している。
IC-705の後部に配置しケーブルで接続するタイプのRC-1と、IC-705の側面に装着しBNCコネクタと直結するタイプのRC-2。
どちらも厚いアルミ材でしっかりした作り、IC-705に装着しているPeoviケージとも雰囲気が合う。
RC-1については、Peoviケージと干渉するのでは?と思っていたため最近になって試しに導入したが、結果は問題無し。(厳密に言えば干渉する可能性も有り。)
⇒【IC-705 … PEOVI CARRY CAGE 装着
⇒【[IC-705] PEOVI CARRY CAGE 用拡張フレーム装着

WINDCAMP製アンテナサポート(左:RC-1、右:RC-2)

WINDCAMP RC-1

横から見た様子
上から見た様子(左:GND端子…IC-705のGND端子と電気的に接続、右:アンテナ端子)

IC-705の後部はPeoviケージが張り出しているためRC-1が干渉するのではないか?と懸念していたが、実際に装着してみると結構余裕がある。
但し、IC-705をこれ以上上向きにしたり、RC-1のアンテナ端子面が水平になるように持ち上げると接触する。

後ろから見た様子

IC-705にはGND端子へのネジ留め(一本)のみで固定し、RC-1の端だけで接地する。
厚い部材が使用されており、よほど重量級のアンテナを直接装着しない限り大丈夫だと思うけれども、GND端子への負担が心配。

追加の支え

RC-1の裏(下)側には、固定ネジを使わない時に装着しておくネジ穴(M4)が開けられているので、そこに手持ちのスタンドオフ(M4)とゴム足を組み合わせて装着し支えにした

後ろから見た様子

RC-1自身と支えの二点で接地するので安定感(と安心感)が増す。
RC-1のアンテナ端子面を水平(アンテナを垂直)にしたい場合は、この支えを伸ばせば良いはず…現状ではPeoviケージと干渉してしまうけれども。

WINDCAMP RC-2

横から見た様子(最大に立てた状態…加工前)

RC-2は、IC-705の角度(そのまま設置、上向き設置)に応じて傾きを可変出来るけれども…Peoviケージのスタンドでは上向き角度が大きいようで、RC-2を最大に立てても、この通り結構後ろに傾いてしまう。

横から見た様子(最大に傾いた状態…加工前)

また、固定ネジを目一杯締め込んでも、アンテナが長い and/or 重い場合は荷重に耐えきれずにズレて、この通り倒れてしまい、最悪の場合はIC-705もろとも後ろに転倒…なんてことも。

回転部分の加工(半円状の切削)
回転部分の加工(真鍮パイプ接着)

最初は角度の可変域を増せばいいか…と考えていたが、限界まで削っても垂直には及ばないことが分かり、外側を削って固定ネジに引っ掛ける方法に変更。
但し、その場合は逆に手前に傾いた際に固定ネジから外れて一気に倒れてくる恐れがあるし、上からの荷重に対する支えにならない。
半円状に削った部分に、切り出した真鍮パイプ(M4の固定ネジに合わせて内径4mm/外径5mm)を金属用の高強度接着剤で貼り付けた。
これなら固定ネジから外れる恐れが無い代わりに角度を可変出来ないが、そうそう変えることもないので問題無し。

横から見た様子(加工後)

無事、垂直且つしっかり固定出来るようになった。
写真では、アンテナがまだ僅かに手前に傾いているように見えるが、これはアンテナに使用しているケース自体の側面が若干傾斜している形状のため。


ループアンテナ新調 … UltraLight Magnetic Loop antenna MC-20

【この記事の所要時間: 741秒】

QRP向けのHF帯用MLA「Alexloop WALKHAM PREMIER」を購入して2年少々、コロナ禍での外出自粛もあり屋内のみだけど、FT-818やIC-705でのFT8運用で使ってきた。
鉄筋集合住宅室内というプアな環境且つQRP(5W)ながら、それなりに交信出来ることにMLAの可能性と驚きを感じた。
⇒【ループアンテナ新調 … ALEXLOOP WALKHAM PREMIER

さて、しばらく前から、とあるアンテナが気になっていた。
UltraLight Magnetic Loop antenna MC-20」というスロヴェニアのアマチュア無線家(OM0ET/Paulさん)が製作しているアンテナ。(Alexloopアンテナもブラジルのアマチュア無線家(PY1AHD/Alexさん)が製作。)
構造やサイズ、対応周波数帯はほぼ同じだが、SWR特性はMC-20が優れていて全帯域で1.5以下を謳っている。
Alexloopでは屋内設置ということもあってか自分が試した環境では最良でも2未満にはならず、ATUを常用していた。
この低いSWR特性に期待したのが今回新調した大きな理由。

国内や海外の一般的なショップでの取り扱いは無く、製作者のサイトで注文すると折返し製作者自身から納期や支払い方法についての連絡があり、それに従って支払う(PayPalで指定メールアドレス宛にユーロで支払い)…という流れ。
注文した時はちょうど在庫切れで製作待ちだったが、発送まで一週間・発送から到着まで一週間の計二週間で届いた。(EMS指定)

UltraLight Magnetic Loop antenna MC-20

梱包箱(キャリングケース兼用)

梱包箱

この箱を透明のビニールシートで覆った状態で配送されたが、傷みは上方の引っかき傷(恐らく通関時に書類の取り出しで切られた痕)と右下の小さな凹みのみ。
箱のサイズは幅43×高41×奥行14cm。

取っ手付き

携行時のキャリングケースとして使用することも想定されていて、上部に取っ手が付いている。
ただ、やや大きめのサイズなので、Alexloopのようなキャリングバッグ(17インチ・ノートPC用が良いらしい)が有ると良さそう。

発送時の識別用と思われるメモ書き
前面に貼られた製品ラベル(別途、英文の説明書が同梱されている)

最大入力は20Wだけど、FT8などデジタルモードの場合は半分の10W以下に抑えて欲しいとのこと。
(製作者とのメールの遣り取り…かなり気さく…で念押しをされた。)

パッケージと構成品

上段
下段

内部は二層構成になっている。
・上段…メインループ、差し込み式ポールの最下段
・下段…カプリングループ、チューニングユニット、差し込み式ポールの最上段と中間段

左下にはやや大きめのスペースが有るが…旧モデルでは何か別の構成品が有ったのだろうか?(今回購入した物は新モデル。)
ATU(不要だけど保険代わり)やモバイルバッテリーなどを収めるのに良さそう。

差し込み式ポール(上から、最上段/最下段/中間段)

中間段のポールにはカプリングループと無線機に接続する同軸ケーブル(両端:BNC-P、長さ約420cm)が装着されている。

最下段の底部に嵌め込まれた三脚取付用アダプタ
三脚取付用アダプタ

差し込み式パイプの最下段底部には三脚(雲台)に取り付けるためのネジ穴が開けられたアダプタが嵌め込まれている。
長さ65mmでアルミ無垢材が使われていてかなりしっかりしている。
Alexloopでは自作(公開されている3Dプリントデータを使ってDMM.makeで製作していただいた)のアダプタを用意したが、MC-20では標準装備。

組み立て

カプリングループの固定
チューニングユニットの固定

カプリングユニットとチューニングユニットはそれぞれに装着されたバックルを締めてポール(三段組み上げた状態で約120cm長)に固定する。
取り外す際は、バックルの片側同士をそれぞれ上下にずらして解除する。

カプリングループ⇒メインループの順で保持部分に引っ掛ける
保持部分のカバーを横からスライドして嵌める
固定完了
カプリングループ

カプリングループ下部のコネクタ(BNC-J)に、中間段ポールから出ている同軸ケーブルの一端(BNC-P)を接続する。
尚、カプリングループの直径は約25cmで、使用されている線材はかなり硬い。

チューニングユニット

メインループの両端(M-P)をチューニングユニット左右のコネクタ(M-J)にそれぞれ接続する。
メインループの直径は約1m、線材はAlexloopに比べると少し硬めだが、癖がないため形を整え易い。

上:カプリングループに接続する同軸ケーブル/下:メインループの同軸ケーブル

ちなみに、カプリングループに接続する同軸ケーブルは「HELUKABEL(ドイツ)」製、メインループの同軸ケーブルは「BELDEN(オランダ)」製。

チューニングダイヤル

チューニングダイヤルは小ぶりだが、ギア付きバリコンが使用されていて調整し易い。
ただ、チューニングユニット底部から下向きのため、低い姿勢じゃないとちょっと操作し難いかな。

SWR特性

7MHz帯(7041kHz):1.42
10MHz帯(10136kHz):1.05
14MHz帯(14074kHz):1.38
18MHz(18100kHz):1.10
21MHz(21074kHz):1.36
24MHz(24915kHz):1.21
28MHz(28074kHz):1.17

7MHz 〜28MHz各バンドでFT8運用周波数のSWR特性をアンテナアナライザ(SARK-110)で測定。
室内設置のため参考値だけど、全てに於いて公称通り1.5未満に収まっている。
チューニングのし易さもあって、測定周波数をピンポイントで合わせるのは割と容易だった。

余談

アンテナスタンド(三脚&一脚)

アンテナスタンド(三脚&一脚)

脚を大きく広げられて安定感があるローアングルタイプの三脚に一脚を組み合わせて嵩上げしている。(この状態で全高70cmほど。)

脚は二段階伸張

各脚は伸張(30cm⇒50cm)することが出来、設置場所が広ければ更に安定度が増す。

接地部分(石突き)

この三脚は石突き部分が変わっていて、一般的な尖ったり丸みを帯びた形状ではなく、吸盤っぽい円盤になっている。
このため比較的軟らかい地面でも埋まり難く、接地面がゴム製なので室内でも床面を傷付け難い。

折り畳みサイズ

折り畳んだ時のサイズはそれぞれ30cmほど、幅はあるものの比較的コンパクトになる。

スリック製

三脚も一脚も共に同じメーカー(スリック)製。
但し、英文表記は三脚が「SLICK」で一脚は「SLIK」…調べてみると1974年に英文表記をSLICKからSLIKに変更したとのこと。
ということはこの三脚は1974年以前の製品なのか。(かなり前にヤフオクで入手。)
更に調べると、1973年にグッドデザイン賞を受賞した「グットマンS-103」らしい。
今年でちょうど半世紀になるんだな。
ちなみに一脚は「S-POLE DIGITAL」…今から15年程前の製品で、こちらも既に廃番。

アンテナアナライザ(SARK-110)用スタンド(アンテナベース)

SARK-110 入力端子はMCX

今回、SWR特性の測定に使用したアンテナアナライザはSARK-110
手持ちのNanoVNA-Fに比べると機能や測定周波数範囲の点でやや下回るものの、使用感(PCのアプリ含む)はこちらの方が好みかな。
ただ、唯一惜しいのが入力端子がMCXということ。
差し込み嵌合式のため強く引っ張ると抜けてしまうし(コネクタ部分が抜けなくても、コネクタに圧着しているケーブルが抜けたという事例も有り)、横方向からの力で測定特性が変わってしまう場合も有るとか。

そのため、よりしっかりとケーブル(コネクタ)接続が出来、SARK-110のコネクタ部分になるべく負担を掛けないように、スタンド(アンテナベース)を作ってみた。

スタンド(アンテナベース)
スタンド(アンテナベース)

手持ちのアンテナ基台を二つ組み合わせて「コ」の字型にして、元のM型コネクタを装着する穴にパネル装着用BNC-J⇔SMA-P変換ケーブルを固定し、SMA-L型中継コネクタとSMA-MCX変換アダプタを介してSARK-110に接続。
上面には滑り止めシートを貼り、SARK-110に装着しているシリコンカバーとの摩擦で半固定している。
中にウェイトを置けば、そこそこ重量のあるホイップアンテナでも直結出来るだろう。


[HiGOLE GOLE1 Pro] 充電/給電と冷却

【この記事の所要時間: 733秒】

昨年末に購入した超ミニPC「HiGOLE GOLE1 Pro」…コンパクトで、意外とキビキビ動き、小さい画面サイズながら視認性が良いことから、すっかりお気に入り。
それらの特長を活かして、FT8(アマチュア無線のデジタルモード)運用端末としても良いかも…と、FT-818やIC-705との組み合わせを色々思案中。
⇒【[HIGOLE GOLE1 PRO] 超ミニで拡張性大なWIN11タブレットPC
⇒【[HIGOLE GOLE1 PRO] 関連小物いろいろ

そこで以前から少々気になっている充電/給電と冷却について対処を考えてみた。

充電/給電対処

GOLE1 Proの電源端子はUSB Type-CだけどPDには対応しておらず、基本的に付属のACアダプタ(スイッチング式でUSB Type-Cプラグ出力)しか使えないが、一般的なACアダプタ(12V/2A以上)のDCプラグ出力をUSB Type-Cへ変換して使用しているケースをどなたかのブログで見かけた。
あくまでも自己責任になるが他のACアダプタも使えるということで、もし付属のACアダプタが故障しても代替品の入手は難しくない…ひとまず安心要素。
とはいえ、この方法はモバイルバッテリーでは使用できないし、ACアダプタ自体も最近の小型高出力の物を使用したい。
情報収集していると、PD対応ACアダプタやモバイルバッテリーから特定の電圧出力(今回は12V)を取り出すトリガーケーブルと、そのトリガーケーブルの出力コネクタ(DCプラグ)をUSB Type-Cへ変換するケーブルの組み合わせでGOLE1 Proへ充電/給電出来たという記事を見つけた。
⇒『ARROWS Tab V567/Pよりも高性能なスマートフォンサイズのPC Gole1 Pro Mini PC』(モバイルやIT機器を活用するSINのモバイル修行3rd 復活編)

早速、同じケーブルをAmazonで購入し、手持ちのPD対応ACアダプタで試したところ、充電/給電ともに問題無し。(あくまでも自己責任で。)

トリガーケーブル(左)と変換ケーブル(右)、トータルの長さは約1.5m
付属ACアダプタを使用…当然ながら問題無く給電(充電)している。
PDの対応ACアダプタとPD対応USBケーブルを使用…残念ながら全く給電していない。
PD対応ACアダプタとトリガーケーブル&変換ケーブルを使用…僅かに電圧が低いが問題無く給電(充電)している。

これでACアダプタの選択の幅が格段に広がるし、モバイルバッテリーでの使用も可能になる。

冷却対処

GOLE1 Proはファンレス(金属ボディ自体を放熱に使用)ということもあって結構発熱する。
特に給電/充電しながらだとバッテリー自体の発熱もあって、Windows Update等の高負荷時には素手では持ち続けるのが辛いくらいの熱さ(CPU温度で70℃台後半)になることも。
発熱が多いことは事前に或る程度見聞きしていたので、高負荷時の熱影響を少しでも軽減したく本体と併せてスマホ用クーラーを購入していた。
ペルチェ素子&ファンの構成で冷却性能はそこそこ有るものの、バッテリー内蔵のため結構嵩張る上にバッテリー稼働時間がさほど長く無くて結局外部から給電する必要が有る、スタンドの脚部分が薄いプラスチック製のためやや重量の有るGOLE1 Proを載せて使うには少々心許無い…。
⇒【[HIGOLE GOLE1 PRO] 関連小物いろいろ

使用時にはGOLE1 Proから給電するのでバッテリーは不要、コンパクトなアクティブタイプ(ペルチェ素子&ファン)と、なるべく嵩張らないような薄いパッシブタイプ(ヒートシンク)の二種のスマホクーラーを購入してみた。

アクティブタイプクーラー(ペルチェ素子&ファン)

排気側
機器への貼り付け側

スマホやタブレットの背面に貼り付けるスマホクーラー。
機器に近い側から熱伝導シート⇒ペルチェ素子⇒ヒートシンク⇒ファンといった構造になっている。
サイズは横70mm×縦45mm×厚20mmと、やや厚さが有るものの比較的小型軽量。
小さな吸盤と熱伝導シートの粘着力でデバイスに貼り付ける。
尚、予備として吸盤4個・熱伝導シート3枚と、他に給電用USBケーブル(Type-A⇒micro)とスマホへの装着を補強するゴムバンド?が付属している。

給電用microUSB端子
給電ケーブル(USB Type-A⇒microUSB)
給電ケーブル接続
給電ケーブル接続

給電用microUSB端子は貼り付け面にかなり近いため、樹脂カバー部分の厚さが有るコネクタだと、貼り付けの際に干渉する恐れがある。
購入者のレビューでは付属のUSBケーブルでも干渉したとの報告も見られた。
今回は取り回しを考えて両端がライトアングルになっていて短い物を予定していたため、併せてmicroUSBコネクタが極力小さい物を探した。
microUSBコネクタはライトアングルや小型の物が多いので、こういう目的にはUSB Type-Cよりも向いているように思う。

GOLE1 Proに装着

GOLE1 Pro側とクーラー側の両方ともライトアングルコネクタの向きが合っていて、ケーブルも細めで長さ(12cm)がちょうど良く、スッキリまとまった。
装着確認なので吸盤だけだが割としっかり貼り付いている。
熱伝導シートの粘着力が加われば、縦置きしても強い振動を与えなければ、そう簡単にはズレ落ちたりしないだろう。
厚さがほぼ倍になるのは仕方なし。

実際に使ってみて…今回はそこまで発熱する用途が無かったので冷却効果の判断は割愛。
ファンの駆動音については、室内の静かな状況でも殆ど気にならない。
購入者レビューでは貼り付ける側によっては共振して結構響く場合もあるとのことなので、使う環境次第かと。
GOLE1 Proは割と厚さがある金属ボディで重く、内部も結構詰まっているため、さほど響かないのかも。

パッシブタイプクーラー(ヒートシンク)

表面
側面
裏面

前面に溝が掘られた、いわゆるヒートシンク。
変わった形状なのは、スマホのカメラレンズを回避するため。
裏には一面に熱伝導シートが貼られている。
サイズは横105mm×縦60mm×厚3mm。
背面が覆われるケースとの共用はまず無理、バンパータイプなら併用出来るがワイヤレス充電は当然ながら阻害されてしまう。(GOLE1 Proはケースもバンパーも装着せず、ワイヤレス充電も無いので影響無し。)

先のクーラーとの併用は出来ないが、コンパクトにまとめるならコチラの方が向いているかな、給電も不要だし。
効果を調べてから使い分けを考えよう。

タッチパッド付き折り畳みワイヤレスキーボード(Bluetooth)

GOLE1 Proではキーボードとタッチパッドが一体化した小型ワイヤレスキーボードを使っているが、文字入力が多くなってくるとキーボードが少々小さすぎるし、タッチパッドの操作をしたい時には都度裏返す必要があり煩雑な上に時々上下や左右が反転してしまい(再度裏返して戻すと直る)、使い難さを感じるようになってきた。
また、Windowsが使えない時でも操作出来るように専用USBドングル使用タイプにしたが、そういう機会は早々無いし(もちろん無いほうがいい)、USBポートを一つ専有するのも惜しい。
⇒【[HIGOLE GOLE1 PRO] 関連小物いろいろ

折り畳んだ状態
折り畳んだ状態でGOLE1 Proとサイズ比較
展開して使用状態

そんなわけで、タッチパッド付きでBluetooth仕様のワイヤレスキーボードを新調した。
サイズは、折り畳んだ状態で横150mm×縦100mm×厚16〜20mm、展開した状態で横300mm×縦100mm×厚8〜16mm。(厚さに幅が有るのは、手前に向かって僅かに傾斜した形状になっているため。)
キートップは一部幅が狭いキーも有るが概ね15mm角、間隔が広めでクリック感も有り、割と打鍵し易い。
タッチパッドは横57mm×縦85mm。
iOS・Windows・Androidに対応し切り替えて使用できるため、iPhoneやiPad mini(どちらか一方)でも活用出来るだろう。

元の小型キーボードは予備としてGOLE1 Proと一緒にセミハードケースへ入れておこう。


tinySA ULTRA 導入

【この記事の所要時間: 543秒】

NanoVNAに続いて数年前から話題になっているコンパクトなスペクトラム・アナライザ tinySA …その上位モデル tinySA ULTRAを購入した。
ULTRAは未だ国内販売されていないため海外通販…購入先は公式サイト内でも推奨されている「Zeenko store on AliExpress」。
ULTRAのBad Cloneが出回っているという話は未だ見聞きしないけど念の為にね。
発注は1/3…その時点での配送予定日は1/21だったが、一日前倒しで一昨日(1/20)届いた。

tinySA ULTRA

開封

化粧箱

エアキャップで何重にも包まれ、更にクッション封筒に収められていて、化粧箱の傷みは皆無。
なかなか高級感がある。

構成品

tinySA ULTRA本体の他に:
・接続ケーブル(SMA-P⇔SMA-P)×2本
・USBケーブル(USB-A⇔USB-C)
・中継コネクタ(SMA-J⇔SMA-J)
・ロッドアンテナ(SMA-P、短縮時10cm/伸張時30cm)
・ピック状スタイラス付きストラップ(丸ゴム紐製)

ファームウェアアップデート

FWアップデート適用後(v1.4-31⇒v1.4-40)

Bad Cloneはセルフテストの特定項目がNGになるため、テストを回避してOKを見せるように改竄された偽ファームウェアが搭載されており、正規のファームウェアに入れ替えてテストすることで判定できるという。
尚、公式サイトには「デバイスが正常に機能しているのであれば、ファームウェアをアップデートする必要は無い」と記されているものの、入手したULTRAの搭載バージョンから短期間の間にリビジョンが結構上がっていたので(v1.4-31⇒v1.4-40)、アップデートすることにした。

最初、公式サイトに記されている「bin ファイルと dfu-utilを使う」手順を選択したが、ULTRAをUSB接続してDFUモードにしてもPC(GPD P2 Max Windows10)から全く認識されず先に進めない。
USBケーブルを換えてみたものの改善せず。
PCから認識されないのであれば「bin ファイルと STM32CubeProgrammerを使う」手順も同様に不可。
何か解決策や他の手段は無いものか…とネットで調べてみると、「tinySA-App」(公式サイト内でも紹介有り)というPCコントロールアプリを使う方法が見つかった。
⇒『tinySA Firmware Update(v1.1-32-g3c79a47)』(JH1LHVの雑記帳)

アプリは単独起動出来るのでインストール不要、ファームウェアアップデートの手順も簡単…ということで早速試してみたところ、呆気無く完了。
無事アップデート出来た。

※手順:
 ①DFUモードにしたtinySA ULTRAをPCをへUSB接続する。
 ②tinySA-APPを起動し、①で接続したCOMポートを選択する。
 ③ウィンドウ上部のメニューバー中程にある【▼▼】をクリックする。
 ④サブウィンドウ内左寄り中程にあるフォルダアイコンをクリックしてファームウェアファイルを選択する。
 ⑤tinySA ULTRAへの転送とアップデートが自動実行される。
 ⑥正常終了したらメッセージに従ってtinySA ULTRAの接続を解除する。

※注意点:
 ・tinySA ULTRAのDFUモードへの移行は、ジョグダイヤルを押しながら電源をONにする。
  この際、画面は何も表示されず真っ暗なままで、電源LEDは赤色点灯する。
 ・拡張子が「dfu」のファームウェアファイルを使用する。

セルフテストとレベルキャリブレーション

セルフテスト完了

ファームウェアアップデート後のセルフテストは全項目問題無し。
当然だけど、不自然にスキップ(何かやっているようなフシが無く「Pass」だけ表示)するなんてことも無し。

キャリブレーション完了

詳細は未だ良く判っていないけれど、とりあえず問題無く完了。

液晶保護フィルム貼り付け

エレコムの4.5インチ用液晶保護フィルム

専用の保護フィルムは無いので(ノーマルモデルの方は既に専用品が国内販売されている)、近いサイズの汎用品を流用。
ULTRAの仕様では画面サイズは4.0インチとのことなので、手持ちの4.0インチ用保護フィルムが使えるかと思ったら、短辺側が明らかに短くて使えなかった。
実際に測ってみると、ケースの開口部サイズで短辺側を合わせると4.3インチ用が合いそうだけど、未だ微妙に短い。
ケースを開けて液晶ディスプレイで直接測ってみたところ、短辺側は4.5インチ用がちょうど同じサイズで、長辺側は1cm切り詰めるとジャストサイズになる。

ケースを開けた状態

四隅のネジを抜けば簡単に三枚おろし(前面ケース、基板、後面ケース&バッテリー)に出来る。
上の写真で基板を裏返せば液晶ディスプレイが露出するので、保護フィルムを貼り付ける。
ケースを付けたまま貼り付けるのに比べて遥かに容易。

貼り付け完了

数多くの機器の保護フィルムを貼ってきたけれど、その中でも上位に来るほど綺麗に貼れた(自画自賛)。

収納ケース

収納ケース

ULTRA本体と各種付属品をまとめて収納出来るケース。
以前、HiGOLE GOLE1 Pro用に購入した任天堂DS LL用ケースの使い勝手がなかなか良く、ULTRAのサイズや付属品も無理なく収められたので、同じ物の色違い(ファスナー部分)を購入した。
⇒【[HIGOLE GOLE1 PRO] 関連小物いろいろ

内部ポケットにULTRAを収納

このケースには取り外し可能な内部ポケットが有る。
GOLE1 Proはやや大きくてこのポケットは使わずスポンジでスペーサーを作成したが、ULTRAはちょうど良い感じに収納出来る。

カートリッジポケット

ゲームカートリッジ用のポケットはアッテネーターや変換/中継コネクタを収めるのにちょうど良い。

ポケット

蓋側のポケットはマチが有るので、ケーブルやアンテナなどやや嵩張る物を収納出来る。

元が技術屋(ハードウェア設計・開発)なので、測定器には特に興味がある。
信号という見えないものを見る面白さを体験出来るのが測定器というツール。
もっとも専門はデジタル伝送とプロセッサ系で高周波の経験は余り無いけれども。

さて、コイツは何に使おうか。(本末転倒)


ACアダプタ用電圧/電流計を作成

【この記事の所要時間: 648秒】

一般的なACアダプタには、スイッチング式/トランス式(安定化、非安定化)といった種類が有る。
スイッチング式>トランス式(安定化)>トランス式(非安定化)の順で発生ノイズが少ないため、オーディオ機器や無線機器ではトランス式(非安定化)を使うことが多い。
ただ、非安定化トランス式ACアダプタは出力電流と機器の消費電流の差によって出力電圧が変動し、消費電流が少ない機器に大電流出力の物を使うと出力電圧が表記電圧より増大し、機器の規定入力電圧を超過する恐れがある。
大が必ずしも小を兼ねない。
但し一方で、機器の消費電流が著しく少ない状況(たとえば内蔵バッテリーが満充電状態で追加の電力消費が無い場合など)では、出力電流が低い非安定化トランス式ACアダプタの方が出力電圧が大きくなるケースもあるため要注意。

ACアダプタが付属していなくて、且つ、メーカー推奨のACアダプタ(純正オプション)が不明な場合や、付属品やオプション品がスイッチング式のためノイズの少ないトランス式(非安定化)に置き換える場合など、機器の消費電流が分かれば、たとえば次のようなサイトを参考にして適合するACアダプタを選定する。
⇒【トランス式非安定化ACアダプタの出力特性/マルツ

もし機器の消費電流が分からない場合は…測定するのが確実。
両端がDCプラグ(オス/メス)の中継ケーブル的な物を作り、途中に測定点(端子)を設けてテスターで測れば良いだろう。
もしかして、そういう用途の小物(製品)が既に有ったりしないだろうか…と調べたら、さすがにそのものズバリの製品は無かったが、市販の電圧/電流計を使ったACアダプタ用電圧電流計の自作記事を見つけた。
⇒『ACアダプタ用電圧電流計』(高田馬場の組み込み屋さん-電子工作、回路設計、ファーム TIPS)

大変判りやすい記事なので早速参考にさせていただき作成してみた。★情報公開に感謝します★

ACアダプタ用電圧/電流計

外観

タカチのABS製ケース(SW-85B)を使用し、前面に電圧/電流計を装着、後方からDCケーブル(入出力)を出している。
DCプラグはオス/メスとも、手持ちで最も多い外径φ5.5mm/内径φ2.1mmを選択…もし他のサイズで計りたい場合はサイズ変換アダプタ(5.5mm/2.1mmから変換するアダプタは多種出ている)を使用する。

使用した電圧/電流計はDER EE/DE-2645-05RR
・動作電源電圧:DC 4.5V〜24V(被測定電源から供給可、この場合は電圧測定範囲がDC 4.5V〜24Vになる)
・電圧測定範囲:DC 0V〜100V(測定誤差:0.5%±2dgt、分解能:0.1V)
・電流測定範囲:DC 0A〜999mA(測定誤差:1%±3dgt、分解能:1mA)
・自己消費電流:約20mA

測定電流が1Aを超える場合は、同じシリーズで10Aまで測定出来るDER EE/DE-2645-02に交換する。(コネクタの差し替えだけで交換可。)
・動作電源電圧:DC 4.5V〜24V(入力電源から供給可、この場合測定範囲はDC 4.5V〜24V)
・電圧測定範囲:DC 0V〜100V(測定誤差:0.5%±2dgt、分解能:0.1V)
・電流測定範囲:DC 0A〜10A(測定誤差:1%±3dgt、分解能:0.01A)
・自己消費電流:約20mA

内部と底板

電圧/電流計にDCケーブルをコネクタ接続しているだけの単純な構造。
写真ではわかりにくいが、DCケーブルを通している穴にはグロメット(ゴムブッシュ)を嵌め込んでいる。
コネクタは大きい方(3P)がVHタイプ、小さい方(2P…片側のみ使用)がXHタイプ。
底板には滑り止めのゴム脚を装着。

底板内側

ケーブルに引っ張られて動くため、底板の内側には鉛板のウェイトを貼っている。

実測

CommRadio CR-1

規定入力電圧

規定の入力電圧は6V〜18Vとかなり広い。

使用ACアダプタ(トランス式非安定化タイプ)

元々ACアダプタは付属しておらずメーカーのオプション設定も無いため、ネット上で見つけた機器の大まかな消費電流をもとに下記のサイトで適合しそうな出力電流を調べて、該当するトランス式非安定化ACアダプタを探した。
⇒【トランス式非安定化ACアダプタの出力特性/マルツ

アイコー電子のVSM-1282、出力電圧12V/出力電流800mA。

電源OFF時

電源OFF時は電圧15.9V/電流164mAで、規定入力電圧の範囲内。
電源がOFFでも流れているのは内蔵バッテリー充電のためだろうか。
(仕様で電源がONじゃないと充電されない…と何かで見た記憶があるけれども…はて?)

電源ON時

電源ON時は電圧15.7V/電流217mAで、こちらも入力規定電圧の範囲内。
充電しながらの使用なので、ほぼ最大値に近いと思われる。

⇒【COMMRADIO CR-1 … 10年ぶりの再会

AOR LA400

規定入力電圧

規定の入力電圧は15V単一表示、増減の変動範囲は不明。

使用ACアダプタ(トランス式非安定化タイプ)

こちらは付属品。
アイコー電子のVSM-1232、出力電圧12V/出力電流300mA。

電源OFF時

電源OFF時の電圧は18.2V…規定入力電圧の約二割増し。

電源ON時

電源ON時は電圧16.0V/電流93mA、規定入力電圧との差は一割未満…許容範囲か。

⇒【受信用アンテナ新調 AOR LA400

Jim M-75(VHF/UHFプリアンプ)

規定入力電圧

規定の入力電圧は12V単一表示、増減の変動範囲は不明。

使用ACアダプタ(トランス式非安定化タイプ)

付属は無く、メーカーオプションも無いが、海外のショップで12V/300mAのACアダプタが推奨品として紹介されていたので、手持ちに有った同等出力のACアダプタを流用。
アイコー電子のVSM-1232、出力電圧12V/出力電流300mA。
但し、推奨品はスイッチング式のため、トランス式非安定化タイプでは出力電圧が大きくなりすぎるかもしれない。

電源OFF時

電源OFF時の電圧は17.6V…規定入力電圧を五割近く上回り結構大きい。

電源ON時

電源ON時は電圧16.8V/電流32mA、規定入力電圧との差は三割超…ちょっと宜しくない。
許容範囲は不明だけど、もう少し出力電流が少ないACアダプタに換えた方が良さそうだ。
とはいえ、300mA未満のトランス式非安定化ACアダプタは見聞きしたことが無いので…スイッチング式で妥協するしかないかも。

【追記 2023/1/10】低出力ACアダプタへ交換

トランス式非安定化タイプで12V/100mA出力のACアダプタが出てきたので、交換することにした。

iCOM BC-74J

アイコムのハンディトランシーバ用だろうか、型番で調べてみたところ既に廃番になっている様子。

変換コネクタ(外径φ3.5mm/内径φ1.35mm⇒外径φ5.5mm/内径φ2.1mm)

ACアダプタの出力プラグは細いタイプなので、対象機器に合わせて変換コネクタを使用する。

電源OFF時

規定入力電圧(12V)に対する増加は二割未満。

電源ON時

規定入力電圧(12V)に対して約一割増し…これくらいなら許容範囲かな。