BELKA-DX-MAX用の「いろいろ」変換アダプタ作成

【この記事の所要時間: 451秒】
アダプタを装着したBELKA-DX-MAX

BELKA-DX-MAX(を含むBELKAシリーズ全モデル)のアンテナ端子(BNC-J)は側面から水平方向に取り付けられており、ハイ・インピーダンス(>10kΩ)。

つまり…根元が折れ曲がるタイプのロッドアンテナや、L型変換コネクタを介したホイップアンテナなどを垂直に立てようとするとコネクタ部分で空回りして倒れる恐れが有り、また、一般的なロー・インピーダンス(50Ω)のアンテナを繋ぐと不整合が発生する。

BELKA-DX-MAXのユーザーズマニュアルに、インピーダンスが50/75ΩのアンテナをBELKAに接続する際のマッチング回路例が掲載されていたので、早速作ってみることにした。

ユーザーマニュアル掲載のインピーダンス・マッチング回路

【インピーダンス変換アダプタ】の他にも「いろいろ」盛り込んでみよう。

  • マッチングボックスはBNC-PコネクタでBELKAに直結し、アンテナ接続用のBNC-Jコネクタを垂直(真上)に向けて取り付けることでL型変換コネクタになる。【L型変換アダプタ】
  • BNCコネクタの空回りによる転倒を回避し、併せて、BELKAのアンテナコネクタに掛かる負荷を抑えるため、マッチングボックスは設置面に脚で接する。
    脚の高さ(長さ)はBELKAの傾きに対応して容易に調整出来るようにする。
  • レベリングフットの代わりにカメラネジ(1/4インチ)からM6ネジへの変換アダプタを使用することで、カメラ用三脚に装着出来る。【三脚用アンテナマウント】
  • インピーダンスマッチングとハイ・インピーダンスのまま通すスルーを選択可にして、附属ロッドアンテナなどハイ・インピーダンスのアンテナも引き続き使えるようにする。
  • アンテナ接続用のBNC-Jに加えてハイ・インピーダンス側にはミニジャックを装備し、ミニプラグ出力のアンテナ(ラジオに附属しているようなリールタイプアンテナや小型ループアンテナ等)を接続出来るようにする。【ミニプラグ⇒BNC変換アダプタ】
  • ミニジャックのGND側はカウンターポイズ接続用としても使えるようにする。

ちなみに、BELKA-DX-MAX附属のロッドアンテナは、それ以上傾けると本体自体が転がるという角度まで傾けても空回りして倒れることは無く、止めたい位置でカッチリ止まってくれる…実に優秀。

附属のロッドアンテナは傾けても勝手に倒れたりしない

作成したアダプタ

外観

天面(アンテナ接続側)…ミニジャックとの接触回避のためBNC-Jコネクタを若干左へオフセット
(組み込み時になって使用するミニジャックを細身の物に変更したらオフセットの必要は無かった。)
側面(BELKA接続側)…スライドスイッチはインピーダンスマッチングとスルーの切替
底面(設置側)…脚を回転して高さを調整する

サイズは40×20×30mm(突出部を除く)。

内部

非常にシンプルな回路
脚はレベリングフットとインサート、薄型ナットで構成

使用したインサートは外側がM8/内側がM6で一般的なナットやネジが使用できる。
レベリングフット(M6)の代わりに、1/4インチ・カメラネジ(メス)からM6ネジ(オス)への変換アダプタを使用することで三脚への装着も可能。
但し、BELKA-DX-MAXを直結した状態ではアンテナコネクタ(BNC-J)のみで支えられるため、負担が気になるところ。
(重さ95g程度なのと、BNCコネクタはケースにしっかり固定されているので大丈夫だとは思うけれども…。)

レベリングフットの代わりに変換アダプタを装着する
三脚に取り付ける

こんな感じで単体の三脚用アンテナマウントとして使うのが良さそう。
出力側がBNC-Pなので一般的な同軸ケーブルを繋ぐ際には中継コネクタ(両端BNC-J)が必要。
追加でハイ・インピーダンスから50Ωへの変換も組み込めば、他の受信機でもミニプラグ出力のアンテナを使用できるかな…需要は余り無さそうだけども。

使用

各種アンテナ接続

ロー・インピーダンスアンテナ(SV2CZF RF-MWA30 / 50Ω)を接続
ハイ・インピーダンスアンテナ(Tecsun AN-100)を接続

BELKA-DX-MAの傾き(三段階)のうち、45°と30°は脚の回転で高さを調整出来るが、0°(平置き)した場合は最も短くしても脚の方が長くなってしまう。
平置きで使うことはまず無いので、とりあえずいいかな…。

さて、実際に使ってみて。

インピーダンスマッチングについては、手持ちのアンテナで試した範囲では正直なところ余り効果を感じないが、短めのホイップアンテナやmini-whip(市販、自作)ばかりなので、もう少しサンプル数を増やしてみないと判断出来ず。

このアダプタを使うことでアンテナを立てても空回りによる転倒を回避出来ることと、BELKA-DX-MAXのアンテナ端子への負荷を抑えられる点についてはハッキリ効果有り。

ミニプラグ出力のアンテナが使えるのはかなり便利で、手持ちのアンテナ(リールタイプ、小型ループタイプ)が活用出来る。