東欧の小粋なリス BELKA-DX-MAX w/LSP3W … 到着

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円安が進んで相対的に価格が上がる一方の海外製品(特に海外通販必須の物)。
この先の速やかな改善(⇒円高)は全く期待出来ないので、今後に比べればまだ安い(と思われる)今のうちに以前から気になっていた海外製ラジオを買っておこう。
というわけで今回新たに仲間入りしたのが、東欧の国 ベラルーシ生まれの短波ラジオ「BELKA-DX-MAX」。
ちなみに「BELKA」はロシア語表記で「белка」…意味は「リス」(これがタイトルの理由)。

到着そして開梱

開発・製造元の「BELRIG」(ベラルーシ)でもオンライン販売をしているが、海外のユーザーレビューを見て購入時の送金手続き(金融機関によっては送金出来なかったり、直接送金以外の手段が限られている)や配送(日数が結構掛かる)でやや不安を感じたため、唯一本家以外でオンライン販売している「mobimax」(ブルガリア)で購入した。(PayPal決済・FedEx配送)
後者のショップではオリジナルのスピーカーユニットとのセット販売が有るというのも選択理由。
尚、eBayでも他者による新品販売を見掛けるが、上記2サイトの販売価格に対して5割増以上の価格設定がされているため、お勧めしない。

購入手続きをしたのが2024/4/22、当日中に発送され、ブルガリア(VELIKO TARNOVO⇒SOFIA)⇒ルーマニア(OTOPENI)⇒フランス(ROISSY CHARLES DE GAULLE CEDEX)⇒UAE(DUBAI)⇒中国(広州市)⇒日本(泉南市)を経て、4/27着。
発送から到着まで5日間…実に早い!

日本国内は都市圏であればFedEXが直接配送するが、その他の地域では日本郵便が配送する。

クッション封筒の中でも更にエアキャップでしっかり包まれている。

購入したのは本体(BELKA-DX-MAX)に購入先ショップ(mobimax)オリジナルのスピーカーユニット(LSP3W)が装着されたセット(BELKA-DX-MAX SET WITH LSP3W SPEAKER KIT)。
本体のみやスピーカー単体での購入も可。
ユーザーズマニュアルはパッケージ・ラベル記載のQRコードで示された先からダウンロードするのだが、印刷(コピー)された物が添付されていた。

本体に比べてかなり大きめのウレタンクッションに収まっている。
これなら配送中に多少手荒に扱われても大丈夫そう。
写真では分かりにくいが、本体は薄いシートで海苔巻き状にラッピングされている。

構成品

本体、ロッドアンテナ(7段/最大長70cm、折曲型、BNC-Pコネクタ)、ユーザーマニュアル、電源ON手順メモ。
本機は電源ON/OFFの手順が複数から選択出来るが、初期設定では電源ONが「【エンコーダー・ノブ】を押しながら【PWR】を押す」という手順になっており(配送時の衝撃などで電源が入らないように…かな?)、分からなくて戸惑わないように…という配慮でメモが添付されているのだろう。

外観

前面
ディスプレイ部分のアップ

1.8インチのモノクロ液晶ディスプレイと、4つのゴム製ボタンが並んだシンプルなパネル面。
液晶ディスプレイには硬度9Hの保護ガラスが装着されている。

右側面

右側面にはエンコーダー・ノブ(チューニング・ノブ兼ボタン…チューニングの他、音量調整や各種設定の選択・決定に使用)とIQ出力端子(ステレオ・ミニジャック)が有る。
ロータリーエンコーダーはクリック感の無い物が使われており、滑らかに回転する。
IQ出力からPCの音声入力へ接続し、各種ソフトウェアを使用することでスペクトラム表示などが可能。
ステレオケーブルは手持ちが有るので、いずれオーディオ⇔USB変換アダプタを入手して試してみよう。

左側面

左側面には充電/給電用USB-C端子、充電インジケーター、アンテナ入力端子(BNC-J)、音声出力端子(3極ミニプラグ)。
音声出力端子にはモノラルプラグ(2極ミニプラグ)は絶対に使用しないように…との注意書きがユーザーマニュアルに明記されている。
※内蔵アンプの出力が短絡し故障の恐れが有るため。

背面

背面にはオプション(購入先ショップのオリジナル製品)のスピーカーユニット(LSP3W)が装着されている。(装着はオリジナルの本体背面カバーと交換。)

ちなみに、開発・製造元からもスピーカーを内蔵したモデルが販売されている。
裏側カバーの内側に直接スピーカーが取り付けられており、サイズ(厚さ)の増加が無い(スピーカー固定ネジの突出を除く)代わりに内蔵バッテリーのサイズ(容量)が小さくなっている。

一方、LSP3Wは裏側カバーにスピーカーモジュールが追加された構造で、全体の厚さはやや(7mmほど)増すが、オリジナルよりも容量が大きなバッテリーが装着されている。
このバッテリー増量もスピーカーユニット(LSP3W)装着モデルを選択した理由。
また、スピーカーのサイズが二回りほど大きくなり、出力W数も純正の2Wから3Wに上がっている。
ユニットの左右端には折り畳み式のスタンド(銀色のバー)が装備されている。

モデル(構成)内蔵バッテリー容量
本体のみ2200mAh
スピーカー内蔵(純正)1250mAh
LSP3W装着2500mAh
各モデルの内蔵バッテリー容量

折り畳みスタンド(スピーカー・ユニット装備)

畳んだ状態(平置き)
中間位置(約45°)
立てた状態(約30°)

スピーカーユニットには両端に折り畳みスタンドが装備されていて、平置きを含めて三段階の傾きにセット出来る。
各位置では軽いクリック感が有り、さほど固くないものの勝手に動いてしまうことは無さそう。

サイズ感

UV-K5(8)との比較…ほぼ同じくらい
DSPラジオ仲間(MALAHIT DSP2、DeepSDR 101)との比較…どちらと比べても1/3程度のサイズ
シャック内…埋もれるほどに小柄

サイズは横84×縦50×厚さ27mm(実測、突出部を含まず)、重量は約95g。
※いずれもスピーカーユニット装着時。
この非常にコンパクトなサイズながら受信性能はなかなかのもの。
附属のロッドアンテナ(全長70cm)でも中波放送が結構良く入り、写真(↑)の様に伸ばさなくても地元ローカル局なら信号強度目盛り50(S9+10相当)で受信出来る。⇒末尾の【メモ】参照。
一般的なラジオでは中波放送の受信で(特に短めの)ロッドアンテナは殆ど期待出来ないけれど、このBELKAでは良い意味で期待を大きく裏切ってくれた。

簡単に使用感

添付されていたメモのおかげで電源投入で戸惑うことは無かったが、毎回となると手間なので、「電源ON⇒【PWR】ボタン一回押し/電源OFF⇒【PWR】ボタン長押し(約2秒間)」に変更した。

各種設定は前面に並んだ4つのボタンにはそれぞれ複数の設定項目が割り当てられており、続けて押すことで次の項目に移り、エンコーダー・ノブの回転や押し込みで項目選択や設定変更、決定を行う。
また、通常表示時にエンコーダー・ノブを押し込むと周波数ステップの変更モードになり、エンコーダー・ノブの回転で選択して押し込みで決定する他、押し込みながら回転すると直接変更出来る。

設定項目は必要最低限で直ぐに理解出来る。

ボタン項目1項目2項目3
VOL音量調整感度調整
MOD復調方式
CWU/LSB/USB/AM1/AM2/NFM
※AM2は疑似同期検波
フィルタ上限周波数
2k/2.4k/2.7k/3k/3.5k/4k
※CWUのみ帯域幅
500/600/700/800/900/1k
フィルタ下限周波数
50/75/100/150/200/300
※CWUのみ帯域幅のため設定無し
MEMSAVE⇒メモリへの書き込み
LOAD⇒メモリからの読み出し
PWR・オフタイマー設定
・バックライト設定
・電源ON設定
・電源OFF設定
各操作ボタンの項目設定

早速、いろいろ聴いてみた。
先ずは中波放送…まだ日中だったため近隣局が対象になるが、附属のロッドアンテナを伸ばさずに接続した状態でもローカル局がS9以上の良好さで受信出来、ロッドアンテナを全て伸ばすと大阪の局も受信可。(他の地域は咄嗟に周波数が思い出せなかったので未確認。)

短波放送は…ラジオNIKKEI(6055kHz、6115kHz)は全く受信出来ず、他のラジオでも同様だったため諦め。
31mbと25mbを適当に彷徨って局が聴こえたら情報サイト「SHORT-WAVE.INFO」で確認し、送信地などから受信状況を類推…結構良く受信できている模様。
夜になってRti 台灣国際放送の日本語放送を聴く。
信号強度はS-Unit換算でS9+30相当、ノイズや混信、フェージングも殆ど無くかなり良好に受信出来た。
しかも、周囲には盛大にノイズを出すPC関連(特にディスプレイ)が有るという環境にも関わらず。
今朝はHCJB日本語放送…信号強度はS-Unit換算でS9+10相当、フェージングとノイズが若干気になったので、感度を少し下げてフィルタ幅を上下とも僅かに狭めたところ聴きやすくなった。

附属ロッドアンテナでこれくらい受信出来ればかなり優秀。

本機のアンテナ端子はBNCタイプだが、ロッドアンテナやワイヤーアンテナでの使用を想定したハイ・インピーダンス(>10kΩ)になっていることも、附属ロッドアンテナで良好に受信出来る理由だろう。

一般的なロー・インピーダンス(50Ω、75Ω)のアンテナを使用する際のインピーダンス・マッチング回路例がユーザーマニュアルに掲載されている。

ユーザーマニュアル掲載のインピーダンス・マッチング回路

ちょっと弄り

ネジ交換

大したことじゃないけれど、左右の側面パネルを固定しているネジ(M4×6mm)を「プラス皿ネジ」から手持ちの「六角穴付き皿ネジ」に交換した。
スピーカーユニットで使用されているネジが全て六角穴付きなので合わせたかったのと、プラスネジよりも見た目がカッコいいかな?と(^^ゞ

メモ

BELKAの受信信号強度は10ポイント等間隔のバータイプ表示のため少々掴み難い。
大よそのdBm値とS-Unitへの変換スケールが有志により公開されていたので、覚え書きとして記載。

⇒『From Belarus with love: The Belka DSP』(THE SWLING POST)

信号強度目盛りdBmS-Unit
0-113S2
10-103S4
20-93S5.5
30-83S7
40-73S9
50-63S9+10
60-53S9+20
70-43S9+30
80-33S9+40
90-23S9+50
信号強度目盛りからdBmとS-Unitへの変換表

WRTH 2023 に紹介記事掲載

WRTH 2023
BELKA-DX(旧モデル)の紹介記事

旧モデル(受信下限周波数が1.5MHz)の記事がWRTH 2023に掲載されている。
前モデルからの変更箇所…スピーカー内蔵とIQ出力についての紹介がメイン。
いずれも搭載希望が多かった機能とのこと。
IQ出力をPCの音声端子やUSBサウンドデバイスを介して接続することで、汎用のSDRコントロールアプリを使った操作と聴取が可能になる。

自分が所有しているモデル(最新版)ではサードパーティ製の外付け(一体型)スピーカーユニットが装着され、もちろんIQ出力も有る。