Last Updated on 2025/09/05 by りょう

身体とキーボードの不調
今まで使ってきたキーボードは極一般的なサイズと配列の物。
格安品ながらメカニカルキーボードで使用感は可もなく不可もなくだったけれど、暫く前から手首と肩に軽い違和感を覚えるようになってきた。
恐らく、打鍵時の肩を窄めて手首を少し捻るような姿勢が続いたせいだろう。
また、キーボード自体も少し前から【Enter】キーが二回ほど押さないと入力されないことが時々有り、多用するキーなので不便を感じていた。
肩を窄めるような姿勢は、キーを打つ際の左右の掌の間隔を空ければ改善する。
以前、同様の理由から分割キーボードを使っていたことが有り、身体の違和感が随分解消された覚えがある。(職場の社給PCで使うためJIS配列を選択…個人使用ならUS配列一択。)
手首の捻りについても、キーを扇状に配置したAlice配列にして、左右モジュールのそれぞれ内側を軽く持ち上げるような(テンティング)設置にすれば改善が期待出来るだろう。
選定と購入
キーボード
というわけで、分割タイプでAlice配列(もちろんUS配列)のキーボードへの置き換えを検討。
キースイッチは静音タイプで後々交換が容易なホットスワップ対応が必須条件。
他に希望としては、基本は有線(USB)接続だけど、無線(Bluetoothか2.4GHzドングル使用)接続も有れば使用形態の幅が広がるかな。
以前使っていたキーボードもUSB接続とBluetooth接続の両対応なのでBluetooth接続で使っていたが、接続が不安定になり始めて或る時全く繋がらなくなった。
開けて調べると内蔵バッテリーの接続ケーブル(基板に直接ハンダ付け)が断線…つくづくショートしなくて良かった。
その後はバッテリーを取り外してUSB接続で使用していた。
この条件で探してみると、分割タイプでAlice配列は割と見掛けるもののキースイッチやキーキャップが装着されていないベアボーン形式での販売が大半。
もちろんホットスワップ対応なのでキースイッチを任意に選べるため静音タイプも可だけど…キーキャップも含めて一式揃えると結構良いお値段になってしまう。
また、ベアボーン形式の既製品は国内では余り見掛けないのでAliExpressなど海外からの購入になる。
自作系はトラックボールが搭載されていたり親指側のキーが拡張されているなど多機能が非常に魅力的だけど、価格相場が大きく上がることと(こちらもキースイッチとキーキャップは別売り)、場合によってはハンダ付け作業が発生したりファームウェアの書き込みが必要になるなど手間が掛かるため、今回は見送り。(いずれ試してみたい気持ちはある。)
(他に、自作系はどうしても品質…特に耐久性が気になるところ。)
海外製の完成品は容易には手を出せない価格相場(PC本体より高価な物も…)なので最初から対象外。
尚、有線接続と無線接続の両方に対応した製品となるとかなり限られる感じ。
必須条件と希望を全て満たし、キースイッチとキーキャップが実装された完成品で国内での入手が容易なメーカー製…ということで探して唯一見付けたのが「MiSTEL Barocco Mistel MD600 Alpha RGB BT Black(英語配列・静音赤軸キースイッチ)」。
以前使っていた分割キーボードと同じメーカー/シリーズなので品質面での心配は無し。
リストレスト
リストレストは以前分割キーボードと一緒に使っていて好感触だった「FILCO Genuine Wood Wrist Rest」の今回はMサイズを選択。
当時は他に、アクリル製、やや硬めのスポンジ製、柔らかめのウレタン製など幾つか試してみて、自分には硬さが程良くて掌を滑らせ易いこの木製品が一番合っていた。
トラックボール

今まで使っていたトラックボールは手の中にすっぽり収まるコンパクトサイズの「エレコム M-MT2BR」(既に販売終了)。
ボール径(Φ34mm)は小さいものの意外と使いやすくて気に入っているのだが、今回新調したキーボードだと置けるスペースがキーボードの左右モジュールの間しかなく、そこに置いた場合、このトラックボールのボタンやホイール配置では非常に使い難い。
キーボードの左右モジュールの間に置いてもボールやボタンの操作がし易いトラックボールといえば…直ぐに思い当たったのがKensingtonの大玉モデル。
以前、有線タイプのKensington Expert Mouse(Mouseという名称だけどれっきとしたトラックボール)を分割キーボードの左右モジュールの間に置いて使っていたことがある。
そのExpert Mouseは今も持っているが(職場と自宅で使っていたので二台)、高さが有り傾斜が強めなためか今のPCデスクのキーボードトレーに置くと少々窮屈に感じられる。
高さが抑えられて、且つ、傾斜も緩やかなKensington Bluetooh SlimBlade Proを選択。
ちょうどセール中でボールの色が黒(実際は濃いグレー…実に好み)のAmazon限定モデルが通常モデル(ボールの色が赤)より安かったので迷わず購入した。
Expert Mouseのトラックボール(同じくΦ55mm)を転用出来れば、通常モデルも黒玉仕様になるかも。
フッ素コーティング剤
トラックボールは露出している上に頻繁に素手で触れるため、暫く使うと埃や皮脂などが付着して滑り(転がり)が悪くなってくる。
その都度、ボールを取り出して表面とカップ内の接触する部分を洗浄する必要がある。
いろいろ調べてみると、釣り具(ロッドなど)の表面保護に用いられているフッ素コーティング剤をボールに塗布すると効果が有るらしく、コーティング剤の購入者レビューでもトラックボールへの使用事例が多く挙がっていた。
もちろんトラックボールと合わせてお買い上げ。
塗布⇒数時間放置⇒乾拭き…を数回繰り返すと効果的とのこと。
ボール表面やカップ内の接触部分以外に、ボタンやスクロール時に触れるリングの表面にも塗布しておくと表面保護になる。
使用感
キーボード
キースイッチにCherry MXの静音赤軸が使われていて、実に静かでソフトな感触。
メカニカルキーボードは好きだけど、打鍵時にキーが底打ちする感触と「カチカチ」音が苦手なので、選べる場合は「静音赤軸」一択。
以前使っていた分割キーボード(冒頭で紹介)も静音赤軸を選んでいた。
分割キーボードは随分久しぶりだしAlice配列は初めてなので最初は戸惑ったものの、暫く使っているうちにかなり馴染んできた。
HHKBの無刻印タイプを初めて使った時に比べれば使い始めの敷居は全く低い。
間隔を広く配置出来て肩を窄めることが無くなったので肩への負担が大きく減り、Alice配列と少しテンティングした(キーボード底面には磁力吸着で脚を装着出来、設置した際の内側寄りに装着することで山型に傾斜をつけられる)おかげで手首にも無理が掛からなくなった。
キーボード底面に装着する脚を3Dプリントで自作すれば任意の高さに出来るし、可変出来るスタンド的な物なら傾斜の向きや角度も結構自由になりそう。
以前のキーボードは結構いい加減な姿勢で適当に打ってもそれなりに使えたけれど、この新しいキーボードではちゃんと正対して指の位置も意識しないとなかなか難しい。

PCデスクのキーボードトレーは奥行が余り無く、キーボードの左右モジュールを繋ぐコイルケーブル(割と重い)が後ろに垂れ下がってモジュールのUSBコネクタに負担が掛かっていたので、3Dプリントで簡単なクリップを作成して保持するようにした。
コイルケーブルではなく短いストレートケーブルに置き換えたいが、一般的なUSB-C⇔USB-Cケーブルで良いのだろうか?
PCとの接続は有線(USB)…内蔵バッテリーは2000mAhで連続使用時間は最大160時間(LEDバックライト消灯)だが充電の手間が掛かるし、PCデスクのキーボードトレーに置けばケーブルは目立たない。
トラックボール
久しぶりの大玉ボールはやっぱり良い。
これくらい(直径Φ55mm)大きければキーボードの左右モジュール間に置いても左右どちらからでも操作し易いし、掌で覆うように触れれば大きくも小さくもスムーズに動かせる。
掌を滑らせ易いリストレストなので、キーボードを操作しながら手を持ち上げる必要が無く横に滑らせてトラックボールの操作に移ることが出来る。
ちなみに、この配置と右手操作では「右クリック」(手前右側のボタン)が操作しにくいため、「左クリック」(手前左側のボタン)と対角の位置になる奥右側のボタンに割り当てている。
こちらもPCとの接続は有線(USB)…連続使用時間は最大四ヵ月とかなり長いものの、いずれ充電が必要になる。
その手間を避けたいし、同じくキーボードトレーに置くのでケーブルは目立たない。
今まで使っていたミニトラックボールは、フォトレタッチや3Dプリントのモデリング、Webブラウジングなどマウス操作主体のケースではこちらの方が使い勝手が良いので現役継続。
写真(Leica M10-D、Ricoh GRⅢ)、アマチュア無線(JR4WDU)、デジタルガジェット、3Dプリント、ミリタリー(トイガン、小物)…などなど、興味の赴くままに広く浅く細く長く愉しんでいます。







