Bambu Lab A1 mini いろいろカスタマイズ … リモート環境構築(Panda Touch/PWR)

【この記事の所要時間: 1224秒】
Panda Touch(デスクトップ・バッテリー・マウント)

Bambu Lab A1 miniにPanda Knomiを装着して「或る程度」離れた所からもステータスや進捗状況を視認出来るようになった。

より詳細な情報を確認して更に操作もしたい…ということで調べてみると、Knomiと同じメーカー(BIGTREETECH)から「Panda Touch」という製品が出ている。

5インチ(800×600ドット)のタッチパネルを搭載し、本体のタッチパネルよりも多項目且つ詳細な情報の表示と各種操作が行える。
Bambu Lab製の複数の3Dプリンターを管理出来、A1 miniも対象。
尤もX1/P1シリーズとの組み合わせが大半で、A1シリーズ…特にminiと組み合わせている事例は見掛けなかった。

別売りオプションの環境センサー「Panda Sense」を接続(I2C)することで、温度と湿度の測定・表示も可能。
X1/P1シリーズのようにエンクロージャーに収まった構造のプリンターや、他社製エンクロージャーに収納したA1シリーズだと庫内の温度/湿度を確認出来るので特に有効だろう。
但し、Touchとの接続は有線のためTouchをプリンターから離して使いたい場合には残念ながら余り向かない。
SenseもWiFiかBluetooth接続だったら…と少々残念。

更に、同社製の電源ユニット「Panda PWR」と組み合わせることで、供給電圧/消費電流/消費電力(積算可)といった情報の表示や、リモートでの電源On/Off、プリント完了後の自動シャットダウン、PWRのUSBポートに接続されたLEDライトやファンなどの電源On/Offといった機能が使用出来る。
X1/P1シリーズ用だけど、3Dプリンタへの接続は電源供給のみで制御信号などは無く、消費電力もA1 miniなら余裕、ACコネクタは市販の変換ケーブルを使えば良い。
こちらもA1 miniとの組み合わせ事例は見当たらず。

Panda Touch

同梱品一式

本体、USBドック(USB給電、磁力吸着)、マウント金具(両面テープ貼り付け)、USB-C⇔USB-Aケーブル、取扱説明書(英語・中国語)、他。
同社の製品でお馴染みのミニ・ラバー・ダックも添付されていた。

※スペックは冒頭のリンク先(英文だけどGoogle Web翻訳を使えばOK)を参照。

本体裏面

本体の裏面には、四隅と中央にUSBドックと吸着するためのネオジム磁石、上半分左右に給電用端子(+/ー…USBドック側の給電端子はポゴピン)、中央左右端にズレ防止/壁掛け用の穴、下端に電源スイッチとI2Cコネクタが有る。

電源スイッチとI2Cコネクタ

電源スイッチ:
・OFF…電源Off
・バッテリーアイコン…内蔵バッテリー駆動
・DC 5V…外部給電 ※今回使用する設定
外部給電の場合は外部からの給電をOffにしても内蔵バッテリーには切り替わらず電源がOffになる。

I2Cコネクタはオプションの温湿度計を接続する。(コネクタの右横に温度計と水滴のアイコンが記されている。)

デスクトップ・バッテリー・マウント

X1/P1シリーズ用には本体に装着する様々なマウントがデータ公開されているが、流石にA1シリーズは本体が小さいこともあってか見掛けず。
そもそも、今回の目的はリモート操作なので本体に装着しては意味が無い。

単独で置いて使うスタンドも色々とデータ公開されているので、その中からバッテリーを内蔵しTouchへ給電出来る物を選んでみた。
Touchにもバッテリーは内蔵されているがさほど大容量ではなく稼動時間も約30分と短め。
作成したものは一般的な18650バッテリーを使い、約10時間の稼動が可能とのこと。
内蔵バッテリーと異なり、18650なら劣化した際の交換も容易。

上記のリンク先⇒https://makerworld.com/ja/models/451700-panda-touch-desktop-battery-mount#profileId-358784

使用部材
18650バッテリー使用の電源モジュール(+5V出力)
電源モジュールの電池ボックス
使用した18650バッテリーは「+」側端子が凸型ではなく保護回路が無いタイプ
凸型端子や保護回路が有るタイプだと長過ぎて収まらない可能性有り
USB-C給電ケーブル(+/ーの2線タイプ)

早速部材を集めて作成。
・18650電源モジュール…+5V出力モデル
・USB-C給電ケーブル…2線接続
・シーソースイッチ…2極でサイズは10×15mm
・ネオジム磁石…Φ8mm×2mm
・ネジ①(M2.5×5×4本)…接続パーツ取付用 ※USBドックから流用
・ネジ②(M2.5×4×4本)…電源モジュール取付用 ※データではM3だが電池ボックスが干渉するため変更
・ネジ③(M3×4×4本)…ケース組立用
・ケーブルクリップ…配線固定用
ネオジム磁石、ネジ②③、ケーブルクリップは手持品を使用。

作成
内部:USBドックから取り外した接続パーツを使用しUSBケーブルで電源モジュールと接続
前面:Touch本体は四隅と中央のネオジム磁石で吸着し、上半分左右のポゴピンで給電接続する
後面:電源モジュール上に実装されているLEDの点灯を確認できる
充電中は赤色点灯
充電が完了すると青色点灯

電源モジュールには給電/充電状態を示すLEDが実装されているが内蔵すると隠れてしまうため、マウント後面に穴を開けて確認出来るようにした。
ちなみに、ただの貫通孔ではなくアクリル丸棒を埋め込んで光を導いて視認性を上げている。
・PWR…電源OFFでも点灯するため給電可という意味合い
・CHG…18650の充電状況(充電中:赤色/充電完了:青色)

左側面:電源スイッチ
充電用USB-Cコネクタ(電源モジュールの18650を充電する)
Touch本体の右側面:USB-Aコネクタ

Touch本体の右側面にはUSB-Aコネクタが有り、USBフラッシュドライブに格納されたデータを3Dプリンタへ転送・プリントすることが出来る。

USBコネクタカバー装着

上の写真ではTouch本体に3DプリントしたベゼルカバーとUSBコネクタカバーを装着している。

上記のリンク先⇒https://makerworld.com/ja/models/172153-panda-touch-bezel-cover#profileId-189025

上記のリンク先⇒https://makerworld.com/ja/models/812315-panda-touch-usb-plug#profileId-753957

Panda PWR

同梱品一式

本体、USB-C⇔USB-Aケーブル、他。
こちらにもお馴染みのミニ・ラバー・ダックが添付されている。

※スペックは冒頭のリンク先(英文だけどGoogle Web翻訳を使えばOK)を参照。

各種端子

側面にはUSB-C、USB-A×2の端子が並ぶ。
左から:
・Prog(USB-C)…ファームウェア更新や設定などの通信用
・USB2(USB-A)…常時給電(+5V/1.5A)
・USB1(USB-A)…制御給電 TouchからOn/Off可(+5V/1.5A)

電源コネクタ変換

3Dプリンタへの接続側(IEC-60320-C13)
電源ケーブル接続側(IEC-60320-C14)

X1/P1シリーズでの使用が想定されており、本体付属の電源ケーブルを流用するため、電源コネクタはIEC C13/C14タイプ。
A1 miniは電源ケーブル(3Pタイプ)が本体直付けのため、3Dプリンタ接続側を3Pメスタイプへ変換し、併せて2Pオスタイプの電源ケーブルを用意する必要が有る。

3Dプリンタ接続側の変換ケーブル(IEC C14⇒3Pメス)
A1 miniの電源ケーブル(3Pオス)を接続出来る
電源ケーブル(2Pオス⇒IEC C13)
2Pプラグなので一般的なテーブルタップに直接挿せる(右端)

設置

フィラメントドライヤーの脇に置いたブックエンドに磁力吸着で設置
データ公開されているウォールマウントを使用

電源ユニットは割と大きめで太めのケーブルが出ていることもあり、設置場所を暫し思案。
専用のウォールマウントがデータ公開されていたので、早速作成した。
オリジナルも磁力吸着だが、貼り付きが今ひとつ弱く感じられたので使用するネオジム磁石を増量し、且つ、貼り付け先(ブックエンド)にもズレ防止のストッパーを作成して装着した。
この配置のため、電源ケーブル(右側)を下向きに出したくて片側L字タイプのケーブルを選択。

上記のリンク先⇒https://makerworld.com/ja/models/837773-bigtreetech-panda-pwr-wall-mount-remix-with-logos#profileId-783340

画面表示

Touch/PWRのセットアップはBIGTREETECH WIKIの各ページ(冒頭のリンク先)に詳細な手順が記されているため割愛。
※Touchは最新のファームウェア(V1.0.7)で日本語表示が可能になっている。

以下に、各画面表示を示す。

ホーム画面

右上隅は3Dプリンタ本体の電源On/Off、その左隣はPWRのUSB1(制御給電)に接続した機器のOn/Off。
それぞれの下には、左列:WiFi接続状況、ノズル温度、ビルドプレート温度、環境温湿度(オプションのセンサー接続時)/右列:画面ロック、消費電力、エネルギー使用量が並ぶ。

コントロール画面:温度/軸

左側:ノズル温度、ビルドプレート温度、環境温湿度(オプションのセンサー接続時)、などを表示。
右側:XYZ軸の移動操作。

コントロール画面:フィラメント

セットされているフィラメントの種類表示(AMSとBambu Lab純正フィラメントの場合のみ)、ロード/アンロード、など。

コントロール画面:Panda PWR関連

プリント完了後の自動シャットダウンの有効/無効と有効時の条件(時間/ビルドプレート温度/ノズル温度)を設定出来る。
右側には電圧/電流/消費電力/エネルギー使用量、などが表示される。

フォルダ画面:3DP(クラウド)/USBフラッシュドライブ/印刷履歴

格納されているプリントデータやプリント履歴が表示される。

設定画面:一般

Touchの各種情報(右側はクラウドサービスへのログイン情報)が表示される。
ネットワークタブには接続先のアクセスポイントが表示される。

接続プリンタ一覧

複数のプリンタを登録している場合は横に並んで表示される。

試用

起動後、3Dプリンタへ接続した状態(ベゼルはカーボン調のビルドプレートを使用して作成した)
データ転送完了後、準備処理中の状態

準備処理が完了すると、上の写真でパンダのイラストが表示されているエリアにはプリントするモデルが表示され、右側の進捗表示部分には使用している3Dプリンタの画像が表示される。

3Dプリンタが別室や全体を覆うエンクロージャー内に設置されていたり、複数台のプリンタを扱っている場合にはかなり効果的だと感じた。
(現在の)自環境では使用しているプリンタが一台のみで、同じ室内の割と近い場所で露出状態のため少々宝の持ち腐れ的な気がしないでもないが、今(ブログ記事執筆中)のようにPC作業をしながらプリントしている時にはやはり便利に感じる。
A1 miniに搭載されているカメラからの映像も表示されれば、更に便利になりそう。