Last Updated on 2025/12/03 by りょう

メインPCの入れ換えで高負荷長時間運用でも安定稼動が可能になったので、以前から気になっていたPCコントロールSDR受信機を新調することにした。
SDRとはSoftware Defind Radioの略なので「SDR受信機」というのは冗長ではないか?と気になったけれど、結構一般的に用いられているようなのでここでもその記述を使うことにする。
選定条件として先ず受信周波数範囲は、中波帯と短波帯は必須(先細り界隈だけど聴ける間は聴きたい)、可能ならVHF帯(FM放送)も聴きたい、それ以上のエアバンドやマリンバンド(国際VHF)は有れば良いかな…という感じ。
設置した際にケーブルの引き回しをスマートにしたいので、アンテナやUSBなどの接続端子は後面にまとまっていて欲しい。
そして出来ればUSB給電が可能なこと…配線は出来るだけシンプルにしたい。
これらの条件で機種選定をして、ELAD FDM-S2を最優先候補に選定。
登場は2014年とかなり古い機種ながら今もまだ現行製品。
オプションにプリセレクタやコンソール(物理ノブやボタンで操作)が用意されていて拡張性も高い。
国内ショップでの取り扱いも有るが結構高価な上に海外からの取り寄せになり納期がかなり掛かる。
そのため海外ショップを探していたところ掘り出し物(中古)を見付けた。
FDM-S2の他に関連製品のSPF-08とTM-2が出品されていて、画像で見る限りでは美品で付属品も完備、もちろん新品購入(海外価格)よりも格安。
ほぼ衝動的に三点まとめて購入を決意…決済時にPayPalでログイントラブル※に遭遇して焦ったものの無事購入することが出来、まさに今日(2025年11月24日)届いた。
ふと思うに…同じ人からセットで買い取った物を個別に売り出したのかも。
※PayPalのログイントラブルとは…正しいパスワードを入力してもエラーになりログイン出来なかったこと。
複数のオンラインショップでの決済時に発生したが、その都度パスワードを再設定すると問題無くログイン出来たためアカウントロックではない。
念のため取引履歴を確認し、不審な点は無かった。
調べてみると、Webブラウザの保護設定や広告抑止機能の導入により発生するケースも有るとのことなので、このエラーが発生していなかった時期以降に変更したWebブラウザ(Chrome)設定や追加した拡張機能(AdGuard)を見直して、ブラウザの保護を強化から標準に戻し、拡張機能のホワイトリストにPayPalを追加したことで、その後は発生していない。
ELAD FDM-S2(レシーバー)
PC制御のダイレクトサンプリングSDR。
丸みを帯びたアルミ打ち出し製のケース(前後パネルもアルミ製)で黒色基調のシックなデザイン。
前後パネル

横に入っている筋に見える線は表面仕上げに因るもの
中央やや右寄りに見える二つのLED:
・左:通電時に青色点灯
・右:USB通信時に青色点灯

左上から:
・電源スイッチ
・PC接続用のUSB-B端子
・SPF-08接続用のD-Sub端子(RS-232Cではない)
・HF帯/50MHz帯用のアンテナ端子(SMA)
・FM放送帯/VHF帯用のアンテナ端子(SMA)
概略スペック
| ADコンバーター | 122.88MHz / 16bit Single Channel Direct Sampling |
| HF/50MHz | 10kHz-54MHz MDS: -132dBm@14MHz Clipping level: -8dBm. |
| VHF1(FM放送帯) | 74-108MHz sensitivity <2uV 12dB SINAD @98MHz Clipping level: -3dBm. |
| VHF2 | 135-165MHz MDS: -137dBm@145MHz Clipping level: -19dBm. |
| サイズ | 110(W) x 90(D) x 40(H) mm weight 360g. |
海外のコミュニティを見ると「エアバンド帯(108-135MHz)も受信出来る」という書き込みをチラホラ見掛けるけれども果たして真偽は如何に!?
ちなみに、純正受信ソフトウェア(FDM-SW2)では【OUT OF RANGE】になるが、受信周波数の変更は可能。
構成品

付属品:
・PC接続用のUSB-A⇔USB-Bケーブル
・USB-A⇔USB-A延長ケーブル(PC接続側は追加で給電接続出来るように2コネクタ構造)
・USBメモリ(ソフトウェア、ドライバ、マニュアルが格納されている)
・SMA⇔BNC変換コネクタ×2個
・ゴム足×4個
・布製ポーチ ※写真撮り忘れ

PCとの接続には付属のUSBケーブルではなく手持ちの高品質USBケーブルを使用している。
ELAD SPF-08(プリセレクタ)
最大8枚のフィルターボードを実装し、FDM-S2と連携して切替使用可能なプリセレクタ。
FDM-S2と全く同じサイズ(110(W) x 90(D) x 40(H) mm)で重量は297g(フィルターボードを含まず)。
ケースのデザインや材質もFDM-S2と同じ。
尚、今回購入した物にはオプションフィルタは一切実装されていない。(標準添付のパススルーボードのみ。)
MFJ-1040C(プリアンプ/プリセレクタ)を使っているので敢えて必要というわけではなかったけれど、FDM-S2/TM-2と並んでいたので一緒に保護しようかと(^^ゞ
前後パネル

横一列に並んだ8個のLEDは実装されたフィルタボードに対応し、選択位置が青色点灯する。

左から:
・アンテナからの信号入力端子(SMA)
・FDM-S2接続用のD-Sub端子(RS-232Cではない)
・受信機(FDM-S2)への信号出力端子(SMA)
オプションフィルタ
| FLP-05M-1 | Low pass 500 kHz |
| FHP-05M-1 | High pass 500 kHz |
| FHP1M7-1 | High pass 1700 kHz |
| FBP160-1 | Band pass 160m amateur radio band |
| FBP80-1 | Band pass 80m amateur radio band |
| FBP40-1 | Band pass 40m amateur radio band |
| FBP30-1 | Band pass 30m amateur radio band |
| FBP20-1 | Band pass 20m amateur radio band |
| FBP17-1 | Band pass 17m amateur radio band |
| FBP15-1 | Band pass 15m amateur radio band |
| FBP12-1 | Band pass 12m amateur radio band |
| FBPFM-1 | Band pass 75-108MHz FM broadcast band |
| FFPCB-B3 | Empty board 3-pole DIY filter board |
| FPCB-H5 | Empty board 5-pole DIY filter board |
※FPCBシリーズは自作用のブレッドボード。
構成品

付属品:
・FDM-S2との接続ケーブル① 受信信号用(両端SMA)
・FDM-S2との接続ケーブル② 制御信号用(両端D-Sub9pin)
・ゴム足×4
・マニュアル
ELAD TM-2(コンソール)
チューニングや音量調整、各種設定切替など受信ソフトウェアの様々な操作を実際のダイヤルノブやボタンスイッチで操作出来、また、搭載された液晶ディスプレイには受信周波数、信号強度、各種設定内容が表示され、まるでスタンドアローン受信機のような操作感覚になる。
マウスホイールや回転エンコーダータイプのデバイスを使うことでダイヤルノブ風の操作は出来るが、やはり実際のダイヤルとは感触が違うし、いずれもマウスカーソルなどで対象項目をアクティブにしておく必要がある。
このコンソールを使えば、他のソフトウェアがアクティブになっていても(受信ソフトウェアが他ソフトウェアウィンドウの裏に居ても)切り替える必要無くダイレクトに操作することが出来る。
操作すると受信ソフトウェアがアクティブになる。
言い換えると、何か操作すると受信ソフトウェアにフォーカスが移ってしまうため、他のソフトウェアを使いながらチューニングしたり音量を調整するのは少々不便かも。
尚、このTM-2は純正受信ソフトウェア(FDM-SW2)の他に、「Perseus V5」や「SDR-Console」でも使用出来、マニュアルに詳細な設定手順が記載されている。
前後パネル

上段左から:
・ダイヤルエンコーダー E1(クリック有り)
・ダイヤルエンコーダー E2(クリック有り)
・メインダイヤルエンコーダー(クリック無し)
下段左から:
・ボタンスイッチ F1
・ボタンスイッチ F2
・ボタンスイッチ F3
・ボタンスイッチ F4
・ボタンスイッチ F5
・ボタンスイッチ F6
中央上下のLED:
・上…TM-2使用中は緑色点灯する。
・下…メインダイアルエンコーダーのプッシュ操作で「Lock To CF」が有効だと赤色点灯する。

・PC接続用のUSB-B端子
エンコーダー/ボタンの機能割り当て
| 回転操作 | プッシュ操作 | |
| メインダイヤルエンコーダー | チューニング※ (クリック無し) | 現在の周波数をウィンドウの中央へ移動 (有効/無効トグル切替) |
| ダイヤルエンコーダー E1 | レベル調整 対象はプッシュ操作で選択 (クリック有り) | レベル調整対象選択 音量⇒スケルチ⇒NR⇒NB⇒AutoNotch |
| ダイヤルエンコーダー E2 | BPF帯域幅 (クリック有り) | ー |
| ボタンスイッチ F1 | ー | 仮想受信機切替 (RX1~RX4の内、表示帯域によって使用できる範囲) |
| ボタンスイッチ F2 | ー | AGC切替 OFF⇒SLOW⇒MEDIUM⇒FAST |
| ボタンスイッチ F3 | ー | 受信モード切替 次へ |
| ボタンスイッチ F4 | ー | 受信モード切替 前へ |
| ボタンスイッチ F5 | ー | 周波数ステップ切替 減少 |
| ボタンスイッチ F6 | ー | 周波数ステップ切替 増加 |
※受信ソフトウェアで、メインダイヤルを回した際の速さに応じて三段階(低速・標準・高速)のカウントステップを設定出来る。(低速・標準・高速の判別閾値も設定可。)
早く回すとスキップし、ゆっくり回すと微調整…という感じ。
ディスプレイ表示

バックライトのカラーは受信ソフトウェアで設定出来、R/G/Bそれぞれ256レベル(0~255)とコントラストを100レベル(1~100)調整出来る。
※【PRE】(プリアンプ)と【VFO A B】(VFO A/B切替)はFDM-S2に該当機能が無いため他機種用と思われる。
同様に【E1】の【RFG/DRV】と【E2】の【LOW/SHIFT/RIT/XIT】も選択不可。
また【RX】【TX】の位置には現物では受信信号強度値(dBm)が表示される。
VFO A/B切替については、ボタンスイッチF1による仮想受信機切替(RX1~RX4:最大数は表示帯域で変動)によりほぼ同等の操作が可能。
構成品

付属品:
・PC接続用のUSB-A⇔USB-Bケーブル
・マニュアル

※FDM-S2で用いている物と同じ製品(写真は流用)
こちらも、PCとの接続には付属のUSBケーブルではなく手持ちの高品質USBケーブルを使用している。
周辺機器
MFJ MFJ-1040C(プリセレクタ/プリアンプ/アンテナ×レシーバーセレクタ)

純正のプリセレクタ(SPF-08)を購入したものの、オプションのフィルターボードは一切実装していないため、手持ちのプリセレクタ(MFJ-1040C)を使用する。
1~54MHzに対応し、最大20dBのプリアンプ機能を持ち、アンテナ×2⇔受信機(送信時はスルー動作のため無線機にも対応)×2のクロス切替も出来るので大変重宝している。
今回は既存のIC-7200と切り替えて運用。(アンテナは303WA-2とパッシブMLA。)
もう一台欲しいけれど…既にメーカー(MFJ)自体が廃業して久しく、新品はもちろん中古も滅多に見掛けない。(eBayで稀に出品されるものの、円安の影響で相場が高く、加えて送料もかなり掛かるため高嶺の花。)
BHI NES10-2 MK4(DSPノイズキャンセリングスピーカー)

IC-7200で使っているDSPノイズキャンセリングスピーカー(NES10-2 MK4)のノイズ除去効果がかなり優秀なので、FDM-S2(PC経由)でも是非使いたい…と調べてみると円安の影響か以前購入した際に比べて大幅に値上がりしてしまい見送り。
最近はIC-7200でノイズキャンセリングスピーカーが必要になるようなシビアな受信をすることが無いのでFDM-S2に転用することにした。
IC-7200は前面にスピーカーが有り、音質的にも結構聴きやすいので通常運用なら問題無し。
早速お試し
添付のUSBメモリに収録されていた受信ソフトウェア(FDM-SW2)は古いバージョンだったので、メーカーのサイトから最新版(2025年11月時点で「3_57_FDM-SW2_Complete.zip」)を入手。
インストール手順はFDM-S2のマニュアルに記載されているが、こちらもUSBメモリ収納版は古かったため、メーカーのサイトから最新版(2025年11月時点で「ELAD FDM-S2 User Manual Rev 2.pdf」)を入手。
後はマニュアルに従って受信ソフトウェア(FDM-SW2)をインストールする。
最初に「Microsoft VC++ 2010 Runtime Libraries」や「Microsoft .NET Framework 4.0」のインストールが必要になる場合も有るが、自環境(Windows11 Pro 25H2)では特に問題無く完了した。
マニュアルに記載されている専用ドライバのインストールやアップデートも必要無かった。
FDM-SW2(受信ソフトウェア)

ひとまずセットアップが完了したので動作確認。
昼過ぎ(13時半頃)にR.Nikkei 2(6115kHz)を受信しているところ。
TM-2のダイヤルエンコーダーノブは全て金属製で、特にメインダイヤルは動きの滑らかさに加えて大径サイズ(直径Φ44mm/Φ55mm)と重さによる慣性が効いて、高速回転での早回しも低速回転での微調整も実にスムーズ。
コンソールの上向き45°の角度も程良くて、ダイヤルやボタンの操作、ディスプレイの見やすさに貢献している。
また、コンソールはスチール製のしっかりした作りでサイズは143(W)×135(D)×78(H)mm。
底面にはゴム足が有り、780gの重さもあって操作時にズレ動いてしまうことは無い。(よほど不安定な所に置かない限り。)
ふと気づいたこと。
他のDSP/SDRなどデジタル処理の受信機では、昔ながらのアナログ処理の受信機と違ってチューニングしている最中の局間ノイズが聞こえず通過する局に近づくと段々音声が明瞭になり離れると消えていくという挙動も無く、チューニング操作を止めると少し待って音が聞こえてくる感じなのが、このFDM-S2ではチューニングしている最中もノイズや局の変化が聞こえる。
単に自分が所有している製品固有の挙動や勘違いで、デジタル処理の受信機でもアナログ処理の受信機と同様かもしれないが、やはり昔ながらの方が良いな。
特にダイヤルノブを回してチューニングする際の雰囲気的にも。
写真(Leica M10-D、Ricoh GRⅢ)、アマチュア無線(JR4WDU)、デジタルガジェット、3Dプリント、ミリタリー(トイガン、小物)…などなど、興味の赴くままに広く浅く細く長く愉しんでいます。




