
ショートアンテナのため若干弱め
uConsoleの入手を思い立った最大の理由はRTL-SDR/RTC(バックアップバッテリー搭載)/USB HUBの機能を持つ拡張ボードの開発を知ったから。(その後、GPSとLoRaの機能が追加された。)
そして実際に入手へ向けて動き始めたのも、この拡張ボードの製品化確定を知ったから。
コミュニティフォーラムで市販に向けた購入希望登録の開始を知って登録したのが昨年11月、市販が決まって予約注文したのが今年4月。
⇒「uConsole RTL-SDR/LoRa/GPS/RTC/USB Hub All-In-One Extension Board」(Hacker Gadgets)
予約注文が早かったおかげで1stロットとして今月初めに出荷され、今日(2025/6/12)届いた。
2ndロットは今月末、3rdロットは来月半ばに発送される予定。
構成品

・拡張ボード
・I/Oパネル(金属製)
・SMA-J⇔U.FL/IPEX-PケーブルとSMAコネクタ用ネジセット(I/Oパネル取付用)
本ボードには三種(GPS/LoRa/RTL-SDR)のアンテナを装着出来るが、本体には(恐らく)RTL-SDR用のケーブルセットのみ付属している。
製品には、上記三種に加えてRaspberry PiのWiFiアンテナの計四種のアンテナを装着出来るマウントと、それら四種のアンテナをセットにしたオプションも用意されている。
今のところGPSとLoRaを直ぐに使う予定は無いのでボード単体で購入した。

左下にGPS/LoRa/SDR用のアンテナ端子が並ぶ。
USBは外部向けにUSB-CとUSB-Aが一つずつ、内部向けにUSB-Cが一つとピンヘッダ(2mmピッチ)接続用のパッドが一式有る。
左端にBDS+GPS用デバイス、中央辺りにはRTL-SDRを構成するRTL2832UとR860、RTC(PCF85063A)が実装されている。

左側にRTC用バックアップバッテリー(CR1220)のスロット、右側にはLoRa用デバイスが実装されている。
両端に有るそれぞれ四個の大きめなパッドはuConsoleの内蔵スピーカーとの接触接続用。
装着


RTL-SDR用のデバイス(RTL2832U、R860)は結構発熱するので、サーマルパッドを貼って背面パネルに熱伝導して放熱するようにしている。
実際に受信していると背面パネルのこの部分が結構温かくなってくる。(当然、装着前には感じなかった。)

左から、アンテナ端子(SMA-J)、Bias-Tインジケーター(SDR++等のアプリでBias-Tを有効にすると赤色点灯する)、USB-C、USB-A。
尚、I/OパネルのSMAコネクタ用開口部はSMAコネクタの空回り防止のため、コネクタのネジ部断面に合わせて「D」形になっている。
セットアップ(RTL-SDR、RTC)
前述の通りGPSとLoRaは今のところ直ぐに使う予定が無いため保留。
コミュニティフォーラムで公開されているインストールパッケージを用いると、全ての機能に対応した設定とアプリケーションのインストール/セットアップをまとめて行うことが出来る。
※現在公開されているバージョンはCM4で使う場合には一部制限が有る模様。(CM5は全て対応。)
RTL-SDR
外付けSDR(RTL-SDR BLOG V4)用にセットアップした環境(ドライバ、SDP++)がそのまま使用出来ているので、新たには特に何もしていない。
手順など参考にさせていただいたサイトを下記の記事内で紹介している。
RTC
ひとまず有効化を行った。
●有効化
/boot/config.txtに下記の二行を追記。
dtparam=i2c_arm=on dtoverlay=i2c-rtc,pcf85063a
NTPとの同期を関連付けたシステム時刻同期については、今後セットアップする。
・ネットワーク接続可でNTP利用可 ⇒ NTP時刻をRTCとシステムに反映する。
・ネットワーク接続不可もしくはNTP利用不可 ⇒ RTC時刻をシステムに反映する。
ミニ・ロッドアンテナ



AliExpressでコンパクト且つブラックカラー(最下段のみ)のミニ・ロッドアンテナを見掛けたので購入してみた。
根元で90°傾けることが出来るが、SMAコネクタに捩じ込んだ際に傾ける向きが固定されてしまう(他の同種ロッドアンテナの様に回転しない)ため、L型変換コネクタを装着している。
※上記リンク先の「ANT700」が該当商品。
SMAコネクタキャップ


小型のアンテナでも常に接続していると嵩張るし何かに引っ掛けてしまう恐れが有るため、受信時のみ接続。
アンテナ未接続で剥き出しになるSMAコネクタを保護するため、3DPで作成したキャップ(公開データ↓)を装着している。
試用


ミニ・ロッドアンテナは、サイズ感とカラーはなかなか良い感じだけれども…短いこともあって当然ながら中波~短波では厳しい。
uConsoleを素手で持つなどボディアースが効くとFM放送(ローカル)はそれなりに受信出来るが、中波は強力なローカル局であっても難しく、短波となるとほぼ受信出来ず。
外部アンテナ(ApexRadio/303WA-2)ではもちろん相応に受信出来る。
これはRTL-SDR BLOG V4での受信状況と近い印象。
試しにアマチュア無線用のミニアンテナ(144/430MHz帯用、インピーダンス50Ω、全長7cm)でFM放送を受信してみたところ、ミニ・ロッドアンテナよりは良好だった。
#アンテナ端子が50Ωなので、Hi-Z変換すればロッドアンテナでの受信状況を改善出来るかも。
SDR++のみ実行して受信中のuConsole(Raspberry Pi CM4)のCPU温度は50℃前後(室温25℃)/CPU使用率は60%前後で、こちらも外付けのRTL-SDR BLOG V4使用時とほぼ同等。
ちなみに、上記はUSB-C経由で外部給電しながら使用した際の結果であり、内蔵バッテリーのみで使用した際にはCPU温度は40℃前後(室温25℃)/CPU使用率は30%前後にそれぞれ下がった。
外部給電では内蔵バッテリーへの充電も行われるため内部の発熱量が上がり、それに伴ってCPU温度も上がるのは想定出来る。
CPU使用率が内蔵バッテリーで使用した際に下がるのは省電力モード的なものが機能しているのだろうか?
特に意識して省電力モードを設定した記憶は無いけれども。