ミニ安定化電源購入 … ALIENTEK DP100

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電子小物作成の際、パーツ/モジュール個々の通電確認など今までは必要電圧に応じた個数の電池を使ったり、出力を切り替えられるAC/DCアダプタを使っていたが、前者は電池ボックスの接続・後者はDC入力用コネクタの接続が必要になり少々手間だった。
また、電池の場合は基本的に1.5Vの倍数に限定されるし9Vを超えると接続個数が増える、AC/DCアダプタの場合はちょうど合う電圧じゃないと使えない。(いずれもUSBを想定した3.3Vや5Vがそのままでは出せない。)
出力(電圧、電流)を可変出来る安定化電源が欲しいところ。

一応、無線機関連用の安定化電源なら使用していない物が幾つか有るものの、いずれも出力電圧が13.8Vから±数Vの範囲でしか変えられず、用途に合わない。
電子工作用なので出力の上限は12V/3Aも有れば十分、その分サイズはコンパクトな方が望ましい。

調べてみると、電子工作界隈で評判の良いコンパクトな安定化電源「ALIENTEK DP100」を知り、公式オンラインショップ(AliExpress内)で一人一台のキャンペーン特価(国内販売価格の最安値より二割程度安く、送料無料)になっていたので早速購入した。

※一度購入するとキャンペーン特価のページにはアクセス出来ないらしく、自分の環境では上記は通常価格ページ。

仕様などの詳細は国内ショップ(SWITCH SCIENCE)の製品紹介ページが詳しい。
※ファームウェアやPC用アプリのダウンロード先、有志による日本語マニュアルページへのリンクも有り。
尚、公式ショップでの通常価格やAliExpress内の他ショップの販売価格は上記ショップの販売価格(たぶん最安値)よりも高いため、今回のような特価でなければ納期の早さや安心感の面からも国内購入をお勧めしたい。
(補足:公式ショップからの購入はWeb注文から4日ほどで届き、大変しっかりした梱包だった。)

開封

この上からエアキャップで覆われ、更にしっかりしたダンボール箱に入って配送された。
構成品は収納ケース、取扱説明書、本体、ケーブルマーカー、給電ケーブル(バナナプラグ⇔ワニ口クリップ)、PC接続用ケーブル(USB-A⇔USB-A)、AC/DCアダプタ用変換ケーブル(USB-C⇔DCジャック)
付属の収納ケース…しっかりした作りでメーカーロゴバッジとジッパー部分の差し色(赤色)がお洒落。
(ALIENTEK…エイリアン・テック…異星人の技術か?)
写真では分かり難いが、後ろ側に取り外し不可のハンドストラップが有る。
収納ケースの内部…蓋裏のポケットはジッパーで開閉出来、ケーブル類の収納に便利なマチ付き。
手前の収納部は本体サイズよりもかなり大きめで、USB充電器や給電用ケーブルも合わせて収納出来る。
給電ケーブル(バナナプラグ⇔ワニ口クリップ)は、バナナプラグが金メッキ・ワニ口クリップが銅メッキされていて、ケーブルも靭やかで結構良い作り。
AC/DCアダプタから給電する場合は、付属の変換ケーブル(USB-C⇔DCジャック)を使用する。
DCジャックは一般的なΦ5.5×Φ2.1mm/センタープラス。
DP100の最大出力で使用する場合は32V/5AのAC/DCアダプタが必要。

給電用USB充電器とUSB-Cケーブル

USB-PD充電器(65W出力)とUSB-Cケーブル(100W対応、1.5m長)。
USB-CケーブルはUSB 4/20Gbps対応で給電専用にはオーバースペックだけど、ちょうど余っていたので…。
USB充電器とケーブルもケースに収納出来るので使い勝手が良い。

給電用のUSB-PD充電器とUSB-Cケーブルは手持ち品を使用。
DP100は入力された電圧・電流以上の出力は出来ないため、USB-PD充電器(65W)では最大出力20V/3.25A。
それ以上(仕様上の最大出力は32V/5A)出力したい場合は、AC/DCアダプタで給電する必要がある。

外観

サイズは100.4×62.2×17.2mm/約95g…外付けHDD/SSDや小型モバイルバッテリーくらいでコンパクト。
操作パネルが斜めになっているので、机上に置いて使う際に表示が見易く・操作もし易い。
前面:情報表示用OLEDスクリーン(0.96インチ、IPS 160×80)、操作用ボタン×3、操作用ホイール
非常にシンプルで最初は戸惑うものの、少し使えば直ぐに慣れる。
左側面:出力用電源端子 ※バナナプラグやY/U端子、リード線の直結に対応。
右側面:PC接続用のUSB-A端子、給電用のUSB-C端子
USB-A端子からPCに接続してファームウェアのアップデートやアプリによるリモート操作が出来る。
また、USB-A端子に接続したマウス(ワイヤレス可)で操作することも可能。

後面と底面には何もなし。(底面にはゴム足が四隅に貼られている。)

試用

3つのボタンとホイールで各種操作を行う。
日本語の説明書は無く初見では少々戸惑ったものの、有志作成の日本語マニュアルを参照しながら使っている内に慣れることが出来た。
作成された方に心から感謝したい。

先日購入したデジタル温度計の通電確認…入力電圧4~28V対応なのでUSB給電を想定して5V出力。
設定出力の電圧値/電流値(左側の白色数字)と実際に出力されている電圧値/電流値/電力値(右側の多色数字)が表示される。
白色数字の一番上(上の画像では20.00V)は入力されている電圧値で、USB-PD充電器の場合は入力上限値の変更が可能。
出力電圧は入力電圧以下。
出力が有効になっている場合は出力端子の周囲が青色(マイナス側)/赤色(プラス側)点灯して通知する。
DP100の電源がOFFで外部から給電されている場合はマイナス側端子の周囲が青色点灯する。
尚、DP100の電源がONで出力が無効の場合は両端子とも点灯しない。
外部給電されていることの通知だろうか。(電源がONの時はOLEDが表示するので分かる。)

モバイルバッテリー給電

モバイルバッテリーで使用。
モバイルバッテリー使用時の入力電圧は約12V。

小出力のモバイルバッテリーでも最大で12V /2.5Aの出力なので小物作成時には必要十分。
ACコンセントが無い場所でもこの最大値までの任意の電圧/電流出力が利用出来るのは非常に便利だと思う。

マウス操作

マウス付属ドングルを使うタイプのワイヤレスマウスを接続

側面のUSB-A端子にマウス(有線タイプの他にマウス付属ドングルを使う無線タイプも可、Bluetoothタイプは未確認)を接続して操作することも可能。 ※事前にDP-100をUSB-Hostモードに設定する。
マウスの左/中/右ボタンとホイールがそれぞれDP100の◀/■/▶ボタンとホイールに対応している。
実際に試してみて…自分的にはDP100本体のボタン/ホイールの方が操作し易いかな。

PCアプリ

基本機能(Basic Function)
出力電圧/電流などの各パラメーターは各設定欄にマウスカーソルを合わせるとホイールで増減出来る。
拡張機能(Advanced Function)
最大200パターンのプリセット値を設定出来る。

DP100のステータスや各種状態表示、電圧/電流の基本設定、出力電圧/電流の設定、プリセットパターンの設定などほぼ全ての操作が網羅されている。
DP100のファームウェアとソフトウェア(本アプリ)のアップデートにも対応。