KiwiSDR用に過入力保護回路を作成

【この記事の所要時間: 42秒】
まるで小さな管球式ヘッドホンアンプのような外観

自宅(屋外)に設置しているアマチュア無線用アンテナと、室内に設置している受信用アンテナ(AOR LA400、YouLoop)との距離は概ね3mほどで、間に建物の壁が有るとしてもかなり近い。

ふと気になったのが送信電波の回り込み。
一応、運用中には使用中のIC-705を除いてほぼ全ての受信機器とアクティブアンテナ(LA400)の電源をOFFにしているが、唯一例外が先日現役復帰したKiwiSDR…YouLoop(こちらはパッシブアンテナ)を接続して常時受信状態になっている。
しかも送信は短波帯、KiwiSDRで受信しているのも短波帯。
果たして大丈夫だろうか?

ということをTwitterで呟いたところ、KiwiSDR 2(後継モデル)で回り込みによる故障事例が有ったことと、その件に関して対策などがディスカッションされていると教えていただいた。
⇒『Please protect your KiwiSDR 2 from the high-level RF fields of nearby transmitters』(KiwiSDR Discussions)

自分の場合、送信出力は最大でも50W…とはいえ、以前回り込みと思われる要因でIC-705のTUNER制御用スイッチングデバイスの破損と修理を経験しているため、大丈夫とは言い切れない。

過入力保護回路作成

先のディスカッションの中に、アンテナと受信機の間に接続してアンテナからの過入力から受信機を保護する回路が紹介されていた
また、同じ回路を基に作成し詳しく解説されているブログ記事を見つけた。
⇒『受信機過入力保護回路』(JG1VGX 福田さん)

回路は簡単、ほぼ手持ちの部材で揃いそうなので早速作成してみた。
(流石に豆電球と豆電球ソケットは手持ちに無かったため、他に補充する部材と併せて購入。)

過入力保護回路
過入力保護回路

動作原理について前述のブログ記事から引用させていただいた。

逆方向接続された1N4148の順方向電圧(約0.7V≒S9+83dB)以上のRF信号をClipする

受信機過入力保護回路』(JG1VGX 福田さん)

尚、一際目立つ豆電球(6.3V / 150mA)はヒューズとして働くが、点灯する時点でかなりの過入力だそうな。

過剰なRF信号をClipするということで、名称は「RF clipper」にした。

導入

アンテナとKiwiSDRへの間に接続

YouLoop(アンテナ)⇒コモンモードフィルタ⇒【RF Clipper】⇒ガルバニックアイソレーター⇒KiwiSDR

実際に接続前・後で比較してみて、入力信号の低下やノイズの増加などは特に無し(耳で聞いた感じや、ウォーターフォール/スペクトラム表示で確認)。

バリ取り工具新調

アルミケースにドリルで穴開けをすると裏側にバリ(カエリ)が出る。
平ヤスリが使えるような位置と大きさなら除去する手間はそう掛からないけれど、奥まっていたり開口部が一面のみでヤスリが使い難いとか大きなバリだと結構手間が掛かる。
先日作成した「BELKA-DX-MAX用の変換アダプタ」では平ヤスリが使えずリューターで削った。

バリ(カエリ)取り工具
刃先部分

こうしたバリ(カエリ)を取る専用工具が有ることを知った。
ドリル穴の場合は、先のS字状になった部分を穴に差し込んで、バリに刃先を当てて軽く回すように開口部に沿って動かしていく。
そう高価な物では無く、ドリル穴以外のバリを取ったり、エッジの鋭い部分を滑らかにすることも出来るので、ちょうど良い機会なので購入。

バリ(カエリ)除去前
バリ(カエリ)除去後

結構慣れが必要とのことだけど良い練習台が無かったためぶっつけ本番でトライ。
左側の大きな穴と右側(左右側面)の三個並んだ真ん中の穴で使用。(三個並んだ左右の穴は工具が通らないため平ヤスリを使用。)
初めてにしてはまぁまぁかな。
この位置とサイズなら平ヤスリで十分とはいえ、ヤスリのような細かい削り粉と違って掃除し易いのはメリットかも。