固定運用無線機と外部電源新調 … IC-7300、DM-330MV

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さすがにQRP機(FT-818ND…最大出力6W)と屋内ホイップアンテナ(RHM8B…集合住宅室内設置)では期待するほうが無理というもの。
実運用を再開して以来、FT8での交信数は僅か2局(途中立ち消えを含めても3局)、送受信ともにシグナルレベルはかなり低く、殆ど相手局の能力に助けられたと言っても良いだろう。 ((まぁ、それほどアクティブでは無いことも伸び悩みの理由かも…CQに
2回ほど応答してダメなら即諦めるし、自分がCQを出す際も2〜3回繰り返したら止めている。))

 

 

アンテナのグレードアップ

先の記事にも書いたが、自宅(集合住宅)の管理規約がかなり厳しく(BS/CSアンテナの設置も不可)、現状では大したグレードアップ(大型や長いアンテナへの変更)は望めない。
試しに管理規約の範囲内でRHM8Bを仮置きしたこともあったが、上下左右と背面を深く壁に囲まれた状態では、室内(窓際)に置いた場合と送受ともに大差無く、結局室内設置に戻した。
RHM8Bが防水ではなく、周波数帯域の手動設定が必要なため屋外常置向きではないこともあるが。

下記の内容で管理組合にベランダへのアンテナ設置許可を諮ろうと考えている。

  • 手摺を含めて構造物には一切固定しない。 
  • 使用時のみ手摺を越えて突き出すが細い棒状で長さは2m程。 
  • 避難の邪魔にならないよう普段は隅に片づける。

もしかすると藪蛇になるかもしれないけれど、筋は通しておきたい。

まずは、今室内に仮置きしているRHM8Bを使用時のみベランダに置いて使い(前回よりも設置場所や向き、角度などを試行錯誤してみるつもり)、許可が下りれば、ATUエレメントとATUの組み合わせを考えている。

また、ベランダの隅で上下(ベランダの天井と床の間)に通っている雨水排水管と壁固定器具がともに樹脂製なので、これを使ったロングワイヤー風アンテナを試してみるのも面白そうだ。
具体的には、排水管と反対側の隅(ベランダ)から排水管最上部に向けてワイヤーを張り、そこから排水管に巻き付けながら下におろしてATUに接続する。
これなら傍目には物干し紐に見えるし、構造物への固定についても許される範囲内だと思う。 ((物干し紐や物干し竿の固定と同じ。))
天井の真下に当たり、排水管もベランダの窓寄りのため、性能はあまり期待出来ないかもしれないが…ATUはいずれ必要になるし、ワイヤー分の投資は殆ど気にならない。
少なくとも今の室内設置よりは良いだろう(期待)…まずは試してみよう。

尚、アースはカウンターポイズをメインにして状況によっては人工RFグラウンドを併用する予定。

 

 

無線機のグレードアップ

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やはり出力アップは必須。
デジタルモードはQRP向け…再開する前に情報収集した際によく見かけた言葉だけど、実際にはやはりそれなりの出力が無ければ難しい。
特にアンテナがプアなので或る程度は出力で補うしか…本末転倒だという自覚はある。

グレードアップを考え始めて、候補はすぐに決まった。
iCOMのIC-7300とYAESUのFT-991A
どちらも機能・サイズ・デザイン・価格帯がかなり近くて結構悩んだが、メーカーやショップの商品説明・ユーザーインプレ・比較記事などを参考に、IC-7300に決定。
選んだ理由はいろいろあるが、スコープ表示の優秀さとリモート操作のし易さが決め手かな。
尚、144/430には対応していないが、このバンドに自宅から出る予定は無いし、もし出たくなったらFT-818NDが有るので問題無し。
むしろ144/430が無い分、HFに注力していると感じられるし。 ((比較記事でも、HF主体ならIC-7300というものが多かった。))

IC-7300は(FT-991Aも)、最近の無線機らしくPCとUSBケーブル一本で接続出来る。
また、アンテナチューナーが内蔵されているので、現在の構成に比べて配線がシンプルになる。
FT-818NDではSCU-17(USBインタフェース)やZ-817(アンテナチューナー)が繋がり雁字搦めの有り様で、これではたとえ移動運用しようと思ってもなかなか持ち出す気にならず。
固定機を新調することでFT-818NDを本来の移動機として活用出来るだろう。(期待)

外部電源が必要なため、一緒にALINCOのDM-330MVを購入した。
小型軽量ながら連続30A(最大32A)の余裕ある出力で、ユーザーインプレによるとノイズ(音と電磁いずれも)が少ないと高評価だ。

 

 

設置

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まずは全ての配線を外して、全ての機器を撤去して、一から配置し直し。
FT-818NDでさえ手狭な所に何倍もの大きさをもつIC-7300が鎮座するわけなので、もはやパズルみたいなもの。

救いは、上でも書いたが、IC-7300はアンテナチューナー内蔵だしPCとUSBケーブル一本で接続出来るから、同様の構成のFT-818NDに比べて配線が大幅に簡素化出来ること。
また、これまで固定機仕様で使ってきたFT-818NDが移動用としてフリーになるため、SCU-17(USBインタフェース)とZ-817(アンテナチューナー)は常時接続する必要が無く、とりあえず仕舞っておくことにした。

そして配置完了。
予想通り、IC-7300の置き方に悩んだ。
後部に突き出す配線(アンテナ、電源、USB)で想定以上に奥行が伸びてしまい、結局、斜めに向けて奥行を稼ぐことに。
更にアンテナケーブルはL型中継プラグを介して上方から接続するようにして、僅かでも奥行を減らすようにしている。

 

 

セットアップ

早速、デジタルモード(FT-8)運用に向けてセットアップ。
iCOMの無線機は初めて使うので、先達の方々が公開して下さっている解説を頼りに設定。
大変詳しく判りやすい解説と、IC-7300の情報表示とタッチパネルによる操作のおかげで、特に悩むことなく設定出来た。

PC側はUSBドライバーの入れ直し(FT-818NDの際にインストールしたドライバーを削除後、IC-7300のドライバーをインストール)と、WSJT-Xの設定変更だが、こちらも先達の方々による解説のおかげで滞りなく出来、室内仮設置のRHM8Bで早速受信⇒デコード成功。
送信については、増設申請自体がまだこれからなので保留。 ((その後にデジタルモードの追加変更が必要…早く包括免許制にならないかなぁ…。))

ここで、FT-818NDでは使用をやめていたUSBデバイスサーバ(RaspberryPiで運用)を試してみることにした。
FT-818NDではアンテナチューニングや送信時の回り込みと思われる原因で、SCU-17からのUSB接続のうち音声系のみ繋がらなくなる…という現象が頻発していた。
RaspberryPiの置き場所を変えたり、各所にパッチンコアを追加しても改善しなかったため、結局、SCU-17とPCを直接USBケーブルで繋ぐことにしたが、この「紐付き」はかなり不便。
なので早くワイヤレス接続に戻したかった。

IC-7300とGPSレシーバーをUSBデバイスサーバに繋ぎ直し、RaspberryPiを起動。
PC側で両者の接続を確認。
とりあえずWSJT-Xでの受信は有線接続と変わりなく安定している。
送信時の挙動については…増設申請とデジタルモード追加が完了するまでお預け。

 

 

そして自由の身になったFT-818ND

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付属のホイップアンテナを装着して、とりあえずはFMラジオとして活躍中。
持ち出す時は(このアンテナと)背面に繋がっているDCコネクタを外すだけでOK…随分身軽になった。
ちなみに、左右に装着している保護フレームのハンドル部分(前方)は、ボタンやツマミを操作する際の良い手掛かり(指掛かり)になっている。