[IC-705][M5Stack] IC705MultiMeter導入

【この記事の所要時間: 342秒】

IC-705は様々な情報を組み合わせて表示することが出来るが、自分は放送受信が多いので、冒頭に掲載した写真の通りスペクトラムスコープ表示を常用している。
ただ、FT8運用の際にはALCやSWRの表示が欲しい、モバイル運用(バッテリー運用)を想定するとVd表示も有ると便利だろう。
こういうスタイルを常用しているのは自分だけではないようで、IC-705本体がスペクトラム表示主体の際に、M5Stackを使って追加情報を表示するツール(アプリ)「IC705MultiMeter」を開発・公開している方が居たので、早速導入させていただいた。

購入品

購入品一式

IC705MultiMeterは、M5Stackという小型TFTディスプレイや各種センサー、I/F、通信ポート、Wi-Fi/Bluetooth、microSD(TF)カードスロット、他を搭載したマイコンモジュール上で動作する。
本体とバッテリーモジュール、スタンドベース、液晶保護シートを購入した。
M5Stackには様々な拡張モジュール(センサーやアクチュエーター)があってどれも興味深い。
いずれ、他にも活用を考えてみよう。

M5Stack Basic(V2.6)

M5Stack Basicと付属品一式
裏蓋(ボトムカバー)を開けた様子

拡張モジュールは写真内左端に見えているコネクタを介して接続し、本体とボトムカバーの間に挟み込む構造になる。(モジュールによっては複数を組み合わせて装着出来る。)

バッテリーモジュール

M5Stackにはバッテリーが搭載されていないため、後付のバッテリーモジュールを購入。
容量は750mAh。

M5Stack本体に装着。
本体の黒色とバッテリーモジュールの赤色が良い感じ。

スタンディングベース

M5Stackをやや上向きにして置くために購入。
背面に充電/通信用のUSB-Cポート有り、また、湿度温度センサが搭載されていて本体と合わせて温湿度計を作ることも出来る。

拡張モジュール(今回はバッテリーモジュール)を装着した状態では、付属のネジ(銀色)は短くて締まらないため、手持ちのネジ(黒色)に交換。
実は少し長すぎたので、実際に締める際にはナイロンワッシャーを挟んでいる。

組立完了、起動チェックもOK。
スタンディングベースも黒色だったら良かったかも。

セットアップ開始

開発環境

MacBookPro/13を使いたかったけれど、macOS12.3はM5Stack/M5StickCとの相性が悪いらしく、不安定・接続が認識できない・プロジェクトをアップロード出来ない…などの報告もあるため却下。
ラズパイはそのまま使えるパッケージが無く、ソースファイルからのビルドが必要ということで敷居が高い。
というわけで、GPD P2 Max(Windows10)を使用。
速いしコンパクトで文句無しなんだけど…小さい画面(8.9インチ)で高解像度(2560×1600)は目に余り優しくないかも。
ちなみに、GPD P2 Maxのキーボードは配列の癖が少々強いのとキートップの皮脂付着が目立つため、外付けキーボード(折り畳み、Bluetooth)を使用している。

必要なツールは「VisualStudio Code」と「PlateformIO for VSCode」。
それぞれのインストールとセットアップについては、IC705MultiMeterの公開ページ(GitHub)で詳しく解説されている手順に従って行った。

入手したプロジェクトを必要に応じて修正し、コンパイルとフラッシュ(M5Stackへのアップロード)を行う。
コンパイルでは特に躓くことも無くすんなり完了したが、フラッシュではM5Stackが認識されないというトラブルがあり少々手間取った。
結局、USB-Cコネクタの裏表を逆にすることで解決したが…USB-Cコネクタはこのトラブルが結構多い気がする。

早速試用

AFN受信中
AFN受信中

スペクトラムスコープ表示をメインにした場合に追加で欲しい情報表示を見事に補ってくれる。
変更に対する追従にはややラグが感じられるものの、実用上は問題無い。