tinySA ULTRA 導入

【この記事の所要時間: 545秒】

NanoVNAに続いて数年前から話題になっているコンパクトなスペクトラム・アナライザ tinySA …その上位モデル tinySA ULTRAを購入した。
ULTRAは未だ国内販売されていないため海外通販…購入先は公式サイト内でも推奨されている「Zeenko store on AliExpress」。
ULTRAのBad Cloneが出回っているという話は未だ見聞きしないけど念の為にね。
発注は1/3…その時点での配送予定日は1/21だったが、一日前倒しで一昨日(1/20)届いた。

tinySA ULTRA

開封

化粧箱

エアキャップで何重にも包まれ、更にクッション封筒に収められていて、化粧箱の傷みは皆無。
なかなか高級感がある。

構成品

tinySA ULTRA本体の他に:
・接続ケーブル(SMA-P⇔SMA-P)×2本
・USBケーブル(USB-A⇔USB-C)
・中継コネクタ(SMA-J⇔SMA-J)
・ロッドアンテナ(SMA-P、短縮時10cm/伸張時30cm)
・ピック状スタイラス付きストラップ(丸ゴム紐製)

ファームウェアアップデート

FWアップデート適用後(v1.4-31⇒v1.4-40)

Bad Cloneはセルフテストの特定項目がNGになるため、テストを回避してOKを見せるように改竄された偽ファームウェアが搭載されており、正規のファームウェアに入れ替えてテストすることで判定できるという。
尚、公式サイトには「デバイスが正常に機能しているのであれば、ファームウェアをアップデートする必要は無い」と記されているものの、入手したULTRAの搭載バージョンから短期間の間にリビジョンが結構上がっていたので(v1.4-31⇒v1.4-40)、アップデートすることにした。

最初、公式サイトに記されている「bin ファイルと dfu-utilを使う」手順を選択したが、ULTRAをUSB接続してDFUモードにしてもPC(GPD P2 Max Windows10)から全く認識されず先に進めない。
USBケーブルを換えてみたものの改善せず。
PCから認識されないのであれば「bin ファイルと STM32CubeProgrammerを使う」手順も同様に不可。
何か解決策や他の手段は無いものか…とネットで調べてみると、「tinySA-App」(公式サイト内でも紹介有り)というPCコントロールアプリを使う方法が見つかった。
⇒『tinySA Firmware Update(v1.1-32-g3c79a47)』(JH1LHVの雑記帳)

アプリは単独起動出来るのでインストール不要、ファームウェアアップデートの手順も簡単…ということで早速試してみたところ、呆気無く完了。
無事アップデート出来た。

※手順:
 ①DFUモードにしたtinySA ULTRAをPCをへUSB接続する。
 ②tinySA-APPを起動し、①で接続したCOMポートを選択する。
 ③ウィンドウ上部のメニューバー中程にある【▼▼】をクリックする。
 ④サブウィンドウ内左寄り中程にあるフォルダアイコンをクリックしてファームウェアファイルを選択する。
 ⑤tinySA ULTRAへの転送とアップデートが自動実行される。
 ⑥正常終了したらメッセージに従ってtinySA ULTRAの接続を解除する。

※注意点:
 ・tinySA ULTRAのDFUモードへの移行は、ジョグダイヤルを押しながら電源をONにする。
  この際、画面は何も表示されず真っ暗なままで、電源LEDは赤色点灯する。
 ・拡張子が「dfu」のファームウェアファイルを使用する。

セルフテストとレベルキャリブレーション

セルフテスト完了

ファームウェアアップデート後のセルフテストは全項目問題無し。
当然だけど、不自然にスキップ(何かやっているようなフシが無く「Pass」だけ表示)するなんてことも無し。

キャリブレーション完了

詳細は未だ良く判っていないけれど、とりあえず問題無く完了。

液晶保護フィルム貼り付け

エレコムの4.5インチ用液晶保護フィルム

専用の保護フィルムは無いので(ノーマルモデルの方は既に専用品が国内販売されている)、近いサイズの汎用品を流用。
ULTRAの仕様では画面サイズは4.0インチとのことなので、手持ちの4.0インチ用保護フィルムが使えるかと思ったら、短辺側が明らかに短くて使えなかった。
実際に測ってみると、ケースの開口部サイズで短辺側を合わせると4.3インチ用が合いそうだけど、未だ微妙に短い。
ケースを開けて液晶ディスプレイで直接測ってみたところ、短辺側は4.5インチ用がちょうど同じサイズで、長辺側は1cm切り詰めるとジャストサイズになる。

ケースを開けた状態

四隅のネジを抜けば簡単に三枚おろし(前面ケース、基板、後面ケース&バッテリー)に出来る。
上の写真で基板を裏返せば液晶ディスプレイが露出するので、保護フィルムを貼り付ける。
ケースを付けたまま貼り付けるのに比べて遥かに容易。

貼り付け完了

数多くの機器の保護フィルムを貼ってきたけれど、その中でも上位に来るほど綺麗に貼れた(自画自賛)。

収納ケース

収納ケース

ULTRA本体と各種付属品をまとめて収納出来るケース。
以前、HiGOLE GOLE1 Pro用に購入した任天堂DS LL用ケースの使い勝手がなかなか良く、ULTRAのサイズや付属品も無理なく収められたので、同じ物の色違い(ファスナー部分)を購入した。

内部ポケットにULTRAを収納

このケースには取り外し可能な内部ポケットが有る。
GOLE1 Proはやや大きくてこのポケットは使わずスポンジでスペーサーを作成したが、ULTRAはちょうど良い感じに収納出来る。

カートリッジポケット

ゲームカートリッジ用のポケットはアッテネーターや変換/中継コネクタを収めるのにちょうど良い。

ポケット

蓋側のポケットはマチが有るので、ケーブルやアンテナなどやや嵩張る物を収納出来る。

元が技術屋(ハードウェア設計・開発)なので、測定器には特に興味がある。
信号という見えないものを見る面白さを体験出来るのが測定器というツール。
もっとも専門はデジタル伝送とプロセッサ系で高周波の経験は余り無いけれども。

さて、コイツは何に使おうか。(本末転倒)