IC-705 … ワイヤレスでFT8(RS-BA1、WSJT-X)

【この記事の所要時間: 63秒】

IC-7300は無線用PC(サーバ)を接続することでPCからワイヤレスでFT8運用(WSJT-X)を行っている。
先日新調したIC-705にはWi-Fiとホスト機能が搭載されているので、より手軽にワイヤレス運用が出来るのではないか!?…と大変期待していた。

IC-705とGPD P2 Maxでワイヤレス操作中

リモートコントロール(RS-BA1)

IC-705が届いて、まずはリモートアクセスソフト(RS-BA1)を使ってWI-Fi接続で使ってみようと早速トライ。

まずは接続形態を選択

左上の【クライアントのセットアップ】を選択。
予めIC-705でWi-Fi接続設定をしておき、その設定情報を用いる。

Remote Utilityの画面

セットアップを完了し、Remote Utilityを起動する。
仮想シリアルポート(この場合はCOM1)とオーディオが設定される。
この情報をクライアントアプリ(Remote Control)とWSJT-Xで使用する。
このRemote Utilityを起動した時点でIC-705からの音声をPCで聴くことが出来るので、単にBGMとして使うのであればRemote Controlを使わなくてもいい。

Remote Controlの接続設定

クライアントアプリ(Remote Control)の接続には、Remote Utilityのシリアルポート情報を設定する。
モデル一覧には未だIC-705が無いためIC-7300(Ver.1.20 – )にしておく。
50MHzバンド以上(正確には74MHz以上)が受信出来ないが、ひとまず中波放送が聴けるので良し。

Remote Controlの画面

メインダイヤルや各種ツマミは、マウスカーソルを当てて左右ボタンをクリックすることで回転(左クリック:反時計周り/右クリック:時計回り)することが出来る。
もう少し横幅にしてツマミやボタンの配置を見直して縦を短くしてくれれば、GPD MicroPCでも使えるのに…残念。
尚、【Scope】はWi-Fi接続では使用できない。(USB接続を要求される。)

2020/7/17に公開されたVersion 2.20でIC-705に対応。
また、以前はUSB接続にしか対応していなかった【Scope】(スペクトラムスコープ表示)が、Wi-Fi(WLAN)接続でも使用できるようになった。

Remote Controlの接続設定でモデル一覧にIC-705が追加された。
Wi-Fi接続時でもスペクトラムスコープの表示が可能になった。

ワイヤレスFT8運用(WSJT-X、他)

まずはUSB接続で動作確認

いよいよFT8運用環境のセットアップ。
RS-BA1のRemote Utilityで設定された仮想COMポートを使えば良いだろう…と安易に考えていたが、COMポートは認識されるもののWSJT-Xから無線機の制御が出来ない。
受信信号のデコードは問題なく出来る。

そんな話をツイッターで呟いたところ、CI-Vのアドレスを見直してみてはどうか?というアドバイスと、USB接続での設定(ブログ記事)を紹介して頂いた。

⇒【IC-705とWSJT-XでFT-8】(JN4JXLの業務日誌さん)

Wi-Fi接続はちょっと保留にして、まずは基本のUSB接続で始めてみよう…と記事を参照に設定したところ、実にアッサリとWSJT-XからIC-705の制御に成功♪(多謝!)

IC-705のCI-Vアドレスを変更

【MENU】⇒【SET】⇒【外部端子】⇒【CI-V】⇒【CI-Vアドレス】
初期設定の「A4h」から「A2h」へ変更する。

WSJT-Xの無線機設定

最新版(2.2.2)のWSJT-Xでも未だIC-705が機種一覧に無いためIC-9700を選択する。
USB接続では仮想COMポートが2つ生成されるが、若番号(例えばCOM1とCOM2ならCOM1)の方をシリアルポートで選択する。
尚、IC-705で「GPSの位置情報をUSB(B)に出力する」ように設定しておくと、PCの時刻補正アプリでUSB接続GPSレシーバーと同様に使用出来る。

WSJT-Xのオーディオ設定

オーディオ設定はデフォルトのまま。

受信(デコード)状況

今朝7時46分(表示はGMT)に室内置きのマグネティックループアンテナ(MK-5212)で受信した状況。
音声入力レベルがやや高めだけど問題無さそう。

続いていよいよWi-Fi(WLAN)接続

USB接続での動作を確認したら引き続きWi-Fi接続での設定…シリアルポートと変調入力を変更する。
シリアルポートはRemote Utility(当然、WSJT-Xより先に起動し、IC-705と接続しておく)の仮想シリアルポート設定に合わせる。
仮想COMポートは一つだけなので迷わないはず。

次に変調入力の設定。
IC-705のMENUから【SET】⇒【外部端子】⇒【変調入力】に進む。
【変調入力(DATA OFF)】と【変調入力(DATA ON)】をそれぞれWLANに設定する。
【WLAN変調入力レベル】はとりあえずデフォルト(50%)のまま。

RS-BA1の接続設定

改めてRS-BA1のRemote Utilityでオーディオ設定を確認する。
受信(IC-705⇒PC)側はUSB接続時と同じだが、送信(PC⇒IC-705)側が変更が必要になる。
この画面では【変調音】の設定を変更する。

Remote Utilityの変調音設定

音声入力選択で仮想オーディオ(ICOM_VAUDIO-1)を選択する。
末尾の数字は環境(仮想COMポート)によって異なっているかもしれない。

WSJT-Xのオーディオ設定

サウンドカードの音声出力をRemote Utilityの音声入力に合わせる。

これで送信もOK。
音声入出力レベルは各々適宜調整する。

その他いろいろ

その他関連するアプリ(JTAlert、JT_Linker、Hamlog)のセットアップも一通り完了して、一応運用出来る環境は整った。

GPS

USB接続であればIC-705に内蔵されているGPSを用いてPCの時刻補正を行えるが、Wi-Fi接続では今のところ未だ成功していない。
外付けのGPSレシーバーを使えば良いので特に制約にはならないかな。

IC-705のMENUから【SET】⇒【外部端子】⇒【USB(B)端子機能】に進む。
【GPS出力】をONに設定する。

PC側のGPS時刻補正アプリ(例、NMEATime2)で該当のCOMポートを選択すれば使用出来る。