[RASPBERRY PI] ラズパイとIC-705/IC-7300でFT8運用環境(JTDX)

【この記事の所要時間: 357秒】

先日作製したRaspberry Pi(以下、ラズパイと略)四号機を使ってFT8運用環境を構築した。

以前、同じくラズパイ(RasPad 3.0)を使ってIC-705向けに環境構築したが交信は未確認だったので、今回は実際に交信して運用状況を確認。

RasPad 3.0に比べて大幅にコンパクト化して持ち回りが容易になったので、IC-7300とも組み合わせて使えるように設定を確認し、そちらでも実交信で確認。

JTDXの設定(無線機、オーディオ)

とりあえず送受信に最低限必要となる項目(無線機、オーディオ)を設定。

IC-705

無線機設定
オーディオ設定

IC-7300

無線機設定 ※ストップビットが「1」になっているが「デフォルト」でも変わり無し
オーディオ設定 ※IC-705と同じ

IC-705/IC-7300ともにラズパイの同じUSBポートに接続しているが、無線機設定のCATコントロールとPTT方法のポートが異なっている。
オーディオ設定のサウンドカード入力/出力は両機種で同じだが、RasPad 3.0で構築した環境とはIC-705の設定が異なっている。(同じにするとオーディオ入出力エラーになる。)
謎(^^ゞ

お試し運用

屋外での運用を想定して構成したのが冒頭の写真。
IC-705、ラズパイ、mAT-705(オートアンテナチューナー)、iPad mini 5、iPhone 8の全てがバッテリー運用。
また、ラズパイは【クライアント】としてiPhone 8のインターネット共有でインターネットアクセス(eQSL.ccへの自動アップロード、PSKreporterへの自動報告)すると同時に【AP】としてiPad mini 5からVNC接続してJTDXを操作している。

ラズパイ(下)とmAT-705(上)
iPhone 8(インターネット共有でラズパイからインターネットアクセス)
iPad mini 5(ラズパイにVNC接続してJTDXを操作)
Alexloopアンテナ(屋内の窓からちょっと離れた所に設置)

IC-705とIC-7300を合わせて20局程と交信(全てCQ発出)させていただいた。
もちろん出力が大きく(50W)、小規模ながら屋外アンテナを繋いでいるIC-7300の方が応答率は高かったが、バッテリー駆動で出力を抑えて(2.5W/5W)、屋内に設置したループアンテナを繋いだIC-705も頑張った感じ。
ラズパイは4Bになって結構パワフルになったとはいえ、PCとしての相対的にはまだまだ非力…JTDXのデコード率向上の機能や設定を有効にするとLag値が大きく悪化するため(+二桁台に達することも)、極力シンプルな設定で試行した。

ラズパイ自身をクライアントとしてiPhone 8のインターネット共有を使用し、同時に、APとしてiPad mini 5からVNC接続する…という処理のおかげでこの運用環境を実現することが出来た。
このWi-Fiの二方向使用による操作感(レスポンス、転送速度)への影響はほぼ感じなかったが、バッテリーの消費は増しているだろう。
ただ、同様の処理を行うためにUSB接続のWi-Fi機器を繋ぐよりは少ないかな…と期待。

以前、WindowsPCで同様の環境を構築した際は、WSJT-X/JTAlert/JT_Linker/TurboHAMLOG/TQSLを組み合わせていたが、アプリ間の連携設定や操作、アップデートなどのメンテナンスがやや煩雑に感じていたので、今回は極力にシンプルな構成にしたく、JTDX/TQSLで完結。
JTDX自身にeQSL.ccとの連携(ログの自動アップロード)と局情報表示/通知機能が備わっているのが良かった。(もちろんJTAlertには及ばないけれども。)
ログはeQSL.ccとLotWで管理し、必要ならダウンロード/インポートすることにして、ローカルでは持たない。

さて、屋外運用の環境は出来たけれど…実践するのはいつになるやら。
当初思い立ったのはIC-705を入手した直後の長期連休(二年前か)、帰省の際に実家で運用すべく、ハード(ATU、Alexloopアンテナ)/ソフト(WindowsPC)を揃えたものの、時はコロナ禍の真っ只中で帰省自体が出来なくなり今に至る。
次の帰省(今年のG.W.)では実行に移すかな…。