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ハンドガンから長物まで含めた中で最も好きな銃がUZI。
JACのBV式UZI、マルシンの電動UZI(フルメタル)などを愛用してきた。
また、手元に有る(主に戦争物の)小説や映画にもUZIが登場する作品が少なくない。
非常にリアルなフルスチールGBB STEN mkⅡを出しているNorthEastから、同じくフルスチールでリアルなUZIが出るという発表が以前あり、心待ちにしていた。
発表から随分経って半ば忘れていた6月末、既に発売されていたことを知る。
調べた限りでは初回ロットは殆どのショップで予約完売に近く、次回ロットは10月の予定(当時…執筆現在は11月に延伸)。
稀に在庫有りでもかなり高騰していて、出遅れたことを心底悔やむばかり。
その後、完売だったとあるショップサイトをたまたま覗いたらキャンセル品が有り、しかも相場の中でも安価な方だったので即購入…無事手にすることが出来た。
さて、入手から二ヶ月半ほど経ち、内外ともに一通り弄ったので、覚え書き代わりにブログに書いておこう。
所感
ノーマル状態の面影が余り無いけれども…。
外装のリアルさは見事としか言いようがなく、随所に磁石が貼り付く頑丈なスチール外装にも大満足。
表面は明るめグレーのパーカライズっぽい仕上げで、所々色ムラや小さな塗装剥げがあるのも却ってリアルさを増している。
ハンドガードとグリップパネルは樹脂製だけど、こちらも微妙な色ムラと表面仕上げの粗さがまるで実物といった印象。
硬性感はまったくもって不安無く、スチール製の部分はもちろん、樹脂製のハンドガードやグリップパネルも強く握り込んだ時の撓りや軋みを全く感じない。
内部にオイルが殆ど塗布されていない(揮発した?)との購入者コメントをTwitterなどで見掛けていたので、軽く注油しておこうか…と思ったものの、レシーバーカバーが固着していて全く外れる気配が無かったため、ひとまず箱出しで試射。
初速は低め…マガジンを35℃程度まで温めても70m/sをようやく超える程度。(その後、内部をカスタマイズしたものの、たまに部屋撃ちする程度なので未調整。)
STEN mkⅡは箱出しでも同じ条件で90m/sを超えていたので、この差はちょっと大きいかな。
ただ、動作はすこぶる快調で、不発やジャム、生ガス噴きは一切無し。
カスタマイズ
内部
- ボルト各部の研磨(切削部分のエッジが立っていて引っ掛かりが生じていた。)
作動時の摺動性向上のため要所を研磨 - ピストンのストッパー加工(標準ではピストンが出すぎてOリングがエッジに引っ掛かりやすい。)
作動時にピストンが出過ぎないようストッパーを延長 - ピストンヘッドのOリング交換
シリンダ部分のバリで削れて傷ついていたため交換(内径15mm・線径2.5mm) - ボルト後部のEリング交換
ボルトの分解時に外したついでに国産のステンレス製と交換(3.2mm) - インナーバレル交換(標準品は内外とも細かいキズがあり、精度も気になるため。)
MapleLeaf CrazyJet 250mm for GBB - ホップパッキン交換(標準品は重めの弾を想定しているのか硬めなため。)
MapleLeaf Autobot 60° - ホップテンショナー交換(ホップパッキンを交換するついでに。)
MapleLeaf Omega - マガジンの注入バルブ交換(標準品は注入音が聞こえず吹き戻しも無いため注入状況が判り難い。)
WE 日本仕様品
内部のカスタマイズで使用した工具類(他にドライバーや六角レンチ、バルブレンチ、ヤスリ類を使用)。
・左上:Eリングの脱着に使う専用ツール
外す際には「タミヤ Eリングセッター 2mm」、嵌める際には「オチアイ ETホルダー 3.2mm」を使用。
・左下:アウターバレルなど円筒形パーツのピンを脱着するためのベンチブロック
・右上:ピンポンチを打ち込むための樹脂製ハンマー
・右下:ピンポンチセット
インナーバレルやホップパッキン/テンショナーを交換するためにアウターバレルの固定ピンを抜き挿しするのが最も大変だった。
円筒形の側面端にピンが有るため、ベンチブロックが無ければかなり苦労したと思う。
また、Eリングの脱着も地味に手間が掛かるが、二つのツールを使い分けることで非常に簡単になった。
ちなみに、OリングとEリングのサイズは実測値。
どちらも僅かでもサイズが違うと即不調に繋がるため(特にOリング)、デジタルノギスで念入りに測定した。
外装
- レシーバーカバー加工
脱着し易い様に後端を切削・研磨し黒染め、密着性向上 - ハンドガード交換(トライレイルシステム装着)
FAB-DEFENSE Uzi Aluminum Tri-rail System – UTR(実銃用) - フォールディングフォアグリップ装着
FAB-DEENCE FGG-S(実銃用) - タクティカルライト(レーザー/フラッシュライト)装着
STREAMLIGHT TLR-2(実銃用) - ストック交換(ストックアダプタ装着)
StormWerkz Uzi Stock Adapter Type 2(実銃用) - フォールディングストック装着
5KU JMAC AB-8Rタイプ チークパッド付き(レプリカ) - トップレイルマウント装着
アルミ削り出し(ワンオフ) - フォールディングドットサイト装着
NcSTAR VISM FlipDot(レプリカ)
レシーバーカバーは箱出し状態ではとにかく固くて素手で外すのは無理で、カバー側面(縁)に下から木の棒(割り箸)を当ててゴムハンマーで叩いて徐々に外した。
嵌める際もカバーの上からゴムハンマーで叩き込む感じ。
いずれもロックを解除した状態で保持しながら行う必要があり結構大変なため、調整などで度々脱着することを考えて加工することにした。
カバーの後端がリアサイトガードに強く接触しているのが要因なので、この後端を現物合わせで少しずつ削り、最後に滑らかに研磨して黒染めした。
加工の結果、ロックを解除すれば指先だけで簡単に脱着出来、しかもガタつきは無い。
また、この加工でレシーバーカバーをピッタリ閉じることが出来、バルブノッカーロック動作不調に起因する不発には全く遭遇していない。(レシーバーカバーが浮いているとブローバック時にボルトの浮きが生じ、バルブノッカーロックがうまく動作出来ず不発となる…らしい。)
トライレイルシステム、タクティカルライト、フォールディングフォアグリップ
オリジナルのハンドガードは握り具合が良く見た目も好みとはいえ…拡張性がね…。
フォアグリップやフラッシュライトを装着したい…というわけで、トライレイルシステムへ換装した。
実銃用実物だけど、素手で少し強めに押し込めばスムーズに入る程度のタイトさでガタつきは全く無く、言葉にすると「ヌル〜」という感じでMP2A1に装着出来、固定用のボルトも全く無理なく挿入出来て締め込めた。
MP2A1のリアルさを再実感した瞬間だった。
特にレシーバー前方の傾斜した側面に合わせて斜めにカットされたトライレイルシステム上側後部が隙間や引っ掛かり無くピッタリ密着している様子には感動すら覚える。
フォールディングフォアグリップはトライレイルシステムと同じメーカー製でもちろん実銃用実物。
他社製レイルシステムに装着するとキツすぎる/ユルすぎるという評価が少なくないが、さすが同じメーカーというわけで、こちらもトライレイルシステム同様に「ヌル〜」と嵌め込めて固定も問題無し。
畳んだ状態ではトリガーガードを被う感じになり、この状態でもフォアグリップとして使い勝手が良い。
そのまま引き起こせば固定され、畳む際にはヒンジ部分の大きなマイナスネジを押し込んでロックを解除する。
ちなみに、レプリカ品はこのマイナスネジが粗悪で、数回折り畳むと内部で破断してバネ圧で飛び出してくるという事例が多発している模様。
タクティカルライトはGlock17で使っていた実銃用実物。
フォアグリップに手を添えた状態のまま指先で操作出来るのが良い。
ストックアダプタ、フォールディングストック
UZI(MP2A1)のフォールディングストック自体かなり好きだし、デザイン的なアイデンティティだと思うけれど(MP2A1のA1がフォールディングストック仕様を表す)、展開/収納が結構固く、また割と重いこともあって交換することにした。
最近?はレシーバーの後部に汎用のレイル(ストックアダプタ)を装着、そこにレイル対応のストックを取り付けるケースが多い模様。
海外(アメリカ)に様々な銃用のストックアダプタを出しているメーカーが有り、UZI用もラインナップされていたので早速購入。
航空用グレードのアルミニウム製で軽量且つ頑丈(これはトライレイルシステムも同様)。
こちらも実銃用実物ながらMP2A1には無理無く・ガタ無く装着出来た。
改めてMP2A1のリアルさを追実感。
フォールディングストックはレイル対応で横方向に折り畳め、且つ、バットプレートも折り畳める物を選択。
バットプレートが固定されていると折り畳んだ際にグリップした手に干渉するが、まっすぐ伸ばせればレシーバーの側面に添うので邪魔にならない。
伸ばしたバットプレートの先端がトライレイルシステムの側面レイル(ゴムカバー装着)に接するため、ガタつかず安定する。
バットプレートのヒンジピンは艶有り銀色だったのでブルーイングペンで黒染めした。
余談…このフォールディングストック付属のレイルアタッチメントは新旧有り(今回購入したのは新型)、デザインの違いに加えて製造方法も異なっていて、どちらもスチール製ながら新型が削り出しなのに対して旧型は鋳造。
また、旧型はレイル装着部分のサイズに問題があるらしく嵌合した際にゆがんでしまうとか。
トップレイルマウント、フォールディングドットサイト
UZI(MP2A1)にドットサイトやスコープを装着する方法を調べてみると、レシーバーカバーに穴を開けてレイルを取り付ける方法が多い。
実銃でも取られている方法なので強度的には問題無いのだろうが、厚めの鉄板に綺麗且つ精度良く穴を開けるのは大変だし、高速で摺動するボルトへの干渉も気になるので別の方法を検討。
採用したのはレシーバーカバーの左右から「[ ]」形状で挟み込んで固定する方法。
ちょうど手元にあった短めのレイルと合わせてトップレイルマウントを作成した。
マウント下部左右の「[ ]」部分がレシーバーカバー側面を上下と横方向から鋏み、且つ、横からは芋ネジで固定。(芋ネジとレシーバーカバーの間には薄いスチールプレートを挟み、締め込みに因る傷が極力つかないように対処。)
「[ ]」の下側部分は端がそれぞれレシーバーにも接するため、左右方向のガタは殆ど無い。
実銃用にも同じような構造のトップレイルマウントが出ていたようだけど、今は軒並み販売終了している模様。
装着しているドットサイトはレンズ部分を折り畳める構造。
レンズを起こすと電源ON・倒すと電源OFF、折り畳んだ状態ではゴム製の保護カバーを被せられる。
簡易的なサイト(前方凸・後方凹)が作りこまれているので、バッテリー切れや故障の際にバックアップとして使える。(標準のサイトは今回使用したマウント&ドットサイトに遮られるため視認出来ない。)
リコイルショックアップウェイト
動作は快調だけどリコイルショックがやや軽めなのが物足りない…というわけで、ボルトにウェイトを装着してリコイルショックを強化している事例を見掛ける。(ヤフオクでも出品有り。)
それならば…と試しに作ってみた。
真鍮製で81gと結構重い。(一部黒染めしてみたけれど…ムラが酷い。)
実はまだ装着状態で撃ったことが無い。
高速摺動し相応の衝撃がある部分なのでしっかり固定する必要があるが、強力に貼り付けてしまうと元に戻す(剥がす)のが大変そうなので…。
雑感
実銃用パーツどころか対応を謳っているトイガン用パーツを装着する場合でも、加工や擦り合せが欠かせないケースが殆どなのに、それが全く無加工でキツくもユルくもなく絶妙な感触でまさに「ポン付け」出来たことには非常に感心感動している。
繰り返しになるけれど、これがまさにNorthEast MP2A1の「リアルさ」ってことなんだろうね。
尚、フォアグリップ、グリップ、バットプレートのそれぞれ底面が揃って接地するため、このように立てて置いても結構安定している。