[Raspberry Pi] SDR受信機のワイヤレス操作思案…準備編

【この記事の所要時間: 648秒】

寒い時期になると小物弄りをしたくなる。
無線機関連、パソコン関連、電子工作関連、トイガン関連…不思議とこの時期に活動が重なる。
その中でもRaspberry Piが絡んだ物が割と多く、昨年晩秋から今年の初め頃に掛けて、タブレット型端末やロボットカー、アマ無線FT8運用端末(通称「四号機」)など立て続けに作ってきた。
実は…ブログには掲載していないが、「pi-top[4]」も「Expansion Plate」とセットで組んでいる。

さて、先日導入したSDR受信機「SDRplay RSPdx」はUSBでPCと接続する。
RSPdxの設置場所と普段PCを使用する場所の位置関係から、長い(2m程度)USBケーブルで繋ぐ必要があり邪魔になるし、繋ぎっぱなしには出来ないため使うたびに繋ぐ手間も掛かる。
RSPdxの設置場所にはPCを置くスペースは無く、アンテナを繋ぐ関係でRSPdxをPCの近くに置くのも無理。
それなら、このUSB接続をワイヤレス化出来ないか…と思い立ったのが発端。

以前、FT-818やIC-7300でFT運用しようとした際に、PCとのUSB接続(FT-818は純正オプションのSCU-17を経由)をワイヤレス化しようとして「Virtual Here」というツールを導入したことがあった。
制御面では全く問題無かったが、送信音声の品質が劣化する(歪む、途切れる、など)場合があり不安定なこともあって常用は諦めた。(現在はIC-705ともどもラズパイ四号機で運用。)

FT-818やIC-7300との音声は送受信、対してRSPdxは受信のみなので、その分負荷が軽くて実用になるんじゃないか?…という期待で再トライしてみることにした。
Virtual Hereのサーバアプリ(Raspberry Pi版も有り)は、USB機器×1台の汎用版であれば無償のトライアル版が用意されている。(汎用版でも機器が複数なら有償、他にアーキテクチャに最適化された特化版もあるが、こちらは機器が1台でも有償。)
前述のFT-818とIC-7300は制御と音声というUSB機器×2台の接続だったため有償版を使用したが、これはハード(Raspberry Pi)に紐付けられているため他のハードでは使えない。
今回はUSB機器×1台のため、まずは無償の汎用版を試してみることにした。

先ずは使用するRaspberry Piの調達。
コロナ禍とともに高騰し、一時の大暴騰は収まったとはいえ、まだまだ高価…新調するのは厳しいため、手持ち品を活用する。
今の手持ちはロボットカー、四号機、pi-top[4]…全てRaspberry Pi 4B(8GB)。
この中で、今後の使用が期待できなくなった※ ロボットカーから転用することにした。
※以前はWi-Fi接続のみだったものが、制御/開発用アプリのアップデートに伴ってBluetooth接続も要求されるようになり、CUIのみの現状システムでは接続設定が手間なため保留。
その後、再度のアップデートでログインすら出来なくなり、クラウド上に置いていた自作の制御プログラムにもアクセス出来なくなった。

ナダ電子・Raspberry Pi4用アルミケース
スカイライン2000 Turbo RSを彷彿とさせるカラーリングとヘアライン入りメタリック仕上げのこのケースに惹かれたのも、今回新たに組もうと思い立った大きな理由。
四号機を組んだ際に見掛けて気になったものの、四号機はバッテリーやUPS、回転数可変ファンなど色々組み込むため内容量が合わず見送った次第。
今回は特に追加で組み込む予定も無く、迷わず選んだ。

用意した物

Raspberry Pi 4B,アルミケース、microSDカード。
Raspberry Pi 4Bの空箱が残っていたので、中に収めてわざわざ両面テープで封をして、新品購入感を出してみた。(我ながら暇だね…。)

RTC(Adafruit PiRTC – Precise DS3231 Real Time Clock for Raspberry Pi)、熱伝導シート、ヒートシンク。
RTCは四号機で使おうと考えて購入したものの、目論見違いで中に収まらなかったもの。
今回活用出来れば無駄にならなくて済む。
ヒートシンクは銅製で厚さ1.5mmという極薄品。

アルミケース

アルミケースは天板、放熱板、底板の三枚構成。
他に、固定ネジ、スペーサー、ゴム脚が付属している。

アルミケース付属のネジ(写真内右側)はプラス/ナベ頭タイプでサイズはM2.6×4mm。
出っ張りを極力抑えたいので、手持ちの六角穴/超低頭タイプに交換した。
六角穴はインチサイズで0.9mm弱…かなり小さい。

アルミケースの放熱板はCPUにのみ接する構造(放熱板裏面の出っ張り)のため、他のICチップ(メモリ、USB、PoE)にはヒートシンクを加工して装着。
ヒートシンクは銅製で厚さ1.5mm、最薄部(溝)は厚さ1mmも無いため、金切り鋏で切り出して、ヤスリで整形。
ICチップ周囲の部品に接触しないよう、熱伝導シートを広めに敷いている。
見た目はイマイチだけどケース外からは見えないので良し!

ケース(底板)にRaspberry Piと放熱板を固定してRTCを装着…ジャストフィット♪
RTCの裏面にあるチップと放熱板の間は僅かながら隙間が空いている。
ケース(天板)の固定に影響が出ない程度に押さえられるため、RTCはネジ固定していない。

USBキーボード

Raspberry Piに限らず、PCの初期セットアップ時には有線(USB)接続のキーボード/ポインティングデバイスが欠かせない。
Bluetoothは事前にペアリング必須だし、専用の無線ドングルを使うタイプも稀に相性が悪くて初期設定時には認識出来ない場合があるため。
今までは幸いに専用無線ドングルを使うタイプが使えていたけれど、念の為、USB接続のキーボードを新調することにした。
ポインティングデバイス(マウス)はUSB接続の物を持っているけれど、一緒になっていると扱いやすいよね…というわけで一体型を選択。
これはタッチパッドが搭載されているが、全く同じサイズ・デザインでトラックボールが搭載されたモデルも有る。
230x160x20mmのコンパクトサイズ、USBケーブル長は1.8m。

側面(左側)にUSBポート(USB2.0)が二つあり、HUB的にも使える。
キーボードは結構厚く、一昔前のノートPC並。

底部には折り畳み式の脚が有る。
やや小さい上に立てた際も結構傾斜が有るため、脚としての嵩上げはさほど感じられない。

とりあえず今回はここまで。
Raspberry Piのセットアップを一通り完了し、次はいよいよVirtual Hereのお試し。
Raspberry Piで直接SDR受信機(RSPdx)を操作するアプリも有り、そのアプリ(の一部機能を使用して)TCP経由でWindowsの操作アプリからコントロールする方法も有るようなので、これからいろいろ試してみよう。