初めての電動アシスト自転車…VOTANI H3

【この記事の所要時間: 931秒】

買い物や所用など手軽な日常の足として電動アシスト自転車を購入した。
用途を考えて軽快車、小回りの良いホイールサイズでキャリアやカゴなど後付を含めて積載量がそこそこあること。
また、ライト/スタンド/チェーンカバーは出来れば標準装備で欲しい。
街中がメインなので変速は3段程度で十分、見た目がシンプルで停車中にも変速出来る内装変速機が望ましい。
チョイ乗りなのでバッテリーの持ち(アシスト走行可能時間)はそこまで求めず。
この条件を考えると実はチャイルドシートの無いママチャリが最適かもしれない…と調べてみると結構良いお値段。
それなら少し検討範囲を広げてみるのも良さそう。

VITANI H3 メタリックシルバー(装着しているU字ロックは手持ち品)

そんなこんなで選んだのがBESV/VOTANI H3

センターバスケットやバッテリー収納部など部分的に特徴的なデザインも有るけれど、さほど奇を衒っていなくて、その辺に停めておいても特に人目を引きにくい(防犯上重要)。

サイズ全長1530✕全幅595✕全高1100mm
重量19.7kg
タイヤサイズ(バルブ)20✕1.75(英式)
サスペンション(フロント)コイル式/150mm
変速機方式内装3段(SHIMANO NEXUS)
制動装置前後輪ともVブレーキ
電動機(モーター)DC36V ブラシレスハブモーター 最大定格:250W
バッテリー36V/7Ah(充電時間:約3.5時間) 重量:約1.5kg
ライト有り 周囲の明るさに応じて自動点灯/強制点灯も可能
キックスタンド有り
チェーンカバー有り
添付品専用充電器、マニュアル類
主要諸元

センターバスケット

この製品のアイコン的な部分が車体ほぼ中央(ハンドルとサドルの間)に有るセンターバスケット。
内寸は幅8cm✕前後42cm✕深さ12cmで、一般的なビジネスバッグやトートバッグが入る程度。
深さはさほど無いが、よほど上部が重い・横に大きく張り出している…等の状態では無い限り、走行中に飛び出す恐れは殆ど無いと思う…けれど、心配ならフック付きゴムネットでも掛けておくと安心。
ちょっとした買い物程度なら入る…かな。
このバスケットに合わせた買い物バッグを探すのも面白そう。
尚、バスケットはボルト留めなので容易に取り外すことが出来、固定ボルト部分を利用してボトルケージ等の装着も可能。

事前に購入しておいたU字ロック「ULAC BLOOKLYN」をホルダー「ULAC U HOLD」でバスケットの側面に装着。
ホルダー上部のループ✕2本のみでの固定ながら走行中の段差でも跳ねることは無く、シリコンカバーのお陰で接触時の影響も殆ど無い。

オプションにフロントバスケット(キャリア不要)/フロントキャリア/リアキャリアが有り、それぞれのキャリアには汎用のバスケットを装着出来るので(一部製品は加工もしくは部材追加が必要)、積載量の拡張は容易。
フロントキャリア/バスケットは車体フレームに装着されハンドルの動きに無関係なため、ハンドル操作に影響を及ぼし難い。

変速機

コントローラー
変速機本体

変速機は内装3段式。
停車時にも変速出来るのは、停止・発進が多い街中の移動には非常に便利。
尤も、アシストを有効にしておけば一番重いギアに入っていても大抵は難なく発進出来るけれども。(勾配の強い坂や大きめの段差だとどうだろう?)
ただ、このグリップシフトは今一つ慣れなくて、逆方向に変速してしまうことが少なくない。

ブレーキ

フロントブレーキ
リアブレーキ

ブレーキは前後ともVブレーキ。
実用車に多いコースターブレーキに比べて制動音は大きめだけど効きが良い。
ただ、サイドプルタイプは片効きが気になる所…昔はそうだったけど、今のブレーキでは改善されているのかな?
実際に走ってみて、さほどスピードを出さなかったこともあって(ほぼ常に20km/h以下)、効き具合や音についての不満は感じなかった。

チェーンカバー

チェーンカバー

街乗りに欠かせないのが、ズボンの裾を巻き込んだり汚さないためのチェーンカバー。
上面と前面がほぼ覆われていて安心できる。

フロントサスペンション

フロントサスペンションはシンプルなスプリング式。
前輪にアシスト用モーターが装備されて重量が増しているため、より効果を期待したいところ。
インナーパイプに残っているオイルの線は、ここまで動いたという印だろうか?
尚、リア側の衝撃緩衝はタイヤのみ。

電動アシストシステム

モーター
HMIディスプレイ(シリコンカバー装着)

アシスト駆動用のモーターは前輪に装備されている。
自力駆動する後輪と合わせて前後二輪駆動になり効率が良い一方、登り坂では前輪への荷重が抜け易いため効率が下がる…とも見聞きする。
そこまでの急坂は未だ走行していないので、いずれ試してみたい。

HMI(Human Machine Interface)ディスプレイはアシスト機能コントロールの他、各種情報を表示する。
アシストレベルは、0:OFF/1:エコモード/2:ノーマルモード/3:パワーモード/A:オートアシストモード、の5種類。
右上の電源ボタンを押すと電源ONになり、長押しもしくは約3分間の放置(走行時は除く)で電源OFFになる。
アシストレベルの変更は左端にある「▲」「▼」ボタンで行い、0~3の状態でいずれかのボタンを長押しするとAへ移行する。
尚、サイクリック変化(A⇔0)はしない。

モード表示(名称)特徴アシスト走行可能距離
(満充電状態)
0(OFFモード)アシスト出力無し、通常の自転車として利用
1(エコモード)アシスト力を抑え、長距離走行に適している約72km
2(ノーマルモード)本来の乗り味を楽しめる約48km
3(パワーモード)急な坂道や重い荷物を載せて走る際に適している約36km
A(オートアシストモード)ペダルを踏む力に応じて、瞬時に最適なアシスト力を自動で調整するアシスト力により変動(36km~72km)
各アシストモードの特徴と走行可能距離

アシストモードの下に表示されている「●」はバッテリー残量を表す。

バッテリー残量表示バッテリー残量目安
●●●●●100%~81%
●●●●80%~61%
●●●60%~41%
●●40%~21%
20%~11%
●(点滅)10%以下
バッテリー残量表示と残量目安

他に、各種情報(TRIP:走行距離/RANGE:現在のモードでのアシスト走行可能距離/SPEED:走行速度)を切り替えて表示することが出来る。
切り替えは、アシストモード変更ボタン(▲▼)の間に有る「◯の中にiが入った」ボタンで行う。(押す毎に切り替わる。)
時計機能が有れば尚便利だけど、ナビ(Beeline Velo 2)には時刻表示機能も有るので、互いに補い合えば良し。

バッテリー

バッテリー収納部

バッテリーはシートポスト後部に収納する。
収納部はフレームと一体化しているため目立ちにくく、開閉部にはもちろん盗難防止の鍵が装備されている。

ライト

コンパクトなフロントライト(LED)

フロントライトはHMIディスプレイで周囲の明るさを検知し自動点灯/消灯する他に、HMIディスプレイの手前左端に有る押しボタンで強制点灯/消灯することも可能。
また、電源は本体バッテリーから供給される。
未だ夜間走行はしていないが、必要十分の照度は有ると思われる。

ナビ(Beeline Velo 2)装着

ユニバーサルマウント装着
ナビ装着

ナビ(Beeline Velo 2)はハンドルステムに装着することにした。
ユニバーサルマウントを使用せずにハンドルステムキャップへ直接装着するマウントもオプションで出ているが、このステムで使用できるか不明だったため。

実際に走行使用してみて、位置や対面角度が程良く、Beeline Velo 2に貼付した反射防止フィルムのおかげで直射日光下でも視認性は非常に良かった。
分岐点までの距離が表示され、少し手前でビープ音が一回・直前で複数回鳴って通知されるので頻繁に見る必要は無いものの、必要最小限のシンプルな表示なため入り組んだ裏道などでは少々戸惑う。

いざ実走

自転車屋で受け取って、細かい説明やサドル高さの調整などを済ませて、いよいよ自走で帰宅。
自宅(実家)までの距離は10km少々、陽が陰って風も強く結構肌寒い。
店の駐輪場でU字ロックとナビを装着し、ナビには自宅までのルートを登録。
そして持参したヘルメットを着用、防寒グローブまでは要らないかな。
付属品や各種書類はセンターバスケットに入らなかったためボディバッグに詰め込んで背負い、ヘルメットなどを入れてきたトートバッグを畳んでセンターバスケットへ。

早速、ナビに従って走り始める…ナビの表示と通知に慣れるまでは、アチコチフラフラでリルート頻発…それでも小回りの効く自転車なので気軽なもの。
低い気温と強い風で走り出しこそ寒かったものの、しばらく走ると結構温まり、荷物を背負っていた背中には汗を感じる。
ヘルメットの違和感は無し…パッと見た感じ未だ被っていない人が大半だけど、自分の身を守る装備なので他人がどうとかは関係無い。

最初は電動アシスト無しで走行…自転車で走るのは数年ぶりなのに加えてコロナ禍以降の運動不足が覿面で、2/3ほど走った頃にアシスト起動(オートアシストモード)。
その効果の絶大さに思わず笑った…特に停車時からの走り出しは、ほんの少しペダルを踏み込んだだけでス~っと進み、まるで電動スクーターの様な感覚。(反面、慣れるまでは勝手に進む感じで少々怖かったり…。)
特に停車・発進が頻発する裏道走行では非常に有効、交差路で軽い登り坂になっている箇所もギアを落とすことなく発進出来る。
ちなみにギアはほぼ2速(中間位置)だった。

フロントサスペンションの効果は…微妙。
無い状態と比較していないので実際の差は不明ながら、本音を言うとそこまで効いていないかな?といったところ。
交差路での歩道への低い段差でも結構衝撃を感じる。
やや太めのタイヤもあって多少は緩和されているかもだけど。

帰宅した時には足が結構疲れて運動不足を痛感。
また、Tシャツとその上に着ていたオープンシャツの背中は汗でビッショリ状態だった。(その上にマウンテンパーカーを着用。)

今後の予定

いずれ、積載量拡張のためフロントキャリア/バスケットを装着したい。
また、後方確認のため右側だけでもミラーの装着を考えているけれど、右グリップ辺りはグリップシフトやベル等で混み合っていてスペース確保が難しく、またハンドルバー自体も中央から端に向かってテーパー状で直線部分が少ないため装着出来るミラーの選定が悩ましい。(同じ理由でナビはハンドルステムに装着…結果オーライ♪)
グリップエンドへの装着が良さそうだけど、ちょっと思案していることがあって空けておきたい。