お手軽FT8運用環境

【この記事の所要時間: 627秒】

前環境(元自宅)では一応屋外アンテナ(ATU専用エレメント…2m程度のアルミパイプ)と屋外設置ATU、IC-7300も使用していたものの、主に遊ぶのはIC-705やFT-818NDとMLAやGAWANT系アンテナといったコンパクトな構成。
聳え立つ大きなアンテナや重厚長大な無線機が並んだ光景にも憧れるけれども、一方でこじんまりしたミニマムなセットでの運用も楽しい。

無線機【IC-705】/【FT-818ND

メイン(現在は100%)がFT8運用なのでPCやタブレットとの接続が必須条件。
IC-705はUSBに加えてWi-FiやBluetoothでの接続にも対応しているためワイヤレス接続が可能。(Bluetoothでの接続については未だ成功せず…。)

FT-818NDは本体のみでの接続手段が無く、外部にデジタルI/F(純正オプション、他社/他者製作品)をケーブル接続する煩雑さが有ったが、後部に直結出来る「Pocke IF817Ⅱ」(現行のPocke IF817CはUSBポートがType-Cに変更)のお陰で単体同様のシンプル構成になった。
また、「Pocke IF817G」ではGPS機能が搭載され、FT8で重要となる時刻合わせの高精度化が図れる。

アンテナ【Wonder Wand Wide−Bander mkⅡ(INLINE)

シンプル&コンパクトで性能の評価も高いアンテナとなると、GAWANT系などのエンドフェッド・アンテナだろうか。
特に、FT-818NDの自作折り畳みアンテナ基台に装着した姿は、なかなか良い感じと自画自賛♪

本家GAWANTはスタンダードタイプと7MHz帯対応タイプの二種を持っていて、自分自身でも幾つか製作して主にFT-818NDで試用したが、鉄筋集合住宅屋内(元自宅)という環境では真価を発揮出来ず。
そんな中、情報収集していて見掛けたこのアンテナに興味が出て入手してみた。
今回、この記事を作成する際に久々に使ってみて、以前の環境に比べて受信(FT8デコード)はかなり良好。(送信についてはアマチュア無線局免許の住所変更手続き中のため未確認。)

構成品

構成品
・本体(123✕34✕30mm・突出部を除く)
・ロッドアンテナ(全長130cm)※熱収縮チューブを装着
・ロッドアンテナ用BNC-Pベース
・ワイヤーアンテナ接続アダプタ(BNC-P)
・変換コネクタ(M-J⇔BNC-P)※手持ち品

簡易設定表

このアンテナは1.8MHz~432MHzとかなり広範囲で(耐入力10W…FT8などデジタルだと半分の5Wが目安かな)、使用するバンドをセレクタで切り替えてチューニングする必要があるが、バンド表記がされていないため自分が主に使うバンドのFT8運用周波数での簡易設定表を作ってみた。
FT8運用周波数の覚え書きという意味も有り。

収納用ケース
収納状態

収納用ケースは付属していなかったので、適当な大きさの小物入れを探して、サイズ的にちょうど良さそうなANKERのBluetoothスピーカー用ケースを流用。
ガタつき防止のため、内側(手前)にクッションテープを貼っている。

タブレット【Galaxy Tab Active 3(SM-T577U)

FT8運用に欠かせないのがPCやタブレットなどのデバイス。
以前は「JTDX」や「WSJT-X」を主に使用していたため、Windows-PCやRaspberry Piを使っていた。
Windows-PCはUMPC、Raspberry Piはバッテリー搭載タイプを自作したのでデバイス自体はコンパクトになったが、OSやアプリの起動に時間が掛かることや、タフさ(防水・防塵・耐衝撃・バッテリー稼働時間)に乏しい、といった課題が…。
もっと手軽に使用出来るアプリやもっとタフなデバイスは無いものか。

そんな思案中にたまたま見掛けたのが「FT8CN」というAndroid版アプリ。
このアプリ単体でFT8運用やマップ表示、ログ管理が出来て非常にお手軽。
Androidならデバイスの選択肢が豊富でタフな製品も少なくない、また起動時間やバッテリー稼働時間も十分満足できるはず。
IC-705やFT-818を含む数多くの機種に対応しており、無線機との接続はUSB/WiFi/Bluetoothに対応し、マイク/スピーカーを使った「生音声」での送受信も可。
是非使いたいけれどAndroidデバイスを持っていなかったので、8インチクラスで屋外利用を想定して防水(IPX8)・防塵(IP6X)・耐衝撃(MIL-STD-810H)に優れたGalaxy Tab Active 3(SM-T577U)を選定。

Galaxy Tab Active 3(ARMOR-X保護ケース装着)
Galaxy Tab Active 3(ARMOR-X保護ケース装着)
デジタイザーペン(S Pen)
三種の物理ボタン…中央のホームボタンは指紋認証に対応

国内では正式な取り扱いが無く、入手出来ても高額なため、アメリカのAmazonで購入…快速配送でも格安だった。
選定条件には無かったがデジタイザーペン(S Pen)の使い勝手がかなり良く、手書き認識での日本語入力も全く問題無し。
指紋認証を兼ねたホームボタンなど物理ボタンもかなり便利。
バッテリーの交換が容易で外部給電時にはバッテリー未搭載でも動作可能というのも大きなポイント。

ちなみに、単体でも前述の通り防水・防塵・耐衝撃性を有しているが、更に強固なARMOR-Xの保護ケースを装着している。
重量は増したものの、厚みが増したことで持ち易くなり、ハントループと合わせて使用時の安定感と安心感が大いに向上した。
それに…Peovi外骨格を装着したIC-705と形状イメージやサイズ(横幅)や合っているのも非常に良い感じ。

アプリケーション【FT8CN

前述の通り、アプリ単体でFT8運用やマップ表示、ログ管理などの機能が有り、手軽に運用環境が構築出来る。
スペクトル表示とデコード表示に加えて、世界地図上にグリッドロケーター単位で交信状況(発信/受信)の表示も有り、見ていて楽しい。
また、自身がサーバになり他のデバイスとログ等のインポート/エクスポートが可能で、ログファイルはeQSL.ccなどのログ管理サービスへのアップロードに対応している。

設定自体は非常に簡単で、自分の場合(IC-705でWiFi接続)は下記の項目のみ入力/設定。
①【自分のコールサイン】⇒自局コールサインを入力
②【リグ】⇒「ICOM IC-705」を選択
③【接続方式】⇒「ネットワーク」を選択し、対象のIC-705に接続
※IC-705側のWiFi接続や通信設定、Androidタブレットの音声入出力設定等が別途必要な場合有り。

受信状況
スペクトル表示/デコード表示
マップ表示

今回は受信のみのお試しだけど、過去にIC-705ではUSB接続とWiFi接続・FT-818ND(IF817G装着)ではUSB接続で交信実績が有る。