[IC-705] ノイズは減るか!?…安定化電源変更(スイッチング式⇒トランス式)

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屋外アンテナを設置し運用するようになって、HF帯の一部のバンド(7/10/14MHz)でノイズレベル(自然ノイズではなく人工ノイズ)が明らかに上がっていることに気付いた。
その前に使っていたMLAが屋内設置にも関わらず、さほどノイズが多いという感じでは無かったが(もちろん無くはない)、MLAのノイズに対する強さのおかげと、屋外アンテナにしたことで(垂直型アンテナは特に)よりノイズを拾い易くなった結果だろう。
また、FT8運用環境としてPCや液晶ディスプレイ(×3)などPC関連機器が至近距離に有るし、Wi-FIルーターや光回線用ONUも近い。

コモンモードフィルタ(CMF)を同軸ケーブルのIC-705間近とATU間近それぞれとATUの制御ケーブルのATU間近に入れ、同じ室内に有る電子・電気機器全ての電源ケーブルや信号(主にUSB)ケーブルにはクランプコアを装着している。
また、無線関連機器とそれ以外ではそれぞれ別のテーブルタップに繋いで接続先の壁コンセントを分け、更に無線関連機器にはノイズ・雷サージプロテクタを壁コンセントとテーブルタップの間に取り付けている。
テレビやレコーダー関連も別のテーブルタップ/コンセントに分けて、こちらもそれぞれクランプフィルタを装着。

それでも該当バンド(特に7MHz帯)のノイズレベルは結構高いまま。
3.5MHz帯や18/21/24/28/50MHz帯では無くはないけど気にならないレベル。
PC関連(Wi-FiルーターやONUも含む)の電源を全てOFFにしても大きな変化は無く、テレビやレコーダー関連も同じく。
室内の照明は蛍光灯だが、こちらもON/OFFによるノイズレベルの変化は殆ど感知出来ない程度。

まだまだ万策尽きたわけではなく他にも色々試す余地はあるけれど、まずは安定化電源を換えてみようと思い立った。
最近主流のスイッチング式電源は小型軽量で出力も大きくて非常に良いけれど、スイッチングノイズを出すという難点が有る。
一方、最近余り見かけないトランス式電源は大型で重量も有るが、ノイズが非常に少ないという特長が有る。

今使っているのはALINCO DM-330MV
小型軽量(16.51×17.5×6.71cm/2 kg)で出力も大きく(連続30A)、非常に使い勝手の良い優秀な電源。
トランス式電源は現行製品自体が非常に少なくなってしまっているが、その数少ない製品の 第一電波工業 GSV3000を特価で見つけたので購入することにした。

大型で重く(24×24×14cm/8.95 kg)、DM-330MVと比べて容積比で約4倍・重量比で約4.5倍(出力はDM-330MVと同じく連続30A)…届いた現物を見ると意外とコンパクトかな?実際に設置してみても意外とそれほど重くないな?という感じで置き換え完了。

ちょっと残念な点

「○」型端子が使えない出力端子

購入前から分かっていたことだけど、この出力端子は頭の部分が取れないタイプ。
なので「○」型端子のケーブル(IC-705もそう)はそのままでは接続出来ない。
(DM-330MVの出力端子は頭が取れるタイプ。)
「Y」型や「U」型の端子に交換するか、剥き身の線を端子横の穴に貫通させて締め込むか…ただ、この方法だと各端子一本しか接続出来ない。
(「○」型端子をニッパーなどで切って疑似「U」型端子化するという手も有るが…。)

事前に分かっていたので、CQオームオリジナル 「ワンパチくん」も一緒に購入しておいた。
DCケーブルの既存端子を切り落とす必要は有るけれど、剥き身の線をワンタッチで安全確実に最大四台分まで接続出来る。
電源側はGSV3000の出力端子にピッタリ適合する「U」型端子になっている。
※この写真を撮った後で「ワンパチくん」(電源接続側)にもクランプコアを装着した。

照明無しのメーター

出力電圧・電流のメーターには照明が無く、暗い場所では読み取れない。
基本的に出力電圧は13.8V固定だし一気に電流が流れそうな接続機器でもないので実用上の問題は無いけれど、照明くらいは付けて欲しかったな(出来れば点灯/消灯切替可で)。

クリックが浅い出力電圧調整ノブ

出力電圧ノブは13.8V出力位置にクリックが有るけれど、それが浅くてちょっと強めに触れたら簡単に動いてしまう。
とりあえず容易には触れ難いようにメタルラックの最下段奥深く(放熱用スペースは確保)に鎮座させている。

気にならない点

購入前にいろいろ調べてレビューなどで見かけていた「気になる点」は大半が前述の内容。
その他にも幾つか挙げられていたけれど、自分自身は特に気にならなかった。

ファンの音

DM-330MVと比べると大きめだけど、DM-330MVのように高音域が目立つ音質ではなく、また音量も一般的なデスクトップPC並かそれ以下なので、運用中は他の音に紛れて全く気にならない。

トランスの鳴き

トランスから唸るような音が聴こえる…というレビューを見かけた。
自分の場合は接続負荷が低いこともあってか、トランスからの異音は皆無。
そういえば、昔使っていたオーディオアンプのトランス鳴きが酷くて、いろいろ対策したりメーカーへ調整に出したものの、結果的に手放したことがあったな…と思い出したり。

効果の程は?

安定化電源をスイッチング式からトランス式に置き換えて、明らかな効果が有ったか?というと…正直な所判らない。
最も酷い7MHz帯でノイズレベルが下がったような感じもするけれど、誤差の範囲かもしれないし自然変動の範囲かもしれない。
まぁ、悪くはなっていないので、ひとまずこの策はこれで良しとしよう。
もし安定化電源を置き換えなかったら、ずっと気になっていただろうし。
まだ他にも改善点は有るので、気になるところから一つずつ試していこう。