[FT-818] FT8運用リベンジ♪

【この記事の所要時間: 639秒】

アマチュア無線は永らくコールサインを維持するだけの開店休業状態だった。
それが実運用を再開する大きなキッカケになったのが、FT8というデジタル運用の存在。
無線機とPCをUSB接続し、PCにインストールしたアプリで交信するというもの。
無線への興味はすっかり薄らいでいたけれど、PCと連携して操作・交信するという点に面白さを感じて、早速試してみることにした次第。

当時持っていた無線機は通勤ラジオとして使っていたVHF/UHFハンディ機(VX-8D)一台のみ。
FT8で運用するにはHF帯は欠かせないし、PCとの接続(外部I/F込み)も必須。
というわけで、FT-818NDと純正I/Fユニット(SCU-17)、その他諸々を一式新調したのが三年ほど前のこと。
デジタルモード申請が簡略化される前だったので、無線局免許状の変更申請が結構大変だった覚えがある。

その後、外装をメインにいろいろと弄ってきた経緯をブログにも記しているが、肝心のFT8運用についてはほとんど言及無し。
その訳は…散々試行錯誤したものの、結局交信に成功しなかったため。
肝心のアンテナが未整備(屋外設置前で、RHM8BやGAWANT/GAWANT-7を室内使用)だったことと、FT8関連の設定に不慣れ&スキル不足なため見様見真似で弄ったことで迷路にハマってしまったのが原因。

結局、その後IC-7300と屋外アンテナを新調しFT8での交信に無事成功したことで、FT-818でのFT8運用は完全に無かったことになり、その後更にIC-705を増設した結果、ラジオとしての出番も無くなってしまい、無線機ラックのお飾りとして殆ど隠居状態になっていた。
正直、関連品一式まとめて手放そうかと何度か考えたことも…。

Pocke IF817Ⅱ♪

ドナドナを待つばかりのFT-818をなんとか活用できないか。
やはりFT8運用への再トライだけど、一度手放したSCU-17を再入手するのはチョット、それにあのケーブル引き回しはスマートじゃないし、設定・調整も悩みそうで…。

そんな中、ず〜っと気になっていたのがFT-818の後部に直結出来るUSB-I/F「Pocke IF817」。
電源は不要(FT-818とPCから供給)でケーブルはPCとのUSB接続のみ、I/F自身には調整が必要な箇所は無し。
Pocke Tech(JA6IRKさん)で不定期に少数頒布されているもので、度々頒布サイトを除くものの常に品切れ状態。
それが運良くツイッターで頒布予告を目にして、無事入手することが出来た。
現在はKey入力用延長端子が追加された「Ⅱ」モデルになっており、また、外装色はロット毎で異なっているようで、自分が入手した物は緑色…パネルのODカラーとも合う。

Pocke IF817Ⅱ PCとの接続はmini-USB
Pocke IF817Ⅱ FT-818との接続はDIN×2と3.5mmΦミニプラグ

FT-818への装着は背面に有る二個のDIN端子(DATA,ACC)と3.5mmΦミニプラグで行う。
ミニプラグ⇒DINコネクタの順で位置合わせをするのだが、単体でも差し込みにくいDIN端子が同時に二個なので慎重を要する。
幸いに引っ掛かることもなく無事装着出来た。
最後にネジ(付属しているが、手持ちのネジ頭が薄い物を使用)で固定する。
アースを取る際にはこのネジに繋ぐ。

FT-818に後部に装着
3.5mmΦミニプラグとDIN×2の接続が要注意点

FT-818とPocke IF817Ⅱの間は4〜5mmほどの隙間が開いていて、中の基板が丸見え状態。
まぁ、水や埃、汚れが入るような環境で使うことは無いと思うけれど…少々気になるところ。
なので、簡易的だけどパッキン的な物を作って隙間を埋めてみた。
シリコンチューブに中芯としてステンレスワイヤを通して、Pocke IF817Ⅱの輪郭に沿う感じで成形したもの。
右側にはアンテナ端子が有るので、そちらは中芯を無くしてチューブのみにしている。

隙間埋めのパッキン的な物
とりあえず隙間埋めにはなりそう

完成形

実は一度外装を全て工場出荷状態に戻したので(理由は後述)、再度交換し、Pocke IF817Ⅱを装着した完成形がこちら。

立てて置いても保護フレーム(817 ESCORT)のおかげでPocke IF817Ⅱはギリギリ接触しない

修理依頼(出力が著しく低い)したものの…

Pocke IF817Ⅱを装着してFT-818側の準備が完了したので、ラズパイ四号機を使ってFT8運用環境をセットアップ。

受信(デコード)の方は、Pocke IF817Ⅱの説明書や、過去の試行錯誤の記憶から割とすんなり成功して、いよいよ送信確認を始めたところトラブル。
それは…FT-818の出力が著しく低いというもの。
FT-818は送信出力を四段階に設定出来、容量十分の電源が接続されていれば6W/5W/2.5W/1Wの出力が有る。
それがどの設定にしても0.3W程度しか出ていない。
最初はATU-10で確認したが、手持ちの他のPWR計で測っても同等の結果。
そういえば、前モデルFT-817は終段が弱くて簡単に飛び(壊れ)易く、マイナーチェンジしたFT-818でも特に改善されていない(噂)と見聞きしたことがある。
見聞きした中にはしばらく使っていなかったらいつの間にか飛んでいた…なんてものも。
自分の場合は購入当初のFT8運用試行錯誤の後は全く送信していなかったものの、その試行錯誤で何かやらかしてしまったのかも…と早速メーカーへ修理依頼をした。
その結果は…「異常無し」…全てのバンドで規定の出力がちゃんと出ているとのこと。
とりあえず、修理は無くなり、全体的な点検と調査をしていただいた。

修理依頼に際して外装を全て工場出荷時の状態に戻した…久しぶりのスッピン

戻ってきてから再度試してみたところ…前回よりは若干上がっているものの最大出力設定でも0.5W程度しか出ない。
メーカーが見落とすわけもなく、FT-818自身ではなく他に要因が有るのだろうか?
アンテナ(Alexloopアンテナ)とATU-10はIC-705で正常に使えているし、PWR計もIC-705とIC-7300では設定通りの出力を確認出来る。
となるとアプリ(JTDX)?…でもIC-705とIC-7300は問題無いしなぁ…。

もしや!と思い当たったのがFT-818の設定。
メーカーでの送信チェックは音声かCWでデジタルモードまでは試していないと思う(外部機器やアプリが必要だし)。
FT-818の設定を調べてみると、それらしき設定【25: DIG MIC】(工場出荷時は50…手持ちの取説ではDIG GAINと記載)が10になっていたので、試しに28まで上げてみたところ各出力設定通りの出力になった。
その後、室内設置のAlexloopアンテナでFT8での交信にも成功♪

DIG MIC(DIG GAIN)設定なんて弄ったかなぁ?…もしかすると購入直後のしばらくFT8運用にトライした時に見様見真似で弄ったかもしれない。 
SCU-17やPC(当時はWindows機を使用)のレベル設定が幾つもあって、なかなか交信成功しないまま適当に弄ってしまったか。 
この辺りは実は今もまだ理解不足。

JTDX設定

無線機とオーディオ設定。

無線機設定 モードは「指定無し」の方が良いかも
オーディオ設定